認定NPO法人 野生生物保全論研究会(JWCS)

1990年からずーっと野生生物と共に生きる未来を考え続けている会。国際会議の参加報告や研究会の成果など、一般向きではないこともあえて発信します。 https://www.jwcs.org/

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    マガジン

    • サメの保全

      サメとエイの4分の1に絶滅のおそれがあります。なぜそうなってしまったのか。サメに関する記事をまとめました。

    • JWCSラジオ 生きもの地球ツアー

      ポッドキャストを使ったラジオ番組「生きもの地球ツアー」をもっと楽しむマガジンです。 ラジオ番組ではご紹介しきれない詳しい話や、資料のリンク先をご紹介しています。

    • 象牙と日本

      ワシントン条約での決議を受けて、象牙は国際取引だけでなく、多くの国が国内での取引も禁止したり、規制を強化したりしています。しかし日本は象牙の取引に肯定的です。象牙と消費国・日本に関する記事を集めました。

    最近の記事

    【第19回JWCSラジオ リンク記事】 プラスチックに群がる野生動物と、その体内にある大量のプラスチック

    スリランカ政府は、使い捨てプラスチック製品の輸入、生産、販売、使用を禁止にようやく踏み切った。施行は2023年6月からだ。 この国に生息するゾウやシカの死因の一つとして、プラスチックの誤食が挙げられ、大きな問題となっていた。 野生のゾウといえば、アフリカの自然公園内を悠々と移動するサバンナゾウを思い浮かぶ私にとっては、投棄場でゾウが餌を求め徘徊する写真には衝撃を受けた。 これまで、野生動物による誤食を防ぐために、スリランカ政府は使い捨てプラの禁止を講じる前、いくつかの試

      • 東京・上野の不忍池での自然観察会!

        2月11日(土・祝)に、ワイルドライフカレッジ受講生やJWCSの会員の方々と、上野の不忍池で自然観察会をしました。   都会にも野生の生き物がたくさんいることや、それらの生き物との付き合い方などを考えようと企画した自然観察会。 どんな生き物が観察できたかを紹介します。 東京・上野駅から歩いて行ける距離にある不忍池(しのばずのいけ)では、多くの野鳥が観察できます。 そんな不忍池で何十年も生き物観察をし、今でも観察会を定期的に行っている小川潔さん(JWCS理事・東京学芸大名誉教

        • 【国連 生物多様性条約】種の保全と取引に関する新しい国際目標

           JWCSは国際自然保護連合日本委員会(IUCN-J)のメンバーです。そのIUCN-Jの国際経験継承事業の一環として、JWCSの若手スタッフが、国連生物多様性条約締約国会議第15回第二部(以下、CBD COP15)に参加してきました。このブログでは、CBD COP15の現地の様子や、CBD COP15で最も注目を浴びた2020年〜2030年の新しい国際目標である昆明・モントリオール生物多様性枠組(以下GBF)のうち、JWCSの活動に関わる目標について、現地の議論も含めご報告し

          • 持続可能なビジネスのルールとして考える、サメのワシントン条約附属書Ⅱ掲載提案

            1.ワシントン条約とは  ワシントン条約(以下CITES)の正式名称は「絶滅のおそれのある野生動植物種の国際取引に関する条約」である。国際商業取引による種の絶滅を防ぐのが目的である。そのため、「絶滅しそうかどうか」だけでなく「国際取引の影響を受けているかどうか」も規制対象種を決める基準となっている。  CITESは動植物の派生物も対象としている。例えばサメの場合、CITES対象種のサメが含まれるふかひれ入りの食品、肝油、サメ肉を含む製品、サメ軟骨入りサプリなども輸出入に輸出国

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            【第8回JWCSラジオ リンク記事】自然撹乱と人為的撹乱の違い

