見出し画像

時雨ごと|詩


「時雨ごと」

冬の冷たさよりも暖かく降る雨と
灰色の雲に虹をみた、昼下がり
憂うつと隣りあわせの不安が
魂ので出口を探していた

かじかんでいるのは君だけじゃないよ
袖ぐち覗いた拳が小さく笑う

何者にもなれなかった僕と
何者にもなりたくなかった、僕
そんな僕が、まるで
何事もなかったかのように
そっと、君の唇に寄り添っていた

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?