「戦場への動員」をめぐる問い
多くの戦場経験者が、自身の戦場の記憶を多くは語らず、語ることに抵抗を覚えていただろう。語るためには、戦場という人殺しの現場における自身の加害行為の記憶や、仲間の死などのトラウマの連続と向き合う必要がある。心理的負担を常識的に考慮しても、並大抵のことでは無い。しかし、戦場の記憶を語るにせよ、語らないにせよ自身が戦場を経験した問題は、いつまでも心の淵に巣くっており、それは戦後においても、戦場の記憶に動員され続けていること意味する。
そのため、長い年月を置いたあとに自身の戦場経験を