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【国民性】ロシアで一番有名な日本人作家は誰でしょう?

ロシアで、一番有名な?
日本人作家は誰ですか?
こうした質問をさまざまな国で
街頭インタビューをしてる
テレビ番組が以前ありました。

たいていは、
村上春樹という答えでしたが、
ロシアでは、村上春樹を超えて、
安部公房が一番でした。

ロシア以外にも、
東欧などでは、
日本人作家なら、
安部公房の知名度が高いようです。

それを聞いて、
なんだか、なるほど〜と
わかるような、
わからないような心境になりました。

元共産主義国は、
ロシアを筆頭にあまりに
機械的な全体制で、
国家が国民を支配する傾向が強く、
いつなんどき政府が戦争を始めたり、
国民を軍隊に招集する命令を下しでも
不思議ではないことなどから、
安部公房の不条理な小説は
ロシアでは共鳴されやすいんですね。

その街頭インタビューは
もう7、8年前でしたが、
今のロシアを考えると、
ぜんぜん笑えないですね。
というか、当たっていると
言うべきかも。

そうした意味では、  
安部公房はフィクションで
戯れていた訳ではなく、
全体主義が個人を翻弄する姿を
悪夢として書いていたんですね。
今もなお、国家が何をやらかすか
分からない不気味でシュールな現実を
安部公房は予言していたのかあ。

ちょっとまた安部公房を
読んでみたくなりました。
初期の『壁』や『他人の顔』や
代表作『砂の女』、
晩年の『カンガルー・ノート』など。
どれも、ある日突然、
不条理な現実がやってきて、
そこから、個人がどう頑張っても
逃げられないでいる…。

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