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「腰痛哀歌」

なんでこんなことになっちゃうのかなぁ、と
布団に横になって天井を見ながら


腰痛が酷くなって
痛みで立ち上がれなくて
トイレにも一人でいけなくて
横になっていれば痛み止めで
何とかおさまっているけど
思うように動けないことの
この不安とやるせなさ

それでも仕事から帰ってきた息子が
心配して世話を焼いてくれる
色々ネットで調べたりして
明日でも休日外来に電話してみようという
今夜、酷くなるようなら救急外来にでも
僕がついているから大丈夫、と
そう言ってくれる


病気と二人連れになってから
わかったことが沢山ある
のたうち回る苦しさ、息の止まりそうな痛さ
時の過ぎるのが永遠とも思える時間
当たり前に出来ていたことが
出来なくなった時のもどかしさ
先行きの消せない不安

闘いは時に孤独で
それでも逃げ出せなくて
これも病んではじめて身にしみたこと
そして何気ない小さな気遣いの
嬉しさ、有り難さ
いつでも声をかけて、という
息子の声に、ほっと安心する


痛み止めが効いてきたみたい
ほら、眠れる時にしっかりと眠っておこう

大丈夫
調子が悪いと弱気にはなるけど
負けまいね
うん
負けまいね

自分に言い聞かせながら

ゆっくり目を瞑る


【詩集】「黄昏月幻想」つきの より

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