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【読書】私の人生を彩ったベスト10冊、勝手にランキング~

51年の人生で出会ってきた本で、
ベストテンを考えてみようかと…。
本自体の素晴らしさというより、
その本を巡る思い出による
ランキングにしようと思います。

(10位)
『ベン・ハー物語』

世界児童書全集の一冊。
もともとは父に無理やり
読まされた本でした。
中学生の夏休みに毎朝、
ちょっとずつ読み進み、
イエス・キリストや
古代ローマ皇帝の存在感に
吸い込まれ、生まれて初めて
読書は楽しいんだと感じました。

(9位)
『ノルウェイの森』村上春樹

東京に来た年に書店に
タワーのように積まれていた
村上春樹の記念碑的な作品。
おしゃれなカバーだったため(笑)、
この本を持っていたら
バイト先の女子に貸すことになり、
それが縁で付き合うことに。
おかげで人生最初の恋人ができました。

(8位)
『朝の歓び』宮本輝

宮本輝は「川」三部作や
『青が散る』『錦繍』も
好きでしたが、
25年前に読んだ『朝の歓び』には
特別な思い入れが。
それは、恋愛に苦しむ男が
イタリアの南部にある
アマルフィ海岸に行って
大きな決断をするんです。
当時、私も恋愛に悩んでいたので、
『朝の歓び』に感動し過ぎ、
一人そのままアマルフィに
行ってしまいました。
ただのミーハー…(笑)。

(7位)
『メメント・モリ』藤原新也

写真家・藤原新也がアジアを
彷徨いながら撮影した
アナーキーなコピー付き写真集。
聖なるガンジス河の
川辺で人間の死体を食らおうとする
野犬たちの写真に
「人は犬に食われるほど自由だ」
というコピーが載せられてあり、
呆然となりました。
それ以来、藤原新也の
写真エッセイにはまりました。

(6位)
『まほろ駅前多田便利軒』
三浦しをん。

30代で過労から適応障害になって
休職してた時期に買って読んだら、
ビックリする程、
元気づけてくれました。
三浦しをんのコメディカルな
才能が爆発的に開花した名作。
遅れてやってきた青春と呼ぶには
仕事や家庭やらしがらみが
ありすぎる中で、毎日なんとか
生き抜いていく便利屋稼業の
コンビがダサカッコいい。

この本を見るたびに
あの時、元気をもらったことを
思いだします。心の恩人です。

(5位)
『蜘蛛の糸』芥川龍之介

これは小学生の時に
父から初めてプレゼントされた
本でした。絵本でした。
その絵のお釈迦様の絵が
インパクトがありました。

(4位)
『国盗物語』司馬遼太郎

歴史小説に引きずりこまれた
記念的な本です。
第1巻の冒頭は実は
すごくエロチックなくだりがあり、
親に隠れるようにして読みました。
高校生だった私には、
刺激が強すぎました。
息子さんが隠れて『国盗物語』を
こそこそ読んでいたら、
性の目覚めだと思います(笑)。
司馬遼太郎に叱られるかな、
壮大な織田信長の歴史絵巻を…。

(3位)
『こころの処方箋』河合隼雄

心理療法家・河合隼雄の
わかりやすい心理学エッセイ。
心は人間には判らないものだと、
繰り返し、河合さんは説きました。
心理学でわかるのは、
心のルールや法則ではなく、
心は人には判らないという事実です。
ユーモラスなこの本で、
うつ病時代、何度も励まされました。

(2位)
『父の詫び状』など
向田邦子のエッセイ全般。

太宰治や大江健三郎など、
自意識過剰な小説の猛毒で
全身がおかしくなっていた時、
文学が嫌いになった学生時代後期、
自意識を感じさせないタッチで
日常が書かれていた向田作品に
出会いました。
本によって、心や体が解放され、
優しくほぐされたことは、
青天の霹靂でした。

(1位)
『輝ける闇』開高健。

戦争とは何か?
なぜ戦争は無くならないか?
人はもしや戦争をしたい本能が
あるのかも?などなど、
戦争にまつわる様々なテーマが
しっかり書きこまれています。
読んだのは、学生時代。

内容は開高健がベトナム戦争に
自ら従軍し、その体験を元に、
ベトナムで何が起きていたか?
ジャーナリズムでもなく、
反戦文学でもなく、
兵士の日常を描く方式で、
可能な範囲で
戦争をありのまま描いたものでした。

読みながら自分も
ベトナムの戦地にいるような
錯覚に襲われるほど、
不思議な魅力が詰まってました。
この本が人生でいちばん
心を揺さぶられた1冊です。

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