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日本がキューバみたいになったら良いのに 【都市型農園が普及した日本の日常を妄想してみた】

こんにちは! 北海道でブルーベリー・カシス栽培農園を営んでいる道産子カナダ人農家のJustinです。ブログにアクセスしてくださりありがとうございます。

さて、皆さんは外国でいうとどの国が一番好きですか? もしくは、まだ行ったことのない国でどこに一番興味がありますか?


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僕が今一番興味のある国はキューバでして、それはなぜかというと、キューバが食料自給率80%を誇るパーマカルチャー大国だからなんです。

パーマカルチャー大国キューバ


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パーマカルチャーとは、簡単にいうと
「大農園や工場で食料を大量生産するんじゃなくて、街のあちこちに小さい畑をつくって、そこでちょっとずつ野菜とか果物を作って、細く長く幸せに暮らしていこうぜ」みたいな考え方のこと。

キューバの人たちがなぜこのような考え方に至ったのかというと、90年代初期にそれまでお世話になっていたソ連が崩壊して突如燃料や穀物を一切輸入できなくなり、急遽自給自足の生活に切り替えざるを得なくなったから。

(詳しくは、よければ僕が過去にライターをしていた頃に書いたこちらのネット記事をご覧ください↓)


パーマカルチャーの特徴


パーマカルチャーの主な特徴は、

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1.トラクターは使わず、牛とミミズを使って畑を耕している

2.国営農場を民営化して市民に開放し、みんな仕事の合間とか休日に野菜・果物づくりをしている

3.ビルの屋上や使わなくなった駐車場に土を運び込んだり、なんなら歩道の脇にコンクリートのブロックで囲った簡易的なプランターを作ったりして、とにかく街の「隙間」を埋めるように畑を作りまくっている

以上の3点。


キューバは幸福な老人がたくさんいる国。 じゃあ日本は?


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ちなみにキューバは100歳以上の人口比率が世界一らしく(全国民1,100万人中100歳以上の人が3,000人なので、3,500人にひとりいる計算になります)、高齢者の幸福度も非常に高いことで知られています。

その理由はもちろん発達した医療技術と社会福祉制度によるところが大きいんですが、現地の学者によると「果物と野菜をたくさん食べ、適度に運動し、日常的に土に触れているから」だそうです。


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そこへ来て同じく国民の高齢化が進み老人比率の多い日本はというと、高齢者の鬱や自殺、さらには働き盛り世代の引きこもりなど心の病にまつわる問題が山積していますが、農家の自分としては「それってシンプルに自然と関わる機会が少なすぎるからじゃね?」って常々思ってるんですよ。

(とか偉そうにのたまっている僕自身ポジティブな性格とは程遠いのですが、自分のことは一旦棚に上げておきますw)


日常に自然が足りていないと、人は病気になってしまう


現に、自然に長らく触れていない人間は「自然欠乏症候群」という病気にかかることも、西洋医学の世界ですでに証明されているようです。(要は、自然と人間の境界をくっきり分けすぎると精神的に病みやすくなるということですな)

まあ、最近の日本ではキャンプや釣りなどアウトドア系の趣味がかつてないほど流行ってますがね。


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それももちろん素晴らしいんですが、もうちょっと深くまで踏み込んで積極的に自然(特に土と海)と関わって「環境を守る」こと(この言葉、本当は上から目線な感じがしてあまり好きじゃないんですが^^;)にコミットすると、意外と簡単に色んな心の問題が解決しちゃうような気がしてるんですよ。(あくまでもそんな気がするだけです)

なので、日本の都市部にもプランターとか小さい畑がいっぱいできて、キューバみたいにたくさんの人が気軽に野菜づくりを行えるようになったらいいのにな〜、なんて最近では妄想しています。


男女の出会いの場としての都市型農園


日本の男女の恋愛離れが叫ばれて久しいですが(海外には、日本の男性の多くが生殖行為を諦めたのではないかと仮定している社会学者も一定数いるよう)都市部の共同農園は男女の出会いの場としても非常に有用です。


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これは僕がカナダに留学していた頃、キューバに旅行に行ったことのあるカナダ人の友達に教えてもらったのですが、キューバでは、日中に共同農園で一緒に農作業をした後、夕方になったらビーチへ行き、散歩をしたり、モヒートなんか飲みつつ夕日を見ながらまったりおしゃべりしたりするデートプランが割と一般的らしいんです。(なんてロマンチック! 10年以上前に聞いた話なので今でもそうなのかは分かりませんが)


都市型農園が普及した日本の日常を妄想してみた


実際、ちょっと想像してみてください。

あなたが東京に住んでる小学生だとして、朝登校していると、道端の至るところにプランターがあって、お店の人とか、出勤前のお父さん・お母さんとかが、野菜の苗に水をあげたり、草取りなんかをしていて。

「すっかり夏だね〜。トマトがとれ始めたから、今日学校から帰ってくるときに取りにおいで」なんてその家のお母さんに話しかけられたりして。

で、「ありがとうございます。ウチの近所では茄子がいっぱいとれてるから、お礼に持っていきますね」みたいになったりして、そこから物々交換を機に家族ぐるみのお付き合いになるかもしれません。

もしくは、あなたが多感でピュアな中学生だとして、なかなか話しかけられない好きな子に近づく口実に、その子の家へ近所でとれた野菜を持っていったりするのも大いにアリでしょう。そこから新たな恋が始まって、ゆくゆくは結ばれるカップルが増えたら万々歳ですな。(そんな世の中になったら、「野菜婚」なんて言葉が流行語大賞にノミネートされそう)

奥さんに先立たれ、一人暮らしで寂しい思いをしているおじいちゃんの家に行って農作業を手伝い、ちょっとだけお小遣いをもらったりするのも、立派な社会貢献だしこれはこれで全然アリでしょう(笑

近年アメリカと国交が回復した現在のキューバで依然としてこのような光景が繰り広げられているのか、実際に行ったことのない僕には分かりませんが、「農」と「食文化」に、人と人とを自然な形で繋げる力があることは疑いようのない事実です


「自然」という名の点滴を、疲れた心に打つべし! 打つべし!


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現に、特にここ最近の日本は空気の殺伐度がマックス値まできちゃってるような気がしていて、ここらで一発「自然」という名の点滴をガッツリ打っといた方が良いような気がしています。

現実問題、いきなり↑のようにするのはさすがに難しいと思いますが、ちょっとずつならどうなんですかね? キューバは日本と同じく小さな島国で主食は米。地形も似ていてその他にも類似点がたくさんあるので、あながち非現実的な話ではないと思うのですが。

はい、そんなとりとめもないことを考えていた秋の夜長でした。(毎度のことながら良い締めの文章が思いつかない😅)

今日はこの辺で。最後まで読んでくださりありがとうございました。アディオス!

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