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13代目團十郎襲名披露8代目新之助初舞台レポ①アフタートーク かぶきDOU其の23改訂版

皆様今回もコミてんラジオかぶきDOUをお聴きいただきありがとうございました。
いよいよ博多座では13代目市川團十郎襲名披露 8代目市川新之助初舞台が9/1初日を迎えました!前回のnoteでもお伝えしましたが私は初日夜の部に伺いました。
満員御礼で襲名披露公演初日の華やかさ活気にあふれていました!かぶきDOU観劇レポートをお伝えします。



襲名披露公演 劇場の様子


劇場に足を踏み入れるとエントランスホールには襲名記念のカウントアップクロックと、三升(みます)の大きな提灯が飾られたオフィシャルパートナーパネルがお出迎えです。
オフィシャルパートナーパネルは企業名がまねき看板に書かれていてとても粋なデザインです。

襲名から何日何時間何秒目と表示されるとテンションが上がります!

カウントアップクロックはSEIKO製です。東京のGINZA KABUKIZA地下2階木挽町広場に設置され、歌舞伎座での市川團十郎襲名披露公演初日まではカウントダウン、その後は襲名からの時をカウントアップしてきました。
色は成田屋の團十郎茶だんじゅうろうちゃ)で、六弥太格子ろくやたごうし)と呼ばれる三升を格子風に組み合わせた模様を重ねています。大きな三升の紋も施され市川團十郎家にちなんだデザインとなっています。

祝い箱について

1階コインロッカー手前のスペースには祝い箱と呼ばれるとても大きな木製の箱が展示されています。紅白の水引がかけられ、祝幕の下絵も飾られております。
これは襲名披露の祝幕を入れる箱として形式的に飾られるもので横幅は1mほどもあるそうです。

祝幕には成田屋の替紋の杏葉(ぎょよう)牡丹が2輪描かれています。
日本画家 福井江太郎さんの作品。

ちなみに博多座の緞帳の高さは11.5m 幅は22m 重さ1000kgです。祝幕はその上からかけるもので幾分軽いかと思いますが折りたたむだけでも至難の業ですね!



売店では様々な襲名記念成田屋特製グッズが販売中です。
1階客席ロビー売店には当番組でお世話になっております麻布十番麻の葉さんの歌舞伎演目にちなんだ絵手ぬぐいが販売されております。

かぶきDOUでスタジオ展示させて頂いております「暫 鎌倉権五郎」絵てぬぐいが博多座売店の額縁にお目見え!

2階の客席ロビーには7代目市川團十郎が制定した歌舞伎十八番が特大パネルで展示されております。團十郎さんが海老蔵時代の写真も交えて歌舞伎十八番の演目が解説も添えられて展示されています。

撮影自由です!

幕間は1階2階客席ロビーのどこを回っても襲名関連のお品がありますので大変見応えがあります。



夜の部 鞘当 かぶきDOU解説

それでは演目のご紹介です。
夜の部最初は鞘当(さやあて)1823年文政6年鶴屋南北の作品。浮世柄比翼稲妻うきよがらひよくのいなずま)というお話の一部となっています。
元々は鞘当にも登場します不破伴左衛門(ふわばんざえもん)が主人公の参会名護屋(さんかいなごや)という物語があり、初代市川團十郎の当たり役でした。
それを7代目團十郎が鶴屋南北に依頼し復活させた演目のワンシーンが鞘当です
不破の衣装デザインは初代團十郎から同じで、黒地にオレンジの稲妻のマークです。この稲妻の模様が成田屋の三升の由来ともいわれています。

今回、不破伴左衛門を中村芝翫さんが勤められています。
不破は名古屋山三の恋人の傾城葛城に横恋慕して揉めた経緯があり、荒事特有の赤い顔で気性の荒い役柄です。

片岡愛之助さん演じる名古屋山三(さんざ)はイケメン色男のお役です。
山三は江戸時代前後の実在の人物です。その生き様がかぶき者として庶民に親しまれ、いろんな歌舞伎演目に登場しています。

舞台は吉原遊廓の中心、仲之町です。武士など立場がある人は深編笠をかぶって身分を隠して廓通いをしていたそうです。
夜更けの遊廓で、不破と山三が深編笠ですれ違いざまに刀を納める鞘が当たったことで揉め事になるというストーリーです。
武士は「一度抜いた刀は引っ込めない」ポリシーがあり一触即発の状態となります。
ここで花道から駆け出してくるのが茶屋女房お松 片岡孝太郎さんです。留女(とめおんな)と呼ばれる重要なお役です。
お松は穏便に済まそうと刀を交えたつもりで刀の交換を提案します。刀は持つ人に合わせたオーダーメイドで鞘が同じということはあり得ないのですが、何故かピッタリ合ってしまいます!
山三が持っていたのは家宝である刀です。同じ型のもう一つは父が殺害された時に盗まれていました。「父の仇でもあったか!」と山三が気付き、再び不破と一触即発となるのを お松が制止して幕となります。
廓に通う男たちの所作や言い回し、風情も味わえる作品となっております。芝翫さん、愛之助さんの体から滲み出る、お役の風合いをお楽しみいただきたいです。



