白水さんの思い出の黒川温泉老舗旅館 毎日もりもりまかない!!ごはん
\ごはんできたよー!/
楽しいときも、苦しかった日も、
とびきり感動した日にも。
色褪せない思い出のなかに、いつも誰かと囲んだ
「まかない」がありました。
***
九州の真ん中、くまモンでおなじみの熊本県。
その北部、阿蘇の地にある、黒川温泉というこじんまりとした温泉街。
なかでも最も古い歴史をもつ、創業300年の旅館で仲居をしていた白水さん。
お部屋をせっせと掃除したあと、夕食を提供する前のあとひと踏ん張りってとき。
梅を漬け、畑を営む季節の手仕事の合間に、
「ごはんできたよー!」の掛け声でみんなが集まってくる厨房は、旅館で働くひとたちの憩いの場だったそう。
今回の思い出ごはんは、そんな大切な仲間たちと囲んだ滋味あふれる『まかないごはん』に阿蘇の川魚やお米が加わった、いろどり豊かな一皿です。
白水さんの思い出の黒川温泉老舗旅館
毎日もりもりまかない!!ごはん
隠岐ではめったに見かけない川魚や熊本の地酒は、島民にとってもうれしい品々。
じっくりと焼き上げられた山女魚や、丁寧に味を染み込ませたお大根のからあげをお供に、ご飯がみるみるなくなっていきます。
実は今回、お米も熊本産の『あきげしき』というこだわりぶり。
阿蘇のおいしいものをたくさん味わってほしい、という想いが伝わってくるようです。
***
現在は島のホテル Entô のスタッフとして、日々来島者を笑顔でお迎えしている白水さん。
お店に入った時の挨拶、料理のあしらいひとつとっても、さりげない温かな心遣いを感じます。
それは、これまでのお仕事の経験から醸されたものなのでしょうか。
「観光や宿泊って、下手すると1日にも満たないような時間なんです。
それでも、すごく楽しみにして来てくれる人たちがたくさんいる。
来てくれた人たちに、くれた時間に、どう本気で向き合うのか。
何かをやらなきゃ、ということではなく、求められていることにちゃんと応えたい。
そんな風に、丁寧に仕事に向き合ってきた結果が、今の構えに繋がっているのかもしれません。」
ときに、料理や食材についてお話をする中で、たくさん耳にしたのが『地元』という言葉。
ここは、地元で唯一の酒蔵で...
今の季節、地元では山菜がよくとれて...
めぐる季節の中で、その土地に吹く風を感じながら生きた時間。
そして、たくさんの人と出会い、見送り、見送られた思い出。
生まれ故郷ではなくとも、阿蘇での一期一会の暮らしを人一倍大切にしていた白水さんの想いが、
『地元』という言葉ににじみ出ているよう。
「一本釣りの生酛造りは、ぬる燗が一番美味しいんですよ。
川魚にも一番合うって、河津酒造の店主さんが言っていました。
聞く前にこれが最初に出てきたので、間髪入れずに「買います!」って言っちゃった。」
口にふくめばたちまち、炊きたてのお米のようなふくよかな香りが広がります。
「今日はお酒がとても好きな人たちに、熊本のお酒を飲んでもらえて良かった!」
***
阿蘇では、昔から今に至るまで、人がちゃんと手を加えて土を守り続けていること。
火を振り回して神様を呼び込み、五穀豊穣を願う伝統のお祭りがあること。
あちこちに温泉が湧いていて、レンタル地獄蒸しができること。
白水さんの語る、雄大な大地を愛し守り続ける人々の暮らし振りは、私たちにとっては新鮮なものばかり。
「メニューの横のネコヤナギは、
パートのおばちゃんが庭に生えていたのを、「これ飾り。」と言ってくれたものなんです。
本当に、黒川温泉のみんなに大感謝です。」
ひと仕事終えた後は、ごほうびにみんなで地酒を飲み比べ。
各地の地酒でちょい飲みセット、作りたいね!
次はスナックゆみこ開店かな?
身体は疲れているはずなのに、次はこんなことしよう、あんなことしようと、楽しい会話が止まりません。
食べる人の「ごちそうさま!」と、仲間と過ごすこの時間がある限り、
明日もあさっても、いのちをまかなうごはんが作られていくのでしょう。
素朴でちょっと地味で、決して派手さはないけれど
温泉に身をひたすようにじんわりと、
芯から心が温まっていく。
かけがえのない日々に、そっと寄り添ってくれた
まかないごはん。
どうぞ召し上がれ!
Writing:島猫工房 soneko
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