【俳句幼稚園】～ふるさと自慢、山形編
ひょっとして、これで東北地方はコンプリートではないでしょうか？宮城は、なごみさんがご主人に縁があるということで、上げてくださいました(*^^*)
というわけで、東北地方の締めくくりは山形です。
高畠ワイナリー＆高畠町
まほろばに撓なりける青葡萄
（まほろばにたわわなりけるあおぶどう）
【季語】青葡萄
私の住むところからはやや遠いですが、福島市まで北上すると、山形県は目と鼻の先。で、奥羽本線（もしくは国道13号線）を北上すると、狭い山肌にびっしりと並んで見えるのが、葡萄畑です。「葡萄」そのものだと秋の季語になるので、今の季節らしく「青葡萄」を。車や車窓からでも、葡萄棚の光景が楽しめますよ！
【解説】
青々とした未熟な夏の葡萄のこと。熟しても青い種類の葡萄のこ とではない。棚を這う葉陰の間に青く小さい房が下がっている様 にはさわやかな感じがある。
特に葡萄の生産が有名なのは、「高畠町」。中でも、「高畠ワイナリー」が生み出す「高畠ワイン」は、世界に通用するブランドワインとして、有名です。
私も訪問したことがありますが、その当時は、「無料で」ワインが試飲できました。様々な種類がありますが、「まほろばの貴婦人」や「氷結絞りのリースリングワイン」は、絶品です。どちらも甘口の白ワインですが、辛口や赤ワインなどもありますよ。
まほろばとは？
ここで、今回使った「まほろば」という言葉についてです。
「まほろば」とは古事記になどに見られる「まほら」という古語に由来する言葉。意味としては、「丘や山に囲まれた稔り豊かな、住みよいところ」といったところでしょうか。
山形県置賜地方東部に位置する高畠町は、縄文草創期の時が発見されるなど、１万年前から地味が豊かであったことが偲ばれ、人々が定着してきた土地でもあります。
また、高畠駅は山形新幹線の停車駅でありながら、改札をくぐるとすぐ脇に、温泉が整備されているなど、観光にも力を入れています。
紅花
指先に黄金咲きたる紅の花
（ゆびさきにこがねさきたるべにのはな）
【季語】紅花
宮崎駿監督の作品、「おもひでぽろぽろ」を通じて、紅花について知った方も多いかもしれません。
紅花は、七月の露の時期から梅雨明けにかけて、真っ黄色の花を咲かせます。江戸時代、土が肥えており水はけの良い最上川流域は、紅花の一大産地でした。山形で加工された紅餅は、北前船などを使って大消費地である京都や大阪に運ばれ、そこで更に西陣織りの染や化粧用の紅などに加工され、大変な人気だったそうです。
可憐な花の姿に似合わず、その花の根元には鋭い棘が生えており、朝露で棘が柔らかいうちに摘むのが、昔ながらの「紅花摘み」。最上紅花は有力な換金作物であり、売上代金は生産者の家計を潤し、その荷役銭（出荷税）は、幕府や藩の有力な財源となりました。
この紅花については、松尾芭蕉も思うところがあったのでしょう。奥の細道の途中で、天童から山寺へ向かう途中で、次のような句を詠んだと伝えられています。
まゆはきを俤にして紅粉の花
（まゆはきをおもがけにしてべにこのはな）
道中に咲いていた紅花を、女性のおしろいを払う眉掃きに見立てたとされる、こちらの句。
さすが芭蕉とでもいうのでしょうか。見立て方のセンスが抜群ですよね。
現在では、山形の紅花は、染物や化粧品だけでなくハーブティーとしても活用されるなど、昔よりも幅広く活用されています。
お好みに合わせた用途を、探ってみてはいかがでしょうか。
庄内地方
鳥海の風に吹かれて青田波
（ちょうかいのかぜにふかれてあおたなみ）
【季語】：青田波
最近、佐藤賢一氏の「新徴組」を読んでいたこともあり、「庄内地方」がちょっとしたマイブームです。
ぼちぼち、黄金色に変わってくるのかもしれませんが、庄内地方の広々とした穀倉地帯は、正に「青田波」という言葉が相応しいように感じます。
この地域は、昔から豊かな土地柄、かつ大商人である「本間一族」が酒田湊を取り仕切って藩の為に役立てていた土地柄。古くは、北前船も出入りする、日本国内でも有数の裕福な土地でした。
現在でも、庄内地方は国内有数の穀倉地帯であり、この地方で育てられている山形のブランド米である「つや姫」は、市場でも最高ランクに位置づけられています。
米も穫れる、魚もうまい。ついでに言えば、名湯も数多く湧き出す。そんな豊かな土地、それが庄内地方です。
そういえば、東北地方で人気の高い枝豆の一種である「だだちゃ豆」も、庄内地方の特産品。非常に甘みが強く美味しいのですが、土地を選ぶデリケートな品種のため、お目にかかる機会は、少ないかもしれません。
ですが、夏の山形で「だだちゃ豆」を見たら、ぜひお試しあれ！
――以上、山形編でした。
そして、東北地方はこれでコンプリート！😆
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