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社会問題に本気で向き合うゴミ拾い

2022年12月。
前年に参加した(一社)E.Cオーシャンズさん主催の海洋ゴミ回収体験事業「鬼ごみ拾い」に再び参加させていただきました。

E.Cオーシャンズさんは、船舶や潜水の資格をもつ方々が集まり、陸路ではたどり着けないような険しい海岸や無人島への漂着ゴミを回収しつつ、海洋ゴミ問題の改善に取り組む団体。
年に数回、比較的危険度の低い海岸で会員以外も参加可能なゴミ拾いイベントを行っておられます。

参加した日は悪天候のため、活動場所は陸路でも行ける海岸に変更。
E.Cオーシャンズさんの活動当初からゴミ回収を続けてこられた、愛媛県伊方町三机の御所ヶ浜でゴミを拾うことになりました。

雪の吹き付ける御所ヶ浜

佐田岬半島北岸の御所ヶ浜には、冬の北風に乗って瀬戸内海の海洋ゴミが大量に漂着します。
歯ブラシやペットボトルなど生活ゴミもたくさん流れ着いていたのですが、今回は拾うゴミの対象を絞る指示がありました。
その対象は、牡蠣養殖に使われるプラスチックパイプ。
海岸を埋め尽くす色とりどりのプラスチックパイプを、およそ20人の参加者が手分けしてゴミ袋に詰め込んでいきました。

拾うゴミの対象を絞ったのには、2つの理由があったそうです。
1つは、作業効率を高めるため。
発泡スチロールや空き缶など多種多様なゴミが海岸を埋め尽くす中で、1種類に限定した方が慣れていない参加者には分かりやすく、多くのゴミを拾うことができます。
また、分別の手間が省けて回収後の処理も容易になります。
もう1つは、調査のため。
ゴミの発生源となっている事業者や発生を抑えるための規制を司る行政等に対して現状を示し、改善を促すための調査活動として、E.Cオーシャンズさんでは御所ヶ浜に漂着する牡蠣養殖用プラスチックパイプの量を計測されているとのことでした。

私たちの社会の在り方が生み出してきた、海洋ゴミ問題。
その改善に向けては、単なるゴミ回収や啓発に留まらない、社会の在り方を変えるための取り組みが必要です。
本気で問題を改善、解決するためにどう行動したらよいのか。
その考え方を学ぶ貴重な体験をさせていただきました。

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