【芥川賞】今日は朝から夜まで、アクタガワ!!
今日はなぜか朝から
芥川龍之介のことを考えている。
そんな頭で書店に行くものだから、
ついつい、芥川の薄い文庫を
2冊ばかり買ってしまう。
家に揃っているはずだけど、
なぜか、ときおり、
新しい文庫が欲しくなるんです。
まあ、芥川の文庫は安いし。
それにしても。
新潮文庫の芥川の
ラインナップはどうも芳しくない。
あまりに歯抜けな感じがする。
たいていの文豪作品は、
新潮文庫が一番いいラインナップを
揃えている。なのに、
芥川龍之介に限っていうと、
新潮文庫では
名作が揃っていないんです。
それは、
ちくま文庫や岩波文庫の芥川文庫を
見ると一目瞭然です。
新潮文庫でまだ載せてない作品を
色々と集めてみたら、
もう2冊くらいは出せそう。
貪欲な新潮文庫らしくない(笑)。
夕方になって、
パソコンを観ていたら、
今日は芥川賞・直木賞の発表日だと
知らされた。
あっ!今日か!忘れてた!
慌ててパソコンを開き、
ネットで色々探したら、
芥川賞も直木賞も決まってました。
今日はどちらも、
取り立てて話題になるような
受賞者でも受賞作品でもなかった。
それにしても、
もしも、この現在に
芥川龍之介が
タイムスリップしてきたら、
彼はどんなことを
感じたろう?話しただろう?
抜群のナルシシストだから、
みんなが芥川の名前を冠した
文学賞にいたく思いを込め、
候補作家のみならず、
出版社や書店も含め、
まあ色んな人間が
一喜一憂するさまを見たら、
芥川はさぞかし喜ぶだろうか?
同時に、
稀代のシニカルな皮肉家さんは、
クールに鼻で笑うだけかもしれない。
どちらにせよ、
この、年に2回、
まるでオリンピックや総選挙なみに、
芥川賞によって翻弄される我々の
姿を、一度は、本人である芥川に、
見せてやりたいなあ。
彼はこの現象をみて、
どんな箴言をつぶやくだろうか。
また、現在なら
芥川はどんな作品を書きたいと
考えるだろうか?
なんとか、芥川龍之介を
呼び寄せる技はないものか?
あ、それにはやはり、彼の作品を
読み込むしかないでしょうね?
不思議と、直木三十五には
呼び寄せたいとか、
彼の名前を冠した文学賞に
どんな感慨を抱くか?などは
あまり想像が湧いてこない。
そう改めて考えると、
芥川龍之介は、とびきり幸せな
作家であることは間違いない。
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