見出し画像

【創作と継続】書き続けることは、命を削ること?

書き続けることが一番の秘訣。
諦めないで書くことは素晴らしい。

小説の創作でも、
素人の身辺雑記でも
このnote更新でも、
大事なのは継続することだ。

今まで、一度も疑わずに
毎日更新にいそしんできました。

でも、本当にそうだろうか?
一ミリの隙もない秘訣かしら?

漫画家に山岸凉子さんという
大天才がいます。 
山岸凉子が大ブレイクしたのは、
聖徳太子の美しき才能を描いた
『日出処の天子』
(ひいずるところのてんし)ですね。

私もこの漫画を読んだ時は
トリハダが立ちました。

ページからは、才能が溢れ
絵柄も台詞もキレキレです。
山岸凉子先生はこんな
神業のような創作活動を 
何年も休みなく書き続けてる、
こんなキレキレの漫画を
書き続けていたら、
山岸さん、壊れちゃうよ、
倒れちゃうよ、大丈夫なのか?

別に予言者ぶるつもりはないですが、
山岸先生は『日出処の天子』を
書き終えてから、
病に倒れ、しばらく創作を
休んでいらした。

それから数年後に、
山岸凉子は絵柄をガラリと変え、
優しく素朴な漫画を書くように。

私は、倒れた後のタッチも
好きといいますか、
あの『日出処の天子』の頃の
タッチや人物キャラは、
才気ばしり過ぎて、
見ていてハラハラしてくる。

山岸凉子のバレエ漫画も
初期の『アラベスク』より
平成に書かれた
『テレプシコーラ』が好きです。

そういえば、
先日、東京での展示も
盛況だった矢沢あい先生。
矢沢あいといえば、
『NANA』や『ご近所物語』
『天使なんかじゃない』など
ヒットメーカーでしたが、
10数年前『NANA』の連載途中で、
倒れられた。
大ヒット中だった『NANA』の
佳境まっしぐらのところで
体を壊してしまいました。

10数年前、休養を発表された時、
たぶん数ヶ月、長くて半年で
また戻ってこられるだろうと
甘く考えていました。
まさか、こんなに長期に
なるとは思ってなかった。

あの頃の矢沢あいさんには
恐るべき重責とプレッシャーが
かかっていました。
少女漫世界を牽引していた
ヒットメーカーとして。

倒れられる前の『NANA』は
女子はもちろん、 
男子もハマる人がいっぱいいて、
少女漫画では異例なくらい
社会現象になっていたものでした。

キレキレ過ぎるほどの創作。
命を削りに削った創作。
創作は時にそんな側面もある。
あくまで、山岸凉子や矢沢あい
といった大天才クラスの話で、
私みたいな凡人が
こんな巨人の話をしても、
それは私のようなヘタレの
たまに毎日更新を休む
屁理屈になってしまいますが。

あ、そういえば、
名作『ホットロード』や
『瞬きもせず』などを書いた
伝説の漫画家・紡木たく。
彼女は、詩のような漫画を書いて
ファンも多かったのに、
ある日を境に漫画を書くのを
自らやめてしまいました。

とはいえ、『ホットロード』
一作品を世に生み出しただけでも
もうすごいことでよね、創作家として。
 
ずっと書き続けてる人も
素晴らしいのですが、
だからといって、
書き続けるのが、
創作家にとって模範行為かというと、
そう言い切ることはできない。

書く、創る、継続する、、、
そこには、命を削ってしまう、
恐ろしい側面があることを、
頭の片隅に置いておくことも
大事かもしれません。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?