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50代女、初めての富士登山(その2)~御来光とお鉢巡り~

こんにちは。カブトムシの母です。

富士登山から帰り、義実家に里帰りしたり、たまっていた家事をしたり、主婦業に追われていたら、あっという間に1週間たってしまいました。

前回の記事 ↓

さて、夜中に高山病と思われる症状に襲われ、嘔吐してしまった私。

登山前には、登頂できずとも山小屋までは登りたいと目標を立てていましたが、頂上まではあと1時間ちょっと。

ここまで来たら頂上まで行きたい!

と欲が出てきました。

相変わらず、全く眠くなりませんでしたが(眠れないのも高山病の症状?)、吐いたら少しスッキリしました。

これなら、なんとか行けるかな?

そうこうするうち起床時間の2時前になり、周りがゴソゴソしだしました。
私も起きて着替えました。

うん。もう気持ち悪くない!
あと、ちょっとがんばろう!


山小屋~頂上


Nちゃんグループは2時半に集合し、点呼。
2列になって出発しました。
(後から聞いた話ですが、この時点で3人脱落したそうです。)

富士登山の経験がある知人が、頂上がとにかく寒かった!と言っていたので、防寒対策をしっかりしました。

上:・ノースフェイスのアンダーシャツ半袖
  ・ノースフェイスのアンダーシャツ長袖
  ・山小屋で買った裏起毛トレーナー
  ・モンベルの中綿上着
  ・レンタルしたレインスーツ上

下:・レンタルした機能性スパッツ
  ・レンタルした登山用ズボン
  ・山小屋で買った裏起毛スウェットパンツ
  ・レンタルしたレインスーツ下

頭:・ニット帽子
  ・ヘルメット
  ・ヘッドライト

小物:・100均ニット手袋(レンタルした山用グローブはびしょぬれで使えず)
   ・ネックウォーマー
   ・マグマ(カイロ)
   ・レンタルした足首スパッツ(ゲイター)
   ・レンタルした膝サポーター

これだけあれば、寒さに凍えることはないでしょう。

しかし、外は昨日とは打って変わって風も吹いていない穏やかな天気。

歩いていると暑くなってきました。

そこで、とりあえず手袋をはずしました。

上下脱ぐのは無理でも、せめてネックウォーマーとニット帽子を取りたい。
しかし、ヘルメットが邪魔で帽子もネックウォーマーも取れず。

岩場なのでヘルメットを外しながら歩くのは危険。
止まると置いて行かれてしまう。

仕方がないので、暑いのは我慢することにしました。
(結構、汗をかいてしまいました。)

暗闇の中、ヘッドライトの光が並んでいましたが、ご来光までまだ時間があったからか、それほど混雑はしていませんでした。

まばらなヘッドライト

そして、30分ほどすると九合目に。

特に何もないので、列は休むことなく動いていきます。

岩場が急斜面になってきたからか、空気が薄くなってきたからか、一歩ごとに「はぁはぁ」言うようになってきました。

長い休憩はなかったものの、ガイドさんはしばしば足をとめて「大きく3回深呼吸して」と、意識的に大きく呼吸するように指示してくれました。

九合目のあたりから、交通整理をする格好をした人が何人か現れ、岩場の真ん中に立ち、「2列でお願いします!」「Left side, right side!」と、混雑しないように案内していました。
こんな仕事もあるんだ…

頂上まであと少し!

しかし、急斜面の岩場にやられたのか、空気の薄さにやられたのか、岩場の端でぐったりと休んでいる人を何人も見かけました。

暗いので、近くに来ないと見えず、岩場だと思っていたところに人がいて、ぎょっとしました。

やはり、富士山、あなどれない。

そうして、最後は、人目もはばからず「はぁ、はぁ、はぁ…」と大きな声で息をしながら、登っていき、4時少し前に無事に山頂へ到着!

ここを登り切ったところが頂上。狛犬が迎えてくれました。

やったぁ!!
頂上まで登れた!!!

