これまで直接的な規制のなかったステルスマーケティング、いわゆる「ステマ」の規制について、消費者庁が検討を進めています。 2022年12月2日には、検討会の報告書案が公開され、同月27日、パブリックコメントへの回答案が公開されました。 現時点で、報告書案の段階ではありますが、重要な規制ですので、ゲームの案件配信との関係で、簡単にご説明いたします。 1.規制対象(1)規制の方向性 今回の報告書案では「ステマ」を、景品表示法上の不当表示に加えるという方向性が示されています。
スマホゲームにおいて「サ終」(サービス提供の終了)はつきものです。 今回は、そのゲームに約160万円を課金していたユーザーが、「サ終」に伴って、これまでの課金分の返還を請求した事例をご紹介いたします(東京地判令和1年12月18日)。 事実関係(裁判所の認定)X:本件ゲームのユーザー Y:本件ゲームに関するサービスを提供する会社 Xは、約1年半で本件ゲームに166万800円を課金しましたが、最後に課金した日の4日後に、本件サービス終了の告知を受けました。Xの最終月の課金額は
スマホゲームの「ガチャ」に関する誤表示は、炎上の典型パターンの1つです。 通常、訴訟に発展することは稀ですが、今回は「ガチャ」のお知らせの誤表示による課金について、返金が争われた裁判例(東京地判令和3年11月19日)をご紹介いたします。 なお、本件にはいくつかの論点がありますが、課金相当額の返金に関する点に絞ってご紹介いたします。 事実関係(裁判所の認定)X:本件ゲームのユーザー Y:本件ゲームを提供する会社 簡単な時系列は以下の通りです。 ※ 判決文では伏字が多くわか
令和4年6月、消費者庁は「事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針」と「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項」の改正版を公表しました(以下「管理措置指針」、「インターネット留意事項」と表記します)。 これらの改正は、2021年6月から行われていた「アフィリエイト広告に関する検討会」の報告書の提言を受けたもので、消費者庁のアフィリエイト広告に関する考え方を示す、実務上重要なものです。 さて、今回の改正の報道に
先日、あのGBA時代の名作「ロックマンエグゼ」シリーズが収録された「ロックマンエグゼ アドバンスドコレクション」(Nintendo Switch™ / PlayStation®4 / PC(Steam))の発売が発表されました。 ロックマンエグゼ(特に2と3と3ブラック)にドはまりして、ハードモードや星7コンプで青春を過ごした一ファンとしては、ただただ㈱カプコンに感謝することしかできません(2のハードモードでラッシュが残りHP5で必ず逃げるためにチップコンプができないのは今
令和3年改正特定商取引法の施行日が、いよいよ6月1日に迫ってまいりました。 ご承知の方も多いかと思いますが、今回の改正は、現時点では、ほぼすべてのオンラインゲーム・スマホゲーム等に対応が必要になる内容になっています。 対応の内容については、消費者庁の「通信販売の申込み段階における表示についてのガイドライン」も公表されていますが、分量もありますし、ゲームとの関係で、どのように理解すべきかわかりにくいところもあるかと思います。 そこで、今日は、ガイドラインやパブリックコメントを
ゲームに関して「優良誤認」「有利誤認」という言葉をお聞きになったことのある方も多いと思います。 一部では「消費者庁コラボ」とも呼ばれているこの事象について、今日は、その事例をご紹介いたします。 「優良誤認」「有利誤認」とは事例のご紹介の前に、そもそも景品表示法の優良誤認や有利誤認とは何か、ごく簡単におさらいしておきましょう。 景品表示法はその名の通り、主として「景品」の規制と「表示」の規制の2つを定める法律です。 この2つは、いずれもゲームにも関係する規制ですが、今回ご
「これって『パクり』になりませんか?」 ゲーム会社の方から良く頂くご相談の1つですが、今日はこの点について、最新の裁判例である、「放置少女」事件(知財高判令和3年9月29日)をご紹介いたします。 なお、本件の争点は多岐に及びますが、ゲームの著作権侵害に関する範囲で、事件をご紹介いたします。 また、知財高裁の判決は、基本的に第一審の地裁判決(東京地判令和3年2月18日)を引用しておりますので、知財高裁が改めた部分以外は、地裁判決から引用いたします。 事実関係(裁判所の認定)