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【本屋】本を買う時、どんなメカニズムになっているのか?!

頭の片すみにはずっとあるのに、
なぜか本屋さんに行くと、
その本のことは忘れて、
目の前に広がる本たちのことで
めいっぱいになる、というのが
いつもいつもの話なんですが、
今日は、なぜだか、
ふと足を向けた翻訳本コーナーで、
いつもは忘れっぱなしの本と
出くわした。目と目があって
今日は、今日こそは
この本を買う運命なのか?と
ぐっと腰を深くした。

それは、
チャールズ・プコウスキーの
文章術の本で、タイトルは
『書こうとするな、ただ書け 
ブコウスキー書簡集』発売・青土社。
3200円、、、3200円かあ。
書簡集というところでやや引っかかり、
値段の高さでさらに引っかかる。
うーん、今日は、買うか買わないかは
決められないな。今日はペンディング。
ブコウスキーの小説を全部読んで、
どうしてもブコウスキーの文章術が
気になったら、買うとしよう。

さて、私はまだ翻訳本の棚にいる。
今度、目に入ってきたのは、
マッカラーズの長編作品で、
『心は孤独な狩人』。村上春樹が絶賛
していた作品です。その翻訳はもちろん
村上春樹(笑)。
マッカラーズは、先月、
ちくま文庫からも短編集が出た。
それは買っているんだけど、
この長編は2750円。それに
発売元は新潮社だ。海外文学を重視する
新潮社なら、4〜5年待てば
文庫になるかもしれない。
これも、どうも買うべき決定打が
見つからない。

今度はふと目を下にやる。
下には、表紙を見せるように並べる
面陳(めんちん)で、その棚の担当者が
イチ押しの本を並べているのですが、
今日は柴田元幸さんが編んだ
アメリカ文学のアンソロジーがあった。
これは新発売らしい。
タイトルは
『アメリカ・マスターピース
〜準古典編』とある。
準古典?ちょっと古典?ということか。
3冊めだから、さすがに値段を最初に
確かめた。2400円。うーむ、2400円か。
これも高いなあ。
でも、3200円、2750円のあとだから、
ちょっと麻痺しているみたい(汗)。
ページの厚さからしたら、村上春樹が
翻訳したマッカラーズの本が
一番ページが多いのに
値段は2750円で、
薄めのハードカバーの
柴田元幸さんのアンソロジーは
値段はやすく感じるけど
ページも少ないから、
どっちもどっちだろうなあ。
さて、アンソロジーの目次を開くと、
顔触れは豪華だ。
ヘミングウェイ、フォークナー、
アンダソン、フィッツジェラルド、
サローヤンなどなど。

うーむ、悩むな〜。
マッカラーズの長編か?
アメリカ文学の準古典アンソロジーか?
どちらも同じくらい読みたい。
ただ、マッカラーズは、村上春樹だし、
新潮社だし、またいつか出会う気がする。
一方、アメリカ文学のアンソロジーは、
いくら柴田元幸先生の
手によるものとはいえ、
どこかで文庫になる可能性は少ない。

どちらも決定打は出ていない。
今日のところは、何も買わないのが
正解でしょうかしら。
こうして、私は翻訳本の棚で
約45分立っていた訳ですが、
実にあっと言うまでした。
こんなに充実した時間はないですね。
ああ、だから、本屋通いは
やめられない(笑)。
などとトボトボ歩いて、
気がついたら、
私はレジに一冊のハードカバーを
出して買おうとしていました。
柴田元幸のアメリカ文学アンソロジーを。
うおおう、怖っ、怖っ。
無意識の自分が買っていた。
本好きもここまで来たら、業病だ(汗)。

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