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【創作】小説とマンガは、最初のキャラ設定がこうも違う?!

マンガの新作をスタートするには、
キャラクター設定を先によく煮詰めます。

漫画家がそうとうに熟練なら
また話は別ですが、
通常は、漫画家さんも安心のため
編集やアシさんとわいわい決めていく。
いや、人によっては一人集中して
書いて、見せに来る漫画家も。

漫画家は、主要人物の顔や服装を
ラフスケッチで書いていく。
この時、常に絵として
視覚的に固めていく。

ところが、小説の場合は
キャラ設定はどうでしょう。
いろいろと決めていく。
たとえば、、、、
独身貴族な行動生物学者。
好きな昆虫探しのため、
非常勤で働く40半ば。
和風のイケメンだが、
虫好きなため、女性から敬遠されがち。
いつも彼のいるところには事件が起きる。

さて、これらをトータルして
頭の中で良いキャラクターが立ち上がるか、
イメージしてみます。
絵が湧いてこない時は
キャラクター設定が
まだ甘いんでしょうね。
一目で、はっきりします。

ちなみに、
上記の昆虫学者のキャラクターでは、
私の印象では
彼のいるところに常に
事件が起きそうな気がしない。。。
キャラがまとまっていない…。
事件を呼ぶような何かが欲しいな、
となりますね、、、、、。

編集と作家は、
常にそうしたキャッチボールを
何度も何度もしてから
作品に入っていくんですね。

たとえば、川端康成『雪国』。
この主人公の男がどうしても
頭にイメージが立ち昇らない。
40代。
無職。
作家で食べてる訳ではない。
妻子がいる。
小太りで通俗だ。
それでいて、二十歳そこそこの
気丈な芸者と深い関係にある。

どうも納得?がいかない(笑)。
どうもピースがハマらない。
私が編集なら、この男性の
キャラクター造形は、まだ甘いから
再考を!というところです。

でも「キャラクター造形」なんて
言い出したのは、最近ですものね。

一方で、ヒロイン役の女性は
ずいぶん、しっかりと
キャラクターができている。
二十歳。
気配りができる、敏感さ。
年上にも気配りでき、
年下には気遣いできて。
家族の病気の治療費のため
温泉芸者をして頑張っている。
…この設定たちは
一つの像をしっかり結び、
違和感を感じさせません。
共感をよびやすいでしょう。

これだけで、
ヒロインの動作や表情は
8割くらいイメージが沸きそう。
キャラ設定がうまくいってる時は、
そんなものなのでしょう。

でも、文芸の畑では、
キャラ設定を作家と編集が
煮詰め合うってことはない、
ないというか余りない…。
これが文学界の伝統でもあり、
弱点でもあるんです。
作家の采配を尊重するためか?

でも、マンガの世界では
ドラえもん、あしたのジョー、
ワンピース、鬼滅の刃、
とにかくキャラクターが弱いと
マンガじゃない、くらいの勢い。
キャラクターのパワーは
どう最初に「設定」するのか、
ここにすべてがかかってるような
気がします。まあ、私はマンガ畑に
いましたからでしょう(笑)。

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