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【今日の言葉】

「言葉っていうのは、
自分ひとりのものではないんです。
今の時代だけのものでもない。
大勢の他人の、
これまで亡くなった人も含めた
長い長い歴史からできあがったもので、
自分の勝手にならない代わりに、
自分が追い詰められたときに
支えになってくれる。」

古井由吉の最新刊「言葉について」
『書く、読む、生きる』
(草思社)より引用しました。

そうか、言葉は自分だけのものではない。
いわば、市役所や国道や国立大学と同じ
「公的な施設」なわけですね。
追い詰められた時は支えになってくれる。
古井さんは良いことを言ってるなあ。

…と、ここまでは普通に、古井さんの
引用紹介で終わるつもりでしたが、
今、何気なく今日の「ほぼ日刊イトイ新聞」
巻頭エッセイ「今日のダーリン」を見たら、
言葉は社会的存在だという内容でした。
よく似たテーマでびっくり。

以下、糸井さんの文章を抜粋します。

「ことばに変化が生じると、どうして
怒る人がいるのかというと
「勝手なルール変更」をされてしまう
からでしょう。
サッカーで『手も使っていいんじゃね?』
なんてね、勝手にやりはじめられたら
困りますもんね。
『手を使ってはいけない』
というルールをもとにして、
ゲームが行われていたわけですからね。
ルールの変更とまでは言わなくても、
『マナー違反』であるということも
気になるでしょう。
そうなんです、
ことばが変わるということは、
『社会のしくみ』に関わるから、
大変なんですよね。」
《糸井重里 ほぼ日の「今日のダーリン」2020・11・30日より》

今日の言葉を紹介するつもりが、
言葉とはそもそも何だろうかという話に
なってしまいました。

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