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全132試合で特に印象に残った試合12選 (WSL 23/24シーズン総括4) :: WSL Watch #077

"WSL Watch 073"と"WSL Watch #075"と"WSL Watch #076"に続くWSLの23/24シーズン総括の第4弾は、今シーズンのリーグ戦で記憶に残ってる試合を。'MR = match review'ってカタチでレビューしてたり、代表ウィークのタイミングでまとめた'TW = Table Watch'の中で触れてたり、シーズン総括の中で触れたりしてる試合と重複する部分はもちろんあるんだけど。一応、気が付いたら今シーズンのWSLは毎節6試合x22節=全132試合を観てたんで。ありがたいことに、The FA Playerにハイライトだけじゃなくフルマッチ映像のアーカイブも残ってるからいつでも観れるし。

10/21 4節 アストン・ヴィラ 2-4 トッテナム・ホットスパー

かなり早い時期に"WSL Watch #004"でトッテナム・ホットスパーのロバート・ヴィラハム(Robert Vilahamn)監督を'P2W = person to watch=注目したい人'として取り上げたけど、「今シーズンのスパーズ、かなり変わった? 実はすごく面白いんじゃね?」って思わせてくれた試合で真っ先に頭に浮かんだのが4節のアストン・ヴィラ戦だったかな。マーサ・トーマス(Martha Thomas)がハットトリックを達成した試合なんだけど。昨シーズンの順位で見ると残留争いをしてたトッテナム・ホットスパーが5位だったアストン・ヴィラに打ち勝っちゃったってインパクトも含めて。ちょっと大袈裟な言い方をしちゃうと、今シーズンのトッテナム・ホットスパーが要注目だってことだけじゃなく、今シーズンのWSLがすごく面白くなりそうだな...っていう期待感みたいなモノも感じられた試合だったんで。

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11/18 7節 チェルシー 5-1 リヴァプール

今となってはいわゆるリバース・フィクスチャ、つまり、シーズン終盤のリヴァプールのホームでの劇的な試合の印象が強いけど、実は今シーズン最初のチェルシーのホームでの対戦もなかなかインパクトが強い試合だったんで。簡単に言っちゃうと、ローレン・ジェイムズ(Lauren James)の大爆発っていうか、ローレン・ジェイムズ祭りっていうか、ハットトリック+1アシストの大活躍。しかも、シュートが上手かっただけじゃなく、ABJことアギー・ビーヴァー・ジョーンズ(Aggie Beever-Jones)のゴールをアシストしたクロスも圧巻で。"WSL Watch #045"でも書いた通り、ちょっと異次元のプレイって感じだったかな。

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11/19 7節 マンチェスター・ユナイテッド 1-3 マンチェスター・シティ

この試合に関しては"WSL Watch #015"でレビューも書いたけど、オールド・トラフォードに43,615人入ったって意味も含めて、なかなかインパクトがあったな、と。長谷川唯がケイティ・ゼレム(Katie Zelem)からボールを奪ったところから生まれた2点目とか、改めて観ても素晴らしいし。

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12/10 9節 アーセナル 4-1 チェルシー

"WSL Watch 020"でもレビューした試合だけど、やっぱりアーセナルとチェルシーの対戦はWSLらしいビッグ・マッチだったな、と。シンプルにどっちも選手が豪華、スター選手だらけだし。この試合に関しては、アーセナルの良さ、強さ、凄さが出た試合になったけど。59,042人入ったエミレーツ・スタジアムの雰囲気も含めて、今のWSL、今シーズンのWSLを象徴する試合って言ってもいいと思うし。

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12/16 10節 トッテナム・ホットスパー 1-0 アーセナル

この試合も"WSL Watch #024"でレビューしたけど、シンプルにトッテナム・ホットスパー・スタジアムで行われたノース・ロンドン・ダービーでトッテナム・ホットスパーがアーセナルに勝っちゃったのは、今シーズンのWSLの中でもかなりメモリアルな出来事だったんじゃないかな、と。もちろん、基本的な試合展開としては概ね攻めるアーセナルと耐えるトッテナム・ホットスパーって構図だったって言っていいと思うんだけど、トッテナム・ホットスパーがシーズンを通して取り組んできたコンテクストを含めてマーサ・トーマス(Martha Thomas)の決勝点は素晴らしかったし。あと、トッテナム・ホットスパーは入場者数がそれほど多いチームじゃないんで、この試合で19,480人入ったってことも大きかったんじゃないかな。

