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50代女、初めての富士登山(その1)土砂降りの雨と高山病~ 

こんにちは。カブトムシの母です。

富士登山、行って参りました。

前回の記事 ↓

前日まで腰痛と足の痛みがあり、今一つテンションが上がらず。

最後はもう神頼みしかない!
と前日、地元の神社で登頂と安全を祈願をし、旅行安全守をいただきました。

新宿~富士山五合目

そして、当日。

4時起きして家族の朝食を作り、洗濯をしてから家を出、新宿西口に集合し、7時半に出発。

女性おひとり様の場合、隣も女性ということだったので、おひとり様同士、仲良くなれるいいな~なんて思っていたら、私の隣には誰も乗っていませんでした。

バスは50人以上乗っているのに、女おひとり様はまさかの私一人⁉

バスの中では広東語が飛び交い、どうやら香港人のグループが多く乗っているようでした。
その他に私の通路隣には、お父さんと中学生の息子と思われる親子、前の席には登山に行くには軽装な女子大生…と思ったら、その子たちは富士急ハイランドで降りて行きました。

富士山吉田口五合目


途中、レンタルグッズを受け取り、10時半ごろ到着。
山道を蛇行している最中に、荷物をレンタルしたザックに入れ替えたりしたからか、軽くバス酔いしてしまいました。先が思いやられる…。

登山に同行するガイドさん3人と対面し、11時半に再集合するように指示されました。

荷物は女性は4.5キロくらいにするようにと言われ、置いて行ける物は置いて行こうと整理をするのに時間がかかり、着替えもして、昼食を食べる時間は10分くらいに。

バス酔いもあり、食欲もなく、肉うどんを少しだけ食べました。
昼食オプション(800円)なんてつけなければよかったと後悔。

その後、トイレに行き(初めての有料トイレ)、通行料2000円を支払い、11時半になんとか集合。

五合目

重量チェックに引っかかる


荷物はだいぶ減らしたつもりでしたが、ガイドさんに量ってもらったらまだ7キロオーバー⁉

富士山の頂上は寒いと聞いており、防寒対策グッズが多かったかも…。

シャツや薄手の上着は腰に巻いて行けばいいかなと思っていたのに、蒸れるからやめたほうがいいと言われてしまいました。
重いのと暑いので体力を奪われてしまうとのこと。

こちらは富士登山初心者なので、ガイドさんの言うことに逆らう勇気はなく、素直に従うことに。

レンタルしたザックとトレッキングポール

五合目に置いて行った物

・レンタルしたフリース(自分のフリースと重ね着する予定だったけど断念)
・ユニクロのチェックのシャツ(よく登山する人が羽織っているようなやつ)
・ワークマン女子で買ったポリエステルの上着(せっかく買ったのに!)
・携帯用マウスウォッシュ(歯磨きできないと聞いたので)
・酸素缶1つ(2つのうち1つ)
・携帯充電器
・ネックウォーマー(2つのうち1つ)
・着替え(帰りの温泉用)
・化粧道具
・水500ml 1本(アクエリ1本・水2本のうち→ 水分は1Lまでと言われ)
・アミノバイタルゼリー(オーバーザサンの運動会でもらったヤツ。これも飲料にカウントされると言われ)
・行動食半分
・塗る鎮痛スティック(塗る湿布みたいの。痛みが出たら塗ろうと思って)
・レンタル店でもらった登山用靴下
・ショルダーバッグ(ここに財布やカメラなど貴重品を入れるつもりだったのに、ザック以外は身に付けちゃだめと言われショック。ウエストポーチもNG)

これだけ置いて行っても、まだ5キロオーバー。
でももう減らせる物はないと言って、勘弁してもらいました。

行動食もこの半分に

出発


全員重量チェックが終わり、12時20分ごろ出発。
ツアーは全部で40人。

グループ名をつけようというガイドさんの声に、誰が提案したのかガイドNさんの名前をとってNちゃんグループに。

「がんばって登るぞ!エイエイオー!!」とみんなで掛け声をかけ、ニュースなどでよく見たゲートをくぐり出発!