夜の部 口上

続いては口上です。裃姿でそれぞれの歌舞伎役者さんの家のカラーが大変華やかです。ご挨拶順で紹介いたします。

中村梅玉さん
高砂屋

片岡考太郎さん
松嶋屋

市川右團次さん
高嶋屋

中村松江さん
加賀屋

片岡愛之助さん
松嶋屋

中村扇雀さん
成駒家

中村芝翫さん
成駒屋

市村萬次郎さん
橘屋

市川男女蔵さん
滝野屋

片岡市蔵さん
松島屋

大谷友右衛門さん
明石家

市川團十郎さん
    市川新之助さん 
成田屋


そして成田屋のにらみでは後見として、今年春に逝去されました市川左團次さんのお孫さん市川男寅さんが勤められました。
まだまだ公演はありますのでネタバレにならないように…一部の口上をご紹介いたします。

片岡孝太郎さんは初日の口上で「12代目襲名のアメリカ公演に参加したので、お二人の海外公演がある場合はぜひお供したい」と話されました。
市村萬次郎さんは3日目の口上で東京ディズニーランドができた頃、国立劇場公演中に萬次郎さんのご家族と先代團十郎さん、13代目の皆様で、終演後にディズニーランドに行かれたそうです。
カリブの海賊に一緒に乗られたとのこと!「途中別行動でしたが帰り際、13代目はパワフルで、12代目がヘロヘロになっていた」と話されていました。

口上で12代目市川團十郎さんの思い出を語られる方が多かったです。この場に12代目がいてくれたら…としみじみ思います。お孫さんの新之助さんが10歳にして堂々と本当に立派な口上を勤められておりますので、これから観劇される方はお楽しみになさってください!

※お時間の都合で夜の部 暫の観劇レポートは次回放送でお届けいたします。昼の部観劇レポートも併せてご紹介いたします。



縁の一曲 8代目中村芝翫さん


歌舞伎役者さんにゆかりの曲をご紹介します縁の一曲のコーナー、今回は8代目中村芝翫さんでした。
芝翫さんは8/31に58歳のお誕生日を迎えられました。おめでとうございます!
芝翫さんは現在、9月博多座大歌舞伎13代目市川團十郎 8代目市川新之助初舞台にご出演中です。
昼の部では外郎売で愉快な鯰坊主小林朝比奈を。夜の部では鞘当不破伴左衛門口上暫の悪人清原武衡と大変振り幅が大きい役を勤められております。

中村芝翫さん成駒屋は1965年昭和40年生まれ。国立劇場にて4歳で初舞台を踏まれました。
1980年昭和55年に3代目中村橋之助を襲名。奥様は皆様ご存知三田寛子さんです。
2016年平成28年に8代目中村芝翫を襲名。同時に3人の息子さんが4代目中村橋之助、3代目中村福之助、4代目中村歌之助を襲名され大きな話題となりました。
翌年4月には太宰府天満宮で襲名披露のお練りが行われ、6月には博多座で襲名披露公演が行われました。
テレビドラマや映画にと幅広い活躍をされている芝翫さんですが、橋之助時代の1997年平成9年にはNHK大河ドラマ毛利元就で主演を勤められました。
大河ドラマ 毛利元就のオープニングテーマ曲をお届けいたしました。



めでてえなぁ 8/30-9/5


お誕生日を迎えられる歌舞伎役者さんをご紹介するめでてえなあのコーナーです!お名前と所属 屋号をご紹介します。五十音順となっておりますのでご了承ください。8/30から9/5がお誕生日の皆さまでした。

8/31中村芝翫さん
成駒屋 

9/ 2中村仲助さん
中村屋一門

9/ 5中村光さん
中村鴈治郎一門

今回は3名の皆様でした。お誕生日おめでとうございます!



次回は9/12㈫午前10:00〜10:25 FM77.7MHzコミてん生放送です。ラジオ局公認の無料アプリListenRadio、コミてんYouTubeでも生配信しております。お楽しみに!

9/5番組アーカイブはこちらからご覧いただけます

※権利の関係でYou Tubeには音楽BGMが入っておりません。音声だけの配信となりますのでご了承ください。

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