            3月30日に配信されたJWCSラジオ《生きもの地球ツアー》の第8回放送、 『なぜ保全のために生息地をかく乱させるの?』 聞いていただけましたでしょうか。      本記事は、第八回放送とのリンク記事です。まだお聞きになられていない方は、ぜひお聞きください。本記事では、自然環境の中で起きている撹乱について、より詳しくお話ししていきます。      ラジオでは、自然撹乱(Disturbance)が多様な種が生息するために必要であることを紹介しました。これは、1978年にJ. H

            【第11回JWCSラジオ リンク記事】野生動物を捕獲して動物園で展示することの問題点

            *2022年8月25日、大分市商工労働観光部観光課はニホンザル寄贈事業の中止を発表しました。 「本日、ウルグアイドゥラスノ県から、技術的、経済的等の理由により、ニホンザル寄贈を辞退する旨の書簡が届きました。 本市といたしましてはニホンザル寄贈を、中止することといたします。」 6月16日に配信されたJWCSラジオ《生きもの地球ツアー》の第11回放送、 『野生のサルを捕まえて外国の動物園に送ってもいいの?』のリンク記事です。(以下からお聞きになれます)  JWCSの会員さんか

            【第7回JWCSラジオ リンク記事】タコと私の共通点

            2月28日に配信されたJWCSラジオ《生きもの地球ツアー》の第七回放送、 『タコも痛みを感じるの?』 聞いていただけましたでしょうか。  本記事は、第七回放送とのリンク記事です。まだお聞きになられていない方は、ぜひお聞きください。このブログでは、タコやロブスターなどの頭足類や甲殻類について、さらにお話ししていきたいと思います。頭足類(cephalopods)とはイカやタコなどの生物の総称、甲殻類(decapods)とはエビやカニなどの生物の総称です。  これらの生物は我

            【第6回JWCSラジオ リンク記事】市街地での鳥のフン害から野生生物との共存を考える

             JWCSラジオ《生きもの地球ツアー》の第六回放送、『鳥は人にわざとフンを落とすの?』は聞いていただけましたでしょうか。 本記事は、第六回放送とのリンク記事です。まだお聞きになられていない方は、ぜひお聞きください。 ラジオで取り上げましたように、市街地で集団をつくるムクドリなどの野鳥の騒音やフンの害の対策として、自治体は追い払いを行っています。   しかし野鳥は虫を食べて大発生を防いだり、実を食べて種を散布したりと生態系の中での役割があり、いなくなってしまえばいいというも

            【第5回JWCSラジオ リンク記事】クジラ・イルカウォッチングをする前に知っておくべきこと

             12月23日に配信されたJWCSラジオ《生きもの地球ツアー》の第五回放送、 『安全なイルカ・クジラウォッチングとは?』 聞いていただけましたでしょうか。  本記事は、第五回放送とのリンク記事です。まだお聞きになられていない方は、ぜひお聞きください。このブログでは、ラジオでお話ししたクジラ・イルカウォッチングについて、さらにお話ししていきたいと思います。  イルカやクジラを直接観察する方法を大きく分けると、陸からの観察と海からの観察があります。  ガイドの笹森さん(酪農学

            【第4回JWCSラジオ リンク記事】 クジラ類の種と分類

            11月22日に配信されたJWCSラジオ《生きもの地球ツアー》の第四回放送、 『日本でクジラって見られるの?』 聞いていただけましたでしょうか。  本記事は、第四回放送とのリンク記事です。まだお聞きになられていない方は、ぜひお聞きください。このブログでは、ラジオでお話ししたクジラ・イルカについて、さらにお話ししていきたいと思います。  ラジオ内で笹森さん(酪農学園大学特任准教授・日本クジライルカウォッチング協議会会長)に、イルカもクジラの仲間で、大まかにいうとイルカとは小

