2020年 上半期映画ベスト10(日本映画編)
こんにちは。
もう早いもので8月ですが、いまさら今年観た新作映画の中で上半期映画ベスト10を出してみたいと思います!
今年の1月〜6月に劇場公開された作品からなので、DVDレンタルや動画配信で観た過去作品は含まれません。(新作の動画配信は含まれます)
コロナ禍で新作映画が少ない中からですが、まずは日本映画編からカウントダウンでいってみたいと思います。
10位〜6位
第10位 『さよならテレビ』
プロデューサー:阿武野勝彦
監督:圡方宏史
出演:東海テレビ報道部の皆さん
劇場版がとても定評ある東海テレビのドキュメンタリー映画です。
面白かったあの『ヤクザと憲法』の監督とプロデューサーコンビの新作。
今回もまた面白い!
新たな対象は、報道部の同僚たち。
"報道の自由"を武器に取材をするのにカメラを向けられた途端に嫌がる報道部の人たち。働き方改革を報じながら残業し、メディアの役割は権力の監視と言いながら権力に寄り添う。
テレビ業界が抱える矛盾が次々と浮かび上がる傑作ドキュメンタリー!
第9位 『精神0』
監督:想田和弘
出演:山本昌知、山本芳子
こちらもドキュメンタリーですが、日本を代表するドキュメンタリー監督の想田和弘監督の最新作。観察映画第9弾!
前作『精神』の精神科医 山本先生が高齢のため引退するというのが『精神0』の内容。先生を慕う患者さんたち、関係者の方々、そして夫婦の物語。
そんな日常から見えてくるものは、高齢化社会。
先生も年をとったけど、患者も年をとった。そして老老介護の現実…
想田監督は"観察映画"というスタイルでひたすら対象を撮り続ける。何の説明もないのだが、そこからテーマが浮かび上がって見えてくるから面白い!
第8位 『初恋』
監督:三池崇史
出演:窪田正孝、大森南朋、染谷将太、小西桜子、ベッキー、三浦貴大、他
三池崇史監督の面白い方! 『初恋』というタイトルですが、内容は思いっきりヤクザとバイオレンス 笑 作品によってバラつきのある監督ですが、三池監督はやっぱりこういう映画が面白い!
あるボクサーがひょんなことから親の借金のカタにヤクザに囚われた女の子を助け出したことで、それを追うヤクザや抗争相手のチャイニーズマフィア、裏で繋がっていた悪徳刑事などに追われるハメに…
思いっきりバイオレンスなのに純愛という不思議な展開。
ベッキーの吹っ切れた演技がまたいいんです。
第7位 『mellow』
監督:今泉力哉
出演:田中圭、岡崎紗絵、志田彩良、松本エレナ、白鳥玉季、SUMIRE、山下健二郎、他
恋愛映画の名手 今泉力哉監督の最新作! ここ最近は新作を連発しています。 恋愛群像劇で登場人物たちの”好き”が交錯し合うコミカルさが持ち味だったりするのですが、本作はその”好き”が田中圭に一点集中という 笑
ずるいぞ、田中圭! しかも優しそうでオシャレな花屋さんとは。
その設定には羨ましさしかないですが、花がお店や家にとても自然に入り込んでいて、そんな日常がステキだなと思える映画です。
第6位 『Fukushima50』
監督:若松節朗
出演:渡辺謙、佐藤浩市、吉岡秀隆、安田成美、緒形直人、火野正平、他
東日本大震災の福島第一原発事故、その現場で命の危険も顧みず必死に作業に当たっていた作業員たちの物語。
日本のメディアが取り上げず、海外メディアから"Fukushima50"と呼ばれ、ヒーローとして取り上げられていた彼ら。 我々が知らなかった「あの時あの場所が何が起こっていたのか?」が描かれている結構骨太で重厚なタイプの作品です。
5位〜1位
5位 『37セカンズ』
監督:HIKARI
出演:佳山明、神野三鈴、大東俊介、渡辺真起子、他
生まれた時にたった37秒間呼吸が止まっていたことが原因で、脳性麻痺となった主人公のユマ。
そんな障害を持った女の子の自分探し。
守られていた外側に、心が解放される瞬間があるんです。
ドラマの展開も自然でとても良かったんですが、主演の佳山明はじめ脇を固める女優が素晴らしくて泣きます。
とってもポジティブな作品!
4位 『ドロステの果てで僕らは』
監督:山口淳太
脚本:上田誠
出演:土佐和成、朝倉あき、藤谷理子、角田貴志、石田剛太、諏訪雅、他
これは面白い! ヨーロッパ企画の上田さん脚本の新作映画。 舞台でもあるようなワンシチュエーション、ワンアイデアのコメディ作品。
ある時、自分の部屋のテレビ画面から2分後の自分が語りかけてくる…
あまり内容を知らない方が楽しめるタイプです。「もしこんな状況になったら」からの展開が面白い! 『カメラを止めるな』のようなインディーズからの傑作映画です。
かなり小規模作品だけどロングランしそう。
3位 『音楽』
監督:岩井澤健二
原作:大橋裕之
出演:坂本慎太郎、駒井蓮、前野朋哉、芹沢興人、平岩紙、竹中直人、岡村靖幸、他
とんでもないユルさがいい!
絶妙な間とトーンの異色アニメ。
「バンドやろうぜ!」っていうそれだけの話にグイグイ引き込まれてしまう。目醒めの感動や青春やいろいろな要素が詰まってる。
ヘタウマな画に朴訥なしゃべり方と妙な間。他にはないタイプのアニメなんですが、曲もいいし岡村靖幸の使い方が絶妙でサイコー!!
2位 『ラストレター』
監督・脚本・原作:岩井俊二
出演:松たか子、福山雅治、広瀬すず、森菜々、庵野秀明、神木隆之介、他
やっぱり岩井俊二は侮れない。 何となく豪華キャストの大味な邦画かと勝手に思ってたんだけどそんなことなかった。ゴメンなさい!
そりゃ岩井俊二なんだからそんなはずはない。 やっぱり瑞々しい美少女を撮らせたら右に出るものはいないほど。広瀬すず、森菜々が本当にいい。
ちょっとしたかけ違い、手紙のやり取りから広がる物語。
後半、自然と泣いてた。
1位 『三島由紀夫VS東大全共闘 50年目の真実』
監督:豊島圭介
出演:三島由紀夫、芥正彦、木村修、橋爪大三郎、他
もう、文句なしに面白い!
三島由紀夫のイメージがガラリと変わってしまった。
学生運動全盛期の東大に、三島由紀夫が単身乗り込んで全共闘と対決する。
三島由紀夫 VS 東大全共闘
1人 VS 1000人
右翼 VS 左翼
保守 VS 革新
どれだけ殺気立った展開になるのかと思いきや、三島にユーモアがあり、これだけ真逆の対立構造かと思いきや"愛国反米"という共通点があったり、議論の中で思わぬ方向に転がり、不思議な雰囲気になっていく。
東大の論客・芥正彦の存在感もすごい!
熱き時代の熱き瞬間が蘇るとても貴重な映像ドキュメンタリーです!!
最後に
途中、ほぼ新作が観れない時期がありましたが、やっぱり面白い映画が次々と公開されています。
7月以降も傑作が公開されていて、後半戦も楽しみです。
映画館に行くのはまだ怖いという人もいると思いますが、そういった方の分まで積極的に観に行きたいと思ってます。(自分が行きたいだけ笑)
外国映画編もまたアップしたいと思います。
最後までありがとうございます。