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味噌づくりワークショップと、海士町のおすそわけ文化

味噌づくりワークショップについて

まいにちの食卓に、気軽にうれしいひと手間を。

「ちゃかぽんのお味噌汁がおいしすぎて、家でも毎日飲みたいなと思っちゃって。」
そんな人たちが集まって、みんなで作るちゃかぽんの味噌は、いわば島の「わがとこ味噌」
*わがとこ...海士町の方言で、自分たちの家や地域という意味。

まずは手のひらの熱でこうじをおこすところから。
芳醇な香りが、部屋いっぱいにふんわりと広がります。

使う材料は、隠岐の米こうじ・大豆・塩の3つだけ。
材料も工程もシンプルだけど、買うことが当たり前になっていると、意外とそのルーツや作り方を知らないことも多いですよね。
ーー自然の素材を活かす暮らしに興味があるけれど、やり方がわからないな。
ーー体に良いものやおいしいものを取り入れたいけれど、なんだか手間がかかりそう。
それでも誰かと一緒に始めてみると、「あれ、意外と簡単?」と思ったり、楽しくおしゃべりしている間に終わってしまったり。

力をあわせて大豆をつぶしていきます

一人ではちょっとむずかしいことでも、みんなでやると気軽に楽しくできて、うれしいひと手間を生活に加えられる。
そんなささやかな楽しさ、うれしさをおすそわけしているのが、この味噌づくりワークショップなのかもしれません。

ぎゅぎゅっと力を込めて、熟成のための味噌玉づくり

お味噌を一緒に作った人は、好きな量をお持ち帰りできます。
じっくり寝かせること、半年ほど。見えないこうじ菌がせっせと仕事をし、たっぷりうまみのつまった「わがとこ味噌」が出来上がります。

島の「おすそわけ」の文化

海士町での当たり前の光景のひとつに、「おすそわけ」があります。
自然の恵みや自分たちで作ったお米や野菜、魚やお酒…なんでも家族やまわりの人と分け合っていただきます。

人だけでなく、庭の柿の実を1つだけ枝に残す「木守り(きもり)」のような習慣も、島のあちこちに見られます。
柿の木への感謝や「来年もよく実がつくように」という願い、鳥たちに種を遠くに運んでもらうために、厳しい冬を乗り越えられるように...。
自然からの恵みを独り占めせず分かち合うことは、めぐりめぐって私たちの生活を、より豊かにしてくれるような気がします。

余った分は、みんなで一緒に。
おすそわけは、自分でつくることから始まる。

都会では、味噌も野菜も魚も、スーパーに行けば何でも手間なく手に入れることができます。
それでもきっと、私たちの生活には元々、自分と食べるものとをつなぐ時間や、自分と自然とをむすぶ手しごとが、今では思いもよらないくらい、身近にあったのでしょう。
そんなつながりが生活に残っているからこそ、島の人たちの温かい思いやりの循環や、生きる姿勢のかっこよさが生まれるのかもしれない。
店主のみかさんは、そんな風に話します。

おいしいものを食べた時の、うれしい気持ちや温かな気持ち。
分かち合えば、大きく広がりつながって、いずれ自分にも還ってくる。

シェアの始まりは、そんな素朴なきっかけなのかもしれません。

Writing:島猫工房 Soneko

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