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1/28 12節 ブリストル・シティ 1-2 ウェスト・ハム・ユナイテッド

今シーズンの残留争いを大きく左右した下位2チームの6ポインターなんだけど、実は前回対戦はウェスト・ハム・ユナイテッドが2-3で負けてたし、シーズン折り返しの12節ってタイミングでこの対戦が来ちゃった、言い換えれば、この試合が終わると残留争いのライバルを直接叩く機会がないって意味でもものすごく大きかったな、と。さすがに残留争いのライバルにシーズン・ダブルを喰らうわけにはいかないって意味でも、ウェスト・ハム・ユナイテッドにとってものすごく大事な勝利だったはず。この試合では林穂之香が貴重な先制点を決めてて、今シーズンの林穂之香は最終的に2ゴール+3アシストって結果だったんだけどけっこう大事な試合で大きな仕事をした印象があって、この試合もその典型例だったかな。あと、忘れちゃいけないのは、"WSL Watch #034"でもまとめたけど、ウェスト・ハム・ユナイテッドが1月の移籍ウィンドウでかなり積極的に動いたってこと。特にカトリーナ・ゴリー(Katrina Gorry)の獲得は大きかったと思うけど、ウィンター・ブレイク以降の試合にかなり大きな影響を及ぼしたし、残留を果たすためのチームとしての取り組みみたいなモノも強く感じられたかな、年明け以降のウェスト・ハム・ユナイテッドに関しては。

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2/4 13節 ウェスト・ハム・ユナイテッド 2-1 アーセナル

優勝争いをしてたアーセナルが残留争いをしてたウェスト・ハム・ユナイテッドに逆転負けしたこの試合も外せないかな、やっぱり。優勝を狙うアーセナルにとっては痛恨の結果だったし、残留を目指すウェスト・ハム・ユナイテッドにとってはシーズンを左右するような勝点3だったんで。スタッツを確認すると、保持率は33%:67%、シュート数は4:23(枠内は2:5)だったりするんで、基本的にはほぼほぼアーセナルが攻めててウェスト・ハム・ユナイテッドが守ってた試合だったって言っていいと思うけど。あと、実はこの試合はウェスト・ハム・ユナイテッドの日本人選手の活躍が光ったって意味でもインパクトがあったかな。林穂之香がフィフィアネ・ミデマー(Vivianne Miedema)の決定機を素晴らしい守備で防いだなんてシーンもあったし、ウェスト・ハム・ユナイテッドの同点ゴールも林穂之香のスルー・ボールを受けた植木理子がボックス内で倒されて得たPKからだったし、清水梨沙も当たり前のようにフル出場して奮闘してたし。残留争いのライバルのブリストル・シティと優勝争いをしてるアーセナルとの試合で連勝したことでウェスト・ハム・ユナイテッドが残留に大きく近づいたし、逆にアーセナルは優勝争いから一歩後退したって意味では、今シーズンのWSL全体にも大きな影響があった試合だと思うんで。

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2/16 14節 チェルシー 0-1 マンチェスター・シティ

"WSL Watch #039"でプレビュー、"WSL Watch #040"でレビューをした優勝争いの大一番ももちろん外せない。やっぱり、基本的にチェルシーとマンチェスター・シティとアーセナルの直接対決はちょっとレベルが違うっていうか、試合のクオリティがWSLの中でもワンランク上って感じで全部面白かったんだけど。この試合に関しても、基本的な印象はレビューで書いたこととあまり変わってないけど、ヒリヒリするような緊張感はちょっとレベルが違ってたかな。