…と思いきや、通行料2000円を払っていなかった人達がいていきなり足止め。
事前に各自で払うように言われていましたが、外国の方たちが指示を聞き取れなかったのかもしれません。

通行料を払った印。ゲートでチェックされる。

気を取り直して出発。

2列に並んで!と指示されましたが、皆、お連れさんと並んでいたので私の隣は誰もおらず。
ちょっぴり寂しい感じ。

五合目から六合目にかけてはまだ坂道も緩やかで、緑も見えました。
これくらいなら、まだ余裕。

ところが、出発してから数十分もしないうちに雨が!

Nちゃんグループ一行は一旦止まり、急いでレインスーツに着替え、ザックにカバーをつけました。

そうこうするうちに雨はどんどんひどくなってきて、雷鳴まで!
(後から、この日、富士山で落雷事故があり怪我人が出たことを知って驚きました。

あー、また、やっちゃったよ、雨女。

この時期の雨は珍しくないのかもしれないけれど、ガイドさんも、こんなひどい雨は珍しいと言っていました。

「ごめんね、みんな!」
と心の中で謝る私。

もちろん科学的根拠などないので、こんなこと言ったら傲慢な勘違いヤローだと言われそうだけど砂漠に雨を降らせたこともあるので…。

そして、この雨は強くなったり弱くなったりしながらも八合目まで降り続けました。

六合目

六合目のあたりでガイドさんにヘルメットを借りるようにすすめられ、預かり金2000円を払ってヘルメットを借りました。

落石が頭に命中することは少ないけれど、落石で転倒し、転んで頭を打つことがあるとのこと。
レンタルは任意だけど、初心者はとにかく素直に言うことを聞いておきましょう。

有料トイレ


ついでにトイレも。

ニュースなどでご存知の方も多いでしょうが、富士山のトイレは有料で200円~300円かかります。

泡で流すタイプ、水で流せるタイプ、水は出るけど紙を流してはいけないタイプ、いろいろ。
六合目のトイレは泡タイプで300円。ペイペイ払いもできました。

六合目のトイレ

六合目~七合目

若者が多いせいか、グループのペースは私には速く感じられました。

ちょっとでも止まろうものならたちまち置いて行かれてしまうので、うかうか写真も撮っていられません。

腰や足の痛みが心配だったけれど、それよりも息が苦しくなってきました。

マラソンを走っていると胸が息苦しくなってくる感じです。
こんなんで山小屋までたどり着けるのだろうか…と不安になってきました。

あたりは何も見えません

七合目~八合目

七合目の少し前から岩場が出てきて、それまでのようにスムーズに歩けなくなりました。

岩場なんて聞いてないよ!(リサーチ不足)

と思ったけれど、よく考えたら富士山は火山
これらの岩は溶岩が固まった物か、と納得。

岩を流れて来る雨を見ていたら、これはもはや沢登り!

あ、でも、これ、意外と好きかも。

以前、キャンプで沢歩きをしたのが楽しかったのを思い出しました。

そして、落ちないように楽に登れるように、頭を使ってどこに足をつくか考えるのはボルダリングのよう。

沢登り?ここはまだ岩少な目

込んでいるのがいい!

富士登山のイヤな点は、人が多くて込んでいることだと思っていました。

しかし、ハードな岩場を登りながら、込んでいて本当によかったと思いました。

皆が一歩一歩、ゆっくりゆっくり歩くので、私も休みながらゆっくり歩くことができました。

もし、これが空いていて、若者のペースに合わせて歩かれたら、私はとてもついていけなかったでしょう。

もはや高山病なのか、ただ息があがっているだけかわからない状態で、とにかく一歩一歩上へ上へ。

そして、ようやく八合目に着き、ガイドさんとハイタッチ。
ここまでで既に18時ごろになっていました。

七合目?

おひとり様発見!

休憩していたら、同じく一人で休んでいた女性と目が合ったので、どちらからともなく「疲れましたね~」と声をかけました。

聞けば、彼女も同じバスでおひとり様。

隣の席には中国系アメリカ人の女の子が座っていて、行きはずっと二人でしゃべってきたとのこと。
彼女曰く、今回のツアーでおひとり様の女性は3人、男性は1人だそう。

彼女、りんさん(仮名・57歳)は私より年上でしたが、なんと富士登山は今年で3回目!
よほど富士山が好きなのかと思いきや、一昨年は天候不順でご来光が見えず、昨年は風が強くお鉢巡りができず、今年はリベンジのつもりで来たとのこと。

ここから、りんさんと中国系アメリカ人ミミちゃん(仮名・30歳)と3人で行動することが多くなり、俄然楽しくなってきました。

やっぱり旅は道連れ!

