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【本曜日】SPY×FAMILYの編集者はどんな本を読んでいるのか?

今日から1週間の
「木曜日は本曜日」の案内人は、
集英社でヒット作を連発する
漫画編集者の林士平(りんしへい)さん。

「月刊少年ジャンプ」や
アプリ「ジャンプ+」で
『SPY  FAMIRY』や『チェンソーマン』
『左ききのエレン』『青の祓魔師』も
林さんが担当編集しています。

マンガ畑にいた私からしたら、
とんでもねえ天才だなあ、に尽きます。
ああ、林さんと私は、決定的な違いは
何だったんだろうか?
林さんが選んだ10冊を読んで
マンガ編集の極意を、
なんとか探り出してみたい!

①古川日出男
『アラビアの夜の種族』

②アンディー・ウィアー『火星の人』

③横山秀夫
『クライマーズ・ハイ』

④上橋菜穂子『獣の奏者』

⑤村田沙耶香『コンビニ人間』

⑥ディーリア・オーエンズ
『ザリガニの鳴くところ』

⑦貴志祐介『新世界より』

⑧池澤夏樹『夏の朝の成層圏』

⑨ジュール・ヴェルヌ
『二年間の休暇』

⑩高見広春
『バトルロワイヤル』

なんて、本好きな人だろう。
なんて、ハイブラウな
セレクトなんだろうか?
それから、なんて王道で
直球ど真ん中なセレクトなんだろう。
衒いがありません。
無駄な自己主張がありません。
普通は、本や映画のセレクトって
大なり小なり、
みんな自己承認欲求が
出てしまうものですが、
林さんのセレクトには
無駄な自己主張が見当たらない。
それはすごいことです。

というのが、この10冊から
見えてくる印象です。

人気少年漫画のヒット編集者には
思えない?(失礼)
深みと哀しみがある傑作ばかりです。
強いて言うと、
10冊目の『バトルロワイヤル』は
エンタメ漫画の教科書ですかね。

池澤直樹のデビュー作
『夏の朝の成層圏』が
あるかと思えば、
上橋菜穂子さんの
極上の長編大作がある。
上橋さんの長編は、
ストーリーテリングの
基礎を学ぶテキストと
言えなくもないですが。

横山秀夫、村田沙耶香、貴志祐介。
どの作家もいいですよね。
ああ、林さんとは
本の話がいっぱいできそう(笑)。
勝手に妄想で、ですが(笑)。

私も10年くらい前、
貴志祐介『新世界より』を
コミカライズしたくて
漫画家は誰にしようかと
あれこれ当たったものでしたが、
先に講談社がやりだして、
ああ!悔しい思いをしました。
講談社がコミカライズした
マンガ版「新世界より」は
私には、重厚感がなくて
貴志祐介のあの世界観は、
こんな薄っぺらい絵じゃ
ないのになあ、と本当に
悔しい思いをしました。

それにしても、
こんなに硬軟とりまぜたセレクトクト。
全部、林さんの血肉になってそう。
10冊みんな、読んでおきたい。
まあ、もう私が漫画編集者に
戻ることはないでしょうけど。
汗。

今回のセレクトからは、
無駄な自己主張がない、
バランスの良さが
良く出ている印象でした。

『ザリガニの鳴くところ』は
もう映画公開ですね。
映画化が決まる前から惹かれて
読んでいたとしたら、
その選球眼はやはり凄いな。



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