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【読書】行きつけのお店のような本はありますか?

行きつけのお店を持ちたい。

東京みたいな人間砂漠で暮らしてると
顔なじみな人がいる場所というのが
どうも恋しくなるらしい。

それが行きつけのお店願望に
なるんでしょうか。

私は最近、よく行く定食屋さんが
あるんですが、
毎回、注文していないのに、
菜の花のおひたしや
だし巻き玉子が1品、
小皿で付けてくれるんです。
嬉しくて、また来たくなる。

行きつけのお店とは、
まあ、宿り木、とも言えますね。

宿り木みたいな作家や本があると、
さらにいいですよね。

ちょっと悲しい時、
また、孤独な時、
ちょっと落ち着かない時に、
そっと取り出して読みたい本って
誰しも持っていますよね。

中身まで、悲しいとか孤独だとか
そんなことは必要ないんですが、
鳥がフワッと止まりたくなる
宿り木のような本ってありますよね。

私の場合、そんな行きつけの
宿り木を求めてしまう時は、
司馬遼󠄁太郎のエッセイ集
『十六の話』や
『空海の風景』を読み出してしまう。

いつも微熱に悩まされていた
司馬遼󠄁太郎の書いた文章には、
なんだか微熱をうっすら感じてしまう。
軽い温かさとでもいうか。

もう何遍も読んでいるので、
どれを読んでもいいんです。
どれを読んでも懐かしくなる。
気楽で優しい気持ちになる。

あるいは、
王道すぎて申し訳ないですが、
夏目漱石の『こころ』を
取り出して読みたくなる。
全く、不思議な本です。
構成は破綻してるし、
肝心の先生の奥さんの性格や
人柄があまりきちんと書かれていない。
恋愛に関する小説としては
辛い点数なはずなのに、
読んでいると、
たまらなく安心してくる。
幼年時代からのタオルケットに
くるまれているみたい。

それから、宿り木にいいのは、
詩集ですね。
中原中也詩集とか、
宮沢賢治詩集とか。

不思議なことに、
好きなはずの太宰治や三島由紀夫は、
宿り木には思えないんですよ。
二人から安心感はもらえないのかな。

これはあくまで私の感覚で、
皆さんにも、それぞれ、
宿り木のような本をお持ちですよね。

そんなにたくさんは要らない。
4〜5冊あればいいですね。
いつも、毎日毎日、
学び!学び!では疲れますよね?
え?皆さんは疲れない?
私は疲れやすくなったかな?

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