八合目から

八合目~八号五勺


八合目まで来ればあと少し!と思いきや、八合目から山小屋が密集しており、八号五勺(8.5合・標高3450m)までは思った以上の距離がありました。

辺りは薄暗くなってきたのでヘッドライトを着用。

途中、八合目のトモエ館で美味しいと評判のアンパンを400円で購入(りんさんの話だと、クリームパンの方が有名らしい)。

地上で食べたら普通の味だった…。

最後の岩場(階段状だったか?)はかなり急で、山小屋の電気は見えているのに、なかなかたどり着けずもどかしかったですが、このころには雨も上がり、美しい景色も見えてきたので最後の力を振り絞って歩きました。

夕日に染まる空

到着は19時50分ごろ。

ガイドさんの話では7時間かかるということだったので、途中止まったロスタイムを除けば大体予定どおり。

よかった、ここまで来られた!
奇跡的に足も腰も痛まず。高山病もないみたい?
雨に降られた以外は順調!

奇しくもこの日は川口湖の花火大会があり、眼下に花火が小さく見えました。
花火を見下ろすなんて貴重な体験!

山小屋「御来光館」


山小屋に泊まるのは初めて。

てっきりだだっ広いスペースに寝袋を並べて雑魚寝するのかと思っていたら、二段ベッドで一人ひとりスペースが確保され、仕切りのカーテンもありました。

夕飯はプラスチックの容器に入れられたハンバーグ、サラダ、ライスと塩辛いスープ。
ずっと歩いて来たからお腹がすいているはずなのに、なぜか食欲はなく三分のニほどで残してしまいました。

ガイドさんに高山病対策のために食後30分くらいは起きているように、と言われましたが、この時点でもう8時半を過ぎていました。


びしょぬれの防寒着

山小屋に着き、ようやく上着を脱ぐとレインスーツの下に着ていた服までびっしょり。
ザックを開けると、こちらも中までびっしょり。

防寒のために持ってきたネックウォーマーや手袋はビニールが二重になっていたのでかろうじて無事でしたが、着替え用に持ってきたオーバーザサンのシャツとタオルは濡れていて使い物にならず。

一番ショックだったのは防寒用のフリース。雨水を吸って絞れるほどに。

こんな物を着たら、逆に風邪を引いてしまいそうです。

ガイドさんに相談すると、山小屋で裏起毛のスウェットスーツを売っていると教えてもらい、背に腹は代えられないと、3000円で買いました。

寝苦しい夜

食後30分経っていないのに、21時になると容赦なく消灯。
何も見えなくなりました。

100均で買った耳栓も鼻腔を広げるブリーズライト(いびき対策ではなく、慢性鼻炎なので空気が吸いにくいと思い)も、どこに入れたか見えないので諦めました。

「酸素を吸うなら寝る前に」と言われていましたが、酸素缶を吸おうとすると「ぶるんぶるん」と変な音がするので他の人の眠りを妨げてはいけない、と少し吸って諦めました。

部屋の中では、既に眠った人のいびきが鳴り響いていました。

私は年のせいか寝つきが悪く、特にいびきの音はとても苦手なので、本当に困りました。

しっかり眠って英気を養わねば…

しかし、眠ろうとしても一向に眠れず。

そうこうするうちに、なんだか気持ち悪くなってきました。

高山病

25年ほど前、チベット(標高約3500m)へ行ったことがあり、その時は頭痛とお腹のむかつきがありましたが、行動に支障が出るほどではありませんでした。

だから、今回も大丈夫かな…と思っていたのですが。

トイレに行くと、一気に吐き気を催して、食べた物を全て吐いてしまいました。
ああ、これが高山病。こんなところでやられるとは。

頂上は目前なのに、ここでリタイアになってしまうのでしょうか。

長くなってしまいました。
つづきは次回に。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

気圧で膨らんだソイジョイ

つづき ↓


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