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3/15 16節 チェルシー 3-1 アーセナル

この試合もヘビー級の一戦っていうか、WSLを代表するような力と力のぶつかり合い的な試合だったな、と。"WSL Watch #058"の中でちょっと触れてるんだけど、いろんな意味でバチバチの試合で。結果的にアーセナルはこの敗戦で優勝争いから脱落しちゃったって言っていいと思うけど。

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4/21 19節 マンチェスター・ユナイテッド 2-2 トッテナム・ホットスパー

この試合に関しては、5月12日に行われるFAカップ決勝と同じ対戦で、ある種の前哨戦っていうか、手の内を隠すのか真っ向勝負なのかみたいな部分も含めて注目の一戦だったかな。"WSL Watch #070"でまとめた通りFAカップ決勝はマンチェスター・ユナイテッドが快勝したんだけど、このリーグ戦での対戦に関してはトッテナム・ホットスパーがマンチェスター・ユナイテッド相手に真っ向勝負で互角以上? ってくらいの闘いを見せて。最終的には耐えきれずに試合終了間際に追いつかれちゃったんだけど、シーズンの早い時期から注目してたトッテナム・ホットスパーの明らかな上積みは見られたし、トッテナム・ホットスパーみたいなチームが真っ向勝負でマンチェスター・ユナイテッドみたいなチームを苦しめたっていうのは今シーズンのWSLの魅力の一面を象徴してた気もするし、"WSL Watch #051"でも取り上げたグレイス・クリントン(Grace Clinton)がローン移籍の関係で出れなかったことを差し引いてもなかなかの好ゲームだったな、と。

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5/1 20節 リヴァプール 4-3 チェルシー

今シーズン最大のサプライズだった試合を選べって言われたら、13節のウェスト・ハム・ユナイテッド対アーセナルかこの試合になると思うけど、試合結果だけじゃなく試合の展開とか内容まで含めると、やっぱりこの試合になるんじゃないかな。試合自体に関しては"WSL Watch #067"でも触れたけど、この時点での優勝を巡る状況を考えても、圧倒的な攻撃力を持つチェルシーを相手に堅守のリヴァプールがまさかの点の取り合いで勝っちゃったって意味でも、すごくインパクトがあったかな、やっぱり。

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5/5 21節 ウェスト・ハム・ユナイテッド 1-1 レスター・シティ

この試合に関しても"WSL Watch #067"でちょっと触れたけど、ウェスト・ハム・ユナイテッドの清水梨沙と林穂之香と植木理子、レスター・シティの籾木結花と宝田沙織が全員スタメンで5人同時にピッチに立った試合なんで、日本でWSLを観てて、日本(語)でWSLの情報を発信してる立場としては外せないかな、と。林穂之香のアシストから植木理子のゴールとか籾木結花と宝田沙織の決定機もあったりしたし。もちろん、全12チームのリーグで9人の日本人選手が6チームに在籍してて、わりと主力として活躍してる選手が多いから、日本人選手がいるチームの対戦自体はちょいちょいあるから、そこに特別フォーカスを当てる感じでは観てないんだけど、それでも、ピッチ上のフィールド・プレイヤー20人の内の5人ってのはなかなか珍しいし。ただ、今の日本人選手の活躍ぶりを観てると、今後はもっと日本人選手が増えて、いい意味で全然珍しいことじゃなくなりそうな気もするけど。

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以上が今シーズンの試合結果をスケジュールに沿って見直してみて印象が強かった12試合。別に12って数字に特別な意味はなくて、10のほうがキリがいい? とか思ったりもしたけど、よくよく考えたらキリのために選びたい試合を削るのも本末転倒な気もしたんでそのまま12試合で。選んだチームに偏りがあるっていうか、エヴァートンとブライトン&ホーヴ・アルビオンの試合はそもそも入ってないし、選んでても負け試合だけのチームもあったりするけど、細かいことを気にしすぎると全然決められないから、わりと直感的に選んじゃった感じで。

ちなみに、この12試合を含む全試合のハイライトとフルマッチのアーカイブ映像はThe FA Playerで視聴可能。実は、(あまり推奨すべきじゃないかもしれないけど)ちょっと検索すればフルマッチの映像がもっと観やすいお馴染みのサービスでも見つかったりするしんだけど。



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