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営業はメディア化する - 事業が加速する営業コンテンツはじめの一歩 -

こんにちはジェイ(@junta_suzuki)です!
株式会社RocketsでCSO(最高戦略責任者)をやっております。

事業開発セールスと名乗り、営業について様々なメディアで楽しんで発信をしております。平日毎朝10分程度、音声配信なんかもやってます。(スタートアップ営業ラジオ

今回のテーマは「営業はメディア化する」です。

1. メディア化する営業

営業は、自社の強みと顧客のニーズをもとにメディア化する。

営業活動は企業と企業を繋ぐメディアになっていきます。

これからの時代、営業はコンテンツ!

情報に敏感な方は各所で言われているこの言葉を目にしているはず。
僕も同感です。

でも、コンテンツなんて作れない.....

確かにコンテンツと聞くと、0から作る難しさを強く感じます。

こう考えたらいかがでしょうか?

「コンテンツを作る」と考えるのではなく「営業がメディア化する」と考える。0から作るのではなく会社の資産(強み)を編集する。そしてそれを市場のニーズに合うように加工して届ける。それが営業の役割です。

自社と顧客の中間ポジションで、自社の強みと顧客のニーズをうまく合わせてメディア化する。営業は、企業と企業の中間に存在するもの、企業と企業をつなぐ媒体になっていくのです。

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2. 月70アポの現場で痛感した重要性

独自の価値をコンテンツ化することで指名されるように。

「コンテンツが大事」と営業のトップランナーの方々が言ってます。リモートワークが広く受け入れられ、営業もデジタル化、オンライン化が加速します。顧客の購買プロセスは営業に会う前に50%以上済んでいるそうです。

WEB上にコンテンツがないと検討の土俵にすら上がれないのです。

これは現場でも感じています。

僕は現場でたくさんの営業相談を受けます。現在進行系で、業種も規模もさまざまな企業と営業戦略についてディスカッションします。

そこで思ったことは「コンテンツがないと営業戦略が立てられない」ということです。もしコンテンツがあったとしても、競合と代替可能なコンテンツや、ずっと前に作ったものに依存している状況では厳しいです。

変化の多い時代において「ずっと同じ営業資料」や「ずっと変わらないLPに載っている事例」では顧客の態度変容もへったくれもありません。

逆に営業がうまくいくパターンは競合優位性のある独自の価値をうまくメディア化し、コンテンツを生み出し続けている企業です。コンテンツが豊富なので少なくとも仮説検証しながら次の一手が打てます。

テンプレート営業資料でしか提案できないと、戦略的に手詰まりです。

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3. コンテンツはプッシュ営業にも使える

届けたいコンテンツを届けたい顧客にこちらから提供できる。

コンテンツを潤沢に用意しておくと顧客獲得の選択肢が広がります。

まず、文字通りコンテンツマーケティング。いわゆるプル型、インバウンドと呼ばれるものです。自社ブログやオウンドメディアなどに顧客を呼び込めます。厳密にいうとSEO(入り口のワード開発)およびブランディングなども必要ですが。

このように一般的にはコンテンツ=「インバウンド」の認識が大きいです。しかし、インバウンドは顧客がコンテンツを探す必要があるので、届けたい顧客にはなかなか届かないものです。

例えば、自社オウンドメディアに製造業界で大企業の顧客が訪問してくれたとします。そこでこちら側としては、同じ製造業界で大企業の成功事例を読んでもらって購買意欲を掻き立てたい。けれども実際はその記事までたどり着かずに離脱している可能性が大いにあるのです。

そこでプッシュ型アウトバウンドの出番です。製造業界で大企業のリストを作成し、こちらから製造業界で大企業の成功事例を丁寧に届けていきます。

つまり独自の価値があり絶対に役に立てると自信があるコンテンツは、インバウンドはもちろん、アウトバウンドでもリード獲得に使えるのです。

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4. 「時すでに遅し」にならないために

コツコツとアーカイブしていかないと競合にやられてしまう。

コンテンツの重要さが分かったら、スグに取り掛かるのが吉です。

コンテンツは地雷型で待ち伏せておくものです。正しく運用しコツコツアーカイブしていく。コンテンツ本数が増えるほど、コンテンツページを入口とした訪問数は加速度的に増えます。

コンテンツがアーカイブされるには時間がかかります。もしかすると、すでに競合他社は着々と自社の魅力をWEB上に散りばめているかもしれません。

気づいた時には、競合は独自の価値をメディア化しており、もう手も足も出なくなる可能性すらあります。

そしてWEBコンテンツはデジタルで検証が可能です。どのコンテンツが評判がいいか、訪問数が多いか、ダウンロードされているか、どんなターゲットに刺さっているかなどを検証して改善することができます。

競合他社はすでにニーズに合わせたコンテンツの仮説検証をぶん回しているかもしれません。

完成度の高いコンテンツを時間をかけて作るより、スピード重視で顧客の反応を検証した方がいいです。顧客の反応を見てそれがキチンと顧客に響いているのかを検証してコンテンツに磨きをかけます。

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5. そもそも独自の価値はありますか?

「独⾃の価値」「作り⽅」「時間軸」そして「潜在価値の開発」

コンテンツの重要性と緊急性はお分かりいただけたかと思います。
では、どのように着手していくか。

油断すると、ありきたりなノウハウのコンテンツになりがちです。競合と同じようなノウハウをコンテンツにしても仕方ありません。

その場合、マーケティング的にはそのノウハウで強烈に自社が想起されるようにならなくてはいけません。多くの場合、同じようなノウハウに溢れ、誰がそのノウハウを発信しても変わらないことが多いです。

そこで今一度、自社の「独自の価値」を考えてみます。

馬田 隆明さんの「スタートアップの戦略&ビジネスモデルの考え方」のスライドを活⽤して、「独⾃の価値提案」「独⾃の価値の作り⽅」そして「時間軸」を考えることをお勧めします。 

❶独⾃の価値提案
卓越した独⾃の価値を⽣み出してこそのビジネスモデル(存続)なのでまず本当の価値とは何かを考える → マーケットの分析
例)戦略キャンバスカスタマージャーニーなどで競合分析する。
❷独⾃の価値の作り⽅
提供すべき卓越した独⾃の価値が決まったらそれをどう実現して継続していくかを考える → 社内や関係者のシステム構築
例)バリューチェーンフライホイールなどで価値の作り方を構築する。
❸時間軸
価値と業務が決まったら時間経過とともにどうスケールしていくかを考える → 時間軸とスケール戦略
例)ターゲット拡大や収益源の追加などでスケールを考える。

そしてもうひとつ、潜在価値を探索することも必要です。

❹潜在価値の開発
顧客のみならず価値提供する側の企業も気づいていない価値、今までにない埋もれてしまっているもの → 潜在的な優位性の探索
例)社風、メンバー、開発における思い、歴史、組織の考え方など

潜在価値の開発は非常に重要です。
「自社としては価値と感じていないもの」でも「独自の価値」になり得るものは意外とたくさんあるのです。開発に際しての思いをインタビューしてもらいコンテンツにする。そのようなコンテンツがリード獲得や受注に役立つことはよくあります。コンテンツ化しましょう。

実はあなた自身も会社にとっての潜在価値かもしれません。マニュアルでガチガチに縛られてロボットのようになっていない限り、あなた自身は代わりのきかない特徴を持った1人の大事な社員です。まさに独自の価値。コンテンツ化しましょう。

これらのポイントをもとに自社の独