            【第3回JWCSラジオ リンク記事】 感染症による宿主の行動操作

            10月22日に配信されたJWCSラジオ《生きもの地球ツアー》の第三回放送、 『地球温暖化と動物からうつる病気には関係がある?』 聞いていただけましたでしょうか。  本記事は、第三回放送とのリンク記事です。まだお聞きになられていない方は、ぜひお聞きください。このブログでは、ラジオでお話しした感染症について、より掘り下げてお話ししていきたいと思います。  ヒトを含む動物の体内で病気を引き起こす微小な生き物を病原体と呼び、病原体によって引き起こされる病気を感染症と呼びます。

            【第2回JWCSラジオ リンク記事】 地元の自然を守るには

             インターネットラジオのPodcastにて、9月28日に配信したJWCSラジオ《生きもの地球ツアー》の第二回『地元の自然を守るにはどうしたらいい?』はいかがでしたか。  この記事では、第二回の内容を掘り下げてお知らせします。まだお聞きになられていない方は、ぜひお聞きください。  第二回のナビゲーターはJWCS事務局長の鈴木希理恵、ガイドはJWCS会長・東京学芸大学名誉教授の小川潔さんでした。  今回は「宮城県のランツ先生」からのメールがきっかけでした。南三陸にはイヌワシ

            【第1回JWCSラジオ リンク記事】 日本の動物園にいるゾウと、象牙取引について

            インターネットラジオであるPodcastにて、8月27日に配信されたJWCSラジオ《生きもの地球ツアー》の第一回放送、 『動物園にいるゾウはなにゾウ?』 聞いていただけましたでしょうか。 本記事は、第一回放送とのリンク記事です。まだお聞きになられていない方は、ぜひお聞きください。  第一回放送のナビゲーターはJWCS事務局長の鈴木希理恵、ガイドはJWCS理事・帝京科学大学教授の並木美砂子さんでした。 本配信の中で、ゾウにはサバンナゾウ、マルミミゾウ、アジアゾウの3種がい

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            サメシンポジウム「魚の物語:サメ、漁業、そして未来」

            認定NPO法人 野生生物保全論研究会が2019年9月13日に開催したシンポジウム「サメの世界を知るー絶滅のおそれのあるサメ」を収録。 講師はIUCNサメスペシャリストグループのリマ・ジャバド氏。サメの現状とワシントン条約でサメの国際取引を規制することの意義を分かりやすく解説しています。

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            なぜ日本の象牙市場閉鎖が求められているのでしょうか

            象牙の売買を禁止する国が増えています。それは2016年に開催されたワシントン条約第17回締約国会議で、象牙の国際取引から踏み込んだ、国内市場の閉鎖が決議されたからです。  それから3年、第18回締約国会議が2019年8月にスイスのジュネーブで開催されました。日本は、日本の国内象牙市場はアフリカのゾウの密猟とは無関係と主張し、2019年12月現在、国内での象牙製品の売買は違法ではありません。  しかし国内象牙市場閉鎖の決議は、アフリカゾウの絶滅の危機のみならず、象牙を資金源とした武装組織に苦しむアフリカの人々の声が後押しをしました。  象牙が価値を持つことで生まれる悲劇をなくしたい。そんな世界の人々の声は日本に届いているでしょうか。  この動画はワシントン条約第18回締約国会議の会議場で撮影した参加者へのインタビュー及びサイドイベントでの発言と、コンゴ共和国オザラ国立公園に生息するマルミミゾウの映像で構成されています。

            【世界の野生生物保全】野生生物の違法取引に影響を与えている要因は

             以下に紹介する研究は、政府や国際NGOがどのようなプロジェクトに投資すべきか、またどのような戦略に基づいてプロジェクトを立案すべきかなどを考えるうえで役立つホライズン・スキャニングについてです(訳注:ホライズン・スキャニングとは、利用可能な情報を体系的・継続的に収集・分析し、潜在的なリスクや可能性を把握する手法のこと)。この研究では、「野生生物の違法取引」は世界の政治経済の大きな変動の中で現れた問題の一つであり、その解決にはSDGsの複数の目標を同時に達成する必要があること