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東北忌

今年も、3.11を迎えました。
俳句幼稚園に入園してから、やろうと思っていたことが一つあります。
それは、「3.11を題材に作句」をする、ということ。

昨年に十年という節目を迎え、その時から、何となく「これで区切りとしましょう」という暗黙の空気が漂っていた、というのが気になっていました。
そういう私自身も、つい先程宮城在住のnoterさん、すずき・ちえさんの投稿を拝読するまで、頭の片隅に追いやっていたのですけれどね(苦笑)。
それくらい、時間が経過したということかもしれませんが……。

彼女もまた、あの日とそれに続く災害と対峙されたお一人です。

ついでに昨年3月の自分の投稿を振り返ってみると、2月に大きな地震があり、「3.11は現在進行系なのだ」というのを強く感じたのを、思い出しました。

閲覧注意
過去の記事の中には、震災直後の生々しい引用記事もあります。
苦手な方は、適度にスルーしてどうぞ!

そんなわけで、地元の震災被害、及び昨年2月の地震について、したためました。
当時は、怒りを抑えつつ冷静に書いているつもりでしたが、政府の対応や東電に対してかなり怒っていますね😅

まあ、そんなわけで地元を舞台に、私なりの震災句を。

藤沼の御霊帰りし東北忌
(ふじぬまのみたまかえりしとうほくき)

俳句と言えば、「季語」を織り込むのが通例です。
この場合、「東北忌」が季語になるかどうか。
これは、賛否両論あるようです。
震災の被害が大きかった「東北」にフォーカスしているというのが、「他の被災地を忘れさせる」という批判の声もあるのだとか。
ですが、当の東北民としては、季語扱いだろうとそうでなかろうと、「忘れない」という思いが大切なのだと感じます。

句自体については、9人の犠牲者を出した、須賀川市長沼地区にある「藤沼湖」についての句です。
できれば藤沼湖の「奇跡のあじさい」について詠みたかったのですが、季節が違うこともあり、断念。
まだまだ力量不足ですね(苦笑)。


十一年山笑う日を待ちわびて
(といちとせやまわらうひをまちわびて)

こちらは、季語の「山笑う」を入れてみました。
もちろん、四季としての春はちゃんと巡ってきます。ですが、身近な人を震災という形、しかも山津波という誰も予想しなかった災害で亡くされた方の心に、心から笑える春は巡ってきているでしょうか……。
毎年慰霊祭が行われ、忘れることはないでしょうけれど、それも含めて「日にち薬」が少しでも悲しみを癒やしてくれることを祈るばかりです。

線量計姿消えし日は何時ぞ
(せんりょうけいすがたきえしひはいつぞ)

これは、福島ならではというか^^;
現在でも、あちこちに放射線量を測定する「モニタリングポスト」はあるのです。
ですが、今となってはほとんどの人は見ていない(笑)。
多くの人にとって、存在すら忘れられているのではないでしょうか。
その実情が、10年以上経ったことを実感します。

もっとも、双葉郡になれば話はまた別です。
こちらは、やっと帰還準備が始まったばかりの地域が多い。
ですから、一律に「福島の被害は~」と括らない。地域それぞれの実情を丁寧にヒアリングしてから判断するのか、現在の正しい対応と言えるのかもしれません。


昨年も同様の趣旨を述べたような気もしますが、10年が11年になったところで、あまり大差はありません(苦笑)。
ですが、やはりマスコミの扱いは、世界情勢に注目が集まっていることもあり、昨年よりも小さめですね。

それでも、まんざら無関係というわけではなく、福島も原発事故処理のノウハウについては、ウクライナの有識者の力添えがあったと聞いています。
原発攻撃というのも、事故の際に半ば強制的に知識を叩き込まれた地元民としては、予想していました。
だって、「電力確保&原子力という武器」を手にできるようなものですから。
攻撃側にとっては、他人事ですしね。

災害や戦争。
これらの言葉が遠くなる日が来ることを、今でも願って止みません。


☆アイキャッチは、昨年も利用した2013年のアクアマリンふくしまからの1枚です。
ここも津波の被害に見舞われましたが、奇跡的にスピード復活した水族館として全国に放送されました。

©k_maru027.2022


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