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プロジェクトの成否は人選でほぼ決まっている

今日は、『外資系コンサルが教えるプロジェクトマネジメント』の「プロジェクトの成否の半分は人選で決まる」を読みました。

●学んだこと

著述家のジェームズ・C・コリンズは、「計画が先、人材が後」という一般的によく知られている考え方は誤りであり、「人材が先、計画が後」だと主張しています。
つまり、成功した事業の多くは「良い経営計画があって、それに沿って適した人材が集められ、事業が成功した」パターンではなく、「まず優秀な人材が集まり、その人々がああだこうだと議論しているうちになんとなく計画が固まっていき、事業が成功した」パターンなのだそうです。

これは、プロジェクトにも当然当てはまると筆者は考えています。

多くのプロジェクトリーダーは、上からの指示で割り当てられたメンバーを仕方がないものとして受け入れる傾向があります。
しかし、プロジェクトに必要な人材の質と量に対して、ちょうど100%になるようなチーム体制では必ず破綻するそうです。

なぜかというと、想定外の事態に対処できないからだそうです。

そのため、プロジェクトリーダーは、時に「このメンバーでは戦えません。○○さんをください」と交渉しなくてはならないと筆者は主張しています。しかし、それは日本ではわがままとして捉えられがちで、気が進まないものです。

それでも交渉するべき理由が2つあるそうです。

理由①成功も失敗もリーダーの評価になるから
プロジェクトが成功すれば全ては丸くおさまり、逆に失敗すれば、全てはリーダーの責任となるそうです。

つまり、メンバーの増員や交代を提案して会社から煙たいと思われても、成功すれば水に流され、成功した事実だけが残ることになるため、逆にその提案をしない方が損だと考えているそうです。

理由②関係者の期待値をコントロールできるから
「このメンバーでは戦えない」と主張することで、周囲の関係者は、プロジェクトの成功に関する楽観的な期待を改めて、緊張感を持つようになります。
それによって、実際に危機的な状況が訪れた際、メンバー増員や交代の交渉をしやすくなるのだそうです。

逆に、初期段階で何の警告もせず、突然メンバー増員や交代を申し出ると、関係者は唐突に感じて「行き当たりばったり」だと思うそうです。
メンバー増員や交代の交渉は気が重い仕事ですが、それを後回しにしてはプロジェクトの成功はなく、逃げてはいけないと筆者は考えています。

そしてプロジェクト成功のために、「わがままだと思われるかもしれない」というちっぽけな懸念は乗り越えるべきだとまとめていました。

●読んで考えたこと

実際に増員や交代を提案することはすごく気が重いですが、今後の仕事において覚えておくべき内容だと思いました。

たしかに、これまでの人生で関わったプロジェクトにおいて「○○さんがいるからなんとかなるよね」と思ったことが何度もあり、実際そのキーパーソンの活躍によって成功した経験があります。
なぜその人がいるから安心できたかというと、本節に記載のあった通り、危機対応が柔軟にできるからだと思います。

自分がプロジェクトリーダーだとして「優秀な人材がいない、でもこのプロジェクトは成功させなくてはならない」という状況になった時、本節を読む前では、なんとかこのメンバーで頑張るしかないと考えていたと思います。
しかし今は選択肢として、メンバーの増員や交代を提案することも視野に入るようになっています。
わがままだと思われても、プロジェクト成功のためであればやらなくてはならないのだと認識できました。

実践機会がいつ訪れるかは分かりませんが、
大きな視点で考えて、小さな損があっても最終的に大きな得になるマネジメントができる人材を目指したいと思います。

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