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春は、何色ですか?

春は、何色ですか…?

もしこう聞かれたら、迷わず‘ピンク’や‘黄色’といった、

明るく華やかな色を思い浮かべるかと思います。

実際、3月から4月にかけては一気に花色もにぎわい、

まちを歩いているだけでこころも踊りますよね。

花 チューリップ9

でも。

本当の春の色は、まったく違ったところにあるのだと

以前阿蘇の山々は教えてくれました。


移りゆく日本四季の、‘スタート役’をつかさどる春。

彼女たちは、わたしたちの目につく場所で

ただ自由に、その美しさを咲き誇らせるだけでなくて。

次の季節、また後世のためへと‘人目のつかない所で’

自らその美しさをも燃やしつくしてしまうのです。

2012.4黒い山 すすき

そこにあるのは、ただ「黒」い世界…

本格的に生いしげる夏を迎えるまえに身を燃やし、
   
春の植物たちはこんなところで‘耐えて’もいるのですね。


野焼きつくされたあとの灰も。 

耐えてなお残り、黒いまままっすぐに生き続けようとする草花たちも、 

そのどれもがすべて『美しい』

2012.4黒い山

いままで知らなかった、この黒い世界は、

私たちが今まで見たことのない、そして味わったことのない

『真の美しさ』を内側から感じさせてくれます。

本当の、春の色。

それは‘表面的な’目だけで感じる美しさだけでなく。

こうして、人知れず耐えてなお生きようとするその「生命力」にこそ、

感じられる色なのかもしれません。

春の‘どこ’を見るのか… 

そんなこと、自然は何もいわずに、また‘わかってもらおう’とも思わずに、

ただいつでもそのままに「命」を織っている…

2012.4黒い山 。。

そんな黒い姿を、「美しい」と思うか、

「花がなくては見向きもせず」で生きるかは、人それぞれ。

でも、黒く焼けてなお春を生きようとする木々たちには、

そのどちらをもやさしく見つめる輝きがあります。

その輝きにふれられたときに、

私たちのこころにも‘本当の春’が、彩られていくのかもしれません。

花あぉ


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