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【文豪】宮沢賢治がよくわからない!?

宮沢賢治がわからない。

宮沢賢治は好きです。
たまに読みたくなる。
そうですねえ、宮沢賢治は
年に3回は読みたくなる。

太宰治は年に2回読みたくなる。
村上春樹は年に5回は読みたくなる。
サリンジャーは年に4回。
夏目漱石は年に2回は、
遠藤周作は年に1回は読みたくなる。
読書にはそんなバイオリズムがある、
と勝手に思っているんですが、

宮沢賢治は、年に3回は、
読みたくなる。

でも、正直、宮沢賢治を
私はよくわかっているのか?
と言われたら、
ぜんぜん自信がありません。

宮沢賢治作品は、
人に例えるなら、
世間知にまみれていない
不思議ちゃん、
それがまた頭脳明晰で
性格も万全な不思議ちゃん、
に例えられそうな、、、
うん、この例え自体は、
宮沢賢治をけなしてませんかね。

それから、
宮沢賢治愛読家に出会うと、
みんな熱が高い人が多く、
心の底からリスペクトしてる。
心が美しい方が多そうに見える。

そんな人を前にすると、
私みたいな中途半端な愛情の者は
なんだか申し訳なくなります。

ところで、
どうして、宮沢賢治ワールドは
こんなに動物が人間みたいに
話したり考えたりするのか?
当たり前ですが、
不思議でもありますね。
それは今更、口にしては
イケないことになってるような?

そのあたり、
どうも、宮沢賢治作品とは
どんな距離をとればいいか、
毎回戸惑いを覚えます。
みなさんはそんなことないですか?

ちなみに、
私が好きな宮沢賢治作品は、
1番は「セロ弾きのゴーシュ」
2番は「銀河鉄道の夜」
3番は「風の又三郎」
と至ってミーハーな作品ばかり(汗)。

宮沢賢治マニアって、
ベストは何?って聞いたら
たぶん、こんなベタな応えは
ないでしょうね。
もっと知られていない作品を
挙げてくれるはず。

それにしても、
宮沢賢治の小説には、 
他の作家とは、
種類がぜんぜん違いますよね。

まず日本的な家屋や服装とは違う
不思議なものだろうと、
勝手にイメージしてしまう。
「ムーミン谷」みたいなんですね。

そうなんです。
ベタなリアリティが
欠落しているんです。
不思議さはそこから来てるのかも。

戦前の日本文学で、
こんなに垢抜けた世界観の人って
まず見当たらない。
すごいですよね。

漫画編集者時代には、
絵が独特な漫画家に会って、
何を書いてもらおうかと、
悩んでしまう時は、
まず宮沢賢治が好きか嫌いか訊いて
好きと答えた作家には、
宮沢賢治を漫画化しませんか?
と言うのが私のクセでした。

漱石や太宰ではなく、
漫画家にコミカライズを勧めるなら
宮沢賢治!だったのです。

ただ、宮沢賢治は、
そう簡単にはマンガ化できない、
かなり難しいようでした。
それに、先にますむらひろしさんが
見事にマンガ化したので、
ますむらひろしさんと
重ならないようしなくては
いけないから、
ハードルは相当あがりますね。

そんな不思議な存在の宮沢賢治。
そんな宮沢賢治に
なぜか惹かれてしまうのは、
その不思議さが、
上品であったり、
ワクワク感が詰まっていたり、
優しかったり、
多様性を持っていたり、
色々な種類の不思議さが
詰まっているからでしょうか。

今まで、新潮文庫の
宮沢賢治の小説はたいてい
読んできたはずなのに、
いつになっても、
私は宮沢賢治を深く理解してるとは
嘘でも言えない奥深さがある。
宮沢賢治は奥深い天然ちゃん、
といえるかもしれない。

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