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28/歴史とマンガを貫く滅びの美学

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【記事のポイント】『帰る場所を失ったヒーロー』という設定は、『あともどりができない』という時間の不可逆性を、別の形で表現しています。



第3章/7. 弾圧と亡命


歴史はナチスの閉鎖性と残虐性ばかりを強調しますが、1930年代には世界各地で民族主義運動が台頭していました。
世界大恐慌を乗り越えるためには、経済の基盤となる相互的な信頼回復が必要でしたから、「民族」というくくりが強烈に作用したのでしょう。

その点では、イタリア、イギリス、フランス、日本、当時の大国に例外はありませんでした。

ナチスドイツの所業を厳しく非難したアメリカにおいても、極端な人種差別運動が起こりました。
白人至上主義をかかげて黒人を虐待した「KKK(クー・クラックス・クラン)」が常軌を逸したのもこの時期です。

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