ガイドのNさんとハイタッチし、しばし休憩。

暗くてよく分からなかったけど、列の前のほうにいたので、グループの中では早い順で到着できたみたいです。

おかげで、みんな揃うまで、ゆっくり休むことができました。

御来光まであと少し

富士山は誰のもの?


ところで、富士山って誰のものかご存知ですか?

息子に「富士山って誰のもの?」と聞かれ、
「えー、富士山は日本のものでしょ。国有地なんじゃない?」と適当に答えたおバカな私。

調べてみたら山頂は「富士山本宮浅間大社」のものであるとのこと。

えー、神社のものなんだ⁉ 50年以上生きてきて知らなかった!
(ただ、過去には国有化を巡って裁判が行われていたらしい)

お鉢巡り


頂上の噴火口を巡る「お鉢巡り」

1時間半~2時間の希望者だけのツアーで、私は体力的に無理だろうなと思っていたので、前日、ガイドさんが希望者を募った時、手を挙げませんでした。

でも、頂上まで登れてハイになっていた私。

体力的にも、まだ余裕はありそう…ということで、お鉢巡りにもチャレンジすることにしました。

ここまで来たら、行けるところは全て行ってみよう!

希望者は40人のグループのうち15名。

・このお鉢巡りのために3回目の富士登山にチャレンジしたりんさん
・登山のためだけに来日したというミミちゃん
・先にミミちゃんが仲良くなっていたつながりから、私も交流するようになった北海道出身の20代の山ガール2人
・60代か70代の元祖山ガールと思われるマダム2人
・中学生の息子とパパ
・大学生くらいの男の子2人組
・おひとり様参加の男の子(20代?)

私を含め、ここまでで12人。
残りは3人は香港人グループ?

ということで、ツアーに参加したのはほとんど日本人。
やはり、富士山は日本人にとって特別ってことでしょうか。

御来光


日の出は4時過ぎということで、頂上には人だかりができつつありましたが、ガイドのNさんは、「御来光を見るには、もっといい場所がある」と言い、お鉢巡り隊は出発しました。

しばらく行くと、大きな噴火口が現れました。
間近に見る火口は大迫力。

噴火口

ここから富士山が火を噴いたのか…と思うと感慨深かったです。
これが見られただけでも、お鉢巡りツアーに参加してよかった!

それから、少し高くなっている場所(朝日ヶ岳?)があり、そこから御来光を見ました。

御来光を待つ人々

残念ながら、日の出の瞬間は雲がかかってしまい、完璧な御来光を見ることはできませんでしたが、太陽の光で輝く空が眺められただけで満足です。
山ガールたちと、「昨日の努力が報われたね~」と感動を共有しました。

あら、雲が…
日の出は終わってしまった模様…
浅間ヶ岳から 御来光っぽい?

さらに、しばらく歩き、浅間大社奥宮へ。
日本一高い場所にある神社で御朱印をゲット!

ちょうど今持っている御朱印帳が、もうすぐ切れそうなので御朱印帳もいただきました。

ステキな御朱印帳

近くに頂上郵便局もありましたが、6時前だったので、開いていませんでした。

そこから、最高標高3776mである剣が峰へ

後ろに写ってるのが剣が峰

なかなかの急斜面で、途中、滑り落ちている人もいて、「ふぁ!?」という感じでしたが、なんとか登り切りました。

既に写真を撮る行列ができていましたが、ガイドさんが「すいているいい場所がある」と言って、穴場スポットへ。

そこで一人ずつ記念撮影。
その後、グループ全体でも撮影しました。

おひとり様男子が後ろ向きで撮っていたのがカッコよかったので、りんさん、ミミちゃんと3人で後ろ向きで右手の拳を突き上げる「ワンピースポーズ」で撮ってみました。

それから、剣が峰を下り、影富士を見たり、「賽の河原」の話を聞いたりして、スタート地点の久須志神社まで戻り、約2時間のお鉢巡りツアーが終了しました。

頂上から見た影富士
富士山の賽の河原 亡くなった人のために石をのせる人が多いらしい

そういえば、「お鉢巡り」、噴火口がお鉢の形をしているからだと思い込んでしましたが(そういう説もあるらしいですが)、ガイドさんの話だと、山頂にある八つの峰を巡る「お八巡り」が「鉢」になったということでした。

前日、大雨で景色が全く楽しめなかったのもあるかもしれませんが、お鉢巡りは最高でした!

もし、富士山に登る機会があったら、頂上からもう少しがんばって、お鉢巡りもぜひしていただきたいと思います。


下山


山小屋で配られた朝食をとり、お土産など買った後、7時15分ごろから下山開始。
八合目まではガイドさんと共に行き、そこで解散。
各自で五合目に戻ることとなりました。

八合目で、りんさんとミミちゃんとトイレに行ったら、他の人達はもう消えていました。
その後、うっかり道を間違えて、ガイドさんに「そっちじゃないよー」と言われ、戻ったりしてロスタイム。

下り始めたら、どうしてもつま先の方に重心がかかってしまい、外反母趾が痛くなってきました。

ガイドさんに相談すると、上の方をしっかり結んだほうがいい、ということで、靴紐を結び直してもらいました。

すると、さっきよりだいぶ楽に歩けるようになりました。

下りは少し前かがみで、少し大股で「オラオラ歩き」をするのがいいとのこと。

しかし、時間が経つとやっぱり痛くなってしまい、大股では歩けませんでした。

雨は降らなかったものの霧がひどく、数メートル先は真っ白。
先に行ったりんさんやミミちゃんは既に見えませんでした。

気がつけば最後尾になっていて、後ろからガイドさんが付いてくる形に。

プレッシャーで必死に歩き、なんとか一度、りんさんとミミちゃんに追い付けたものの、七合目に到着し、水分補給のために立ち止まったら、二人がまた見えなくなってしまいました。

そうこうするうちに、前にいたツアーの人を何人か抜かし、最後尾でなくなったので、ガイドさんとも別れ、七合目から五合目までは霧の中を一人で下って行きました。

NHKの「100カメ」で見たバックで走る車

「下りは景色はきれいだけれど、とにかく単調で飽きる」と、誰かのブログで読みましたが、景色は真っ白。

途中、少しだけ霧が晴れた時に白くてきれいな花が見えました。
エーデルワイス?(のはずはなく、名前を聞いたけど忘れちゃいました。)

それ以外は、何度か青空が見えた以外、本当にずっと真っ白
数メートル先が見えないので、自分がどこにいるのかも全くわからず。

下りは砂で滑るとか、小石が靴に入ってくるとか聞いていましたが、前日の土砂降りで赤土になっており、その点は良かったのかもしれません。

下りはずっとこんな土

バスの集合時間は11時15分、出発11時30分。

その時間に間に合わなければ、置いて行くと言われていました。
どうせ脅しだろうと思ってガイドさんに聞いたら、実際に間に合わなくなる人が結構いるらしい…ということで、だんだん焦ってきました。

着替えをして、レンタル品を揃えて返却し、お土産も買うとなると、どんなに遅くても10時45分までには下山しなければ!

外反母趾の痛みを堪えて、必死で降りるものの同じツアーの人とは会えず。
一人孤独に下って行きました。

ようやく六合目に着き、ヘルメットを返し、あと少し!と最後の力を振り絞りました。

確か六合目から五合目までは、そんなに長距離ではなかったはず。

しかし、前日のことだというのに、記憶が書き換えられており、そろそろだろうと思っても、なかなかたどり着けず。

あれ?こんなに遠かったっけ?

とにかく、真っ白で先が見通せないので、あとどれくらいなのか見当がつかず。

うっすら見える景色をゲートと見間違えてがっかりすること、十回以上くりかえし、10時35分ごろ、ようやくゴール!
(頂上から3時間20分)

お疲れ様でした!

がんばった自分に拍手!!!

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

つづき ↓

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