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【諦めない】もしも娘が漫画家になると言ったなら?

編集者時代最大の過ちについて。
漫画の編集をしていたので、
私がいた小さな会社にも、
時々、漫画家志望者がやってきました。

漫画家は、一度成れても、
続けていけるかが非常に困難です。
ずっと現役で書いていけるような
人って、正直、最初から
自分で考える力があるから、
あまり編集の言葉には
ふりまわされたりしない。
地頭みたいなポテンシャルが高い。
逆に、編集にふりまわされる人は
なかなか、作家、漫画家になっても
安定期になるまでは大変だ。

正直、自分に娘がいたら
漫画家になると言われたら、
どうしようと焦ったでしょうね。
少なくとも、どんなにキツいか?
とくとくと話してから、
改めて考てね、と言ったでしょう。

漫画原稿を持ち込む方もみなそれぞれ。
1ヶ所でも、絵柄か文章が
他人には書けないキラリと光る箇所が
あったら、漫画家、一緒に
目指しましょうか!と言ってました。

ただ、1ヶ所もそれがない場合、
誰かの真似の劣化しただけ?
みたいな場合は、
漫画家として厳しいよ、
と冷たい話をしました。
10年アルバイトし、漫画家をめざし、
最後はやめていく若い人を
たくさん見ていくと、
最初に期待させすぎたら
申し訳ないな、と思うようになって…。

プロになってく人の過半数は、
最初から、まあ見えてます、
力があるのがわかります。

でも、デビューできない人でも、
諦めない人がいて、
10年15年、がんばる中で、
100人に1人、バケる人がいるんです。

私は今、それを思うと、
早めに引導を渡した人には
申し訳ないと…。諦めない人は
私の引導なんか耳にいれずに
そのまま頑張ってるでしょうけど。

私も今なお、何かを待っています。
もう50才のくせに、
まだ何者かになれないか?
夢を見ています。

作家になりたいとか、出世したいとか、
そんな夢じゃなく、なんていいますか、
こうして生きてく中で、日本や世界、
また、人間や生物の何かに役立てる
大きな大切な発見ができないか?と。

それは出来ないかもしれないし、
もしかしたら、出来るかもしれない。
どうせ、50のうつのオヤジだ、
無理でしょう、という声もする。
一方、いや、死ぬまで何があるか
わからないじゃないか、という声も。

編集者時代、私はずいぶん、
偉そうに、残酷にも、
目指すの、止めた方がいいよ、と
諦めさせようとしたことがある。
彼、彼女の文章を読んでいて、
全然、トリハダが立たない時は…。
だって、いつも一緒にお仕事を
していた作家たちは、総じて
いつも、キラキラ光る箇所を
少なくとも1ヶ所は作品に
宿してましたから。
「ああ、この人は神様だあ~」って
思ってましたね、いつも。

でも、人生何が起きるかわかりません。
最後まで。諦めるまで。止めるまで。

私だって、今、神様の使いが来て、
あなたには可能性ないからって
告げられても、聞き流すでしょうね、
嫌ですからね(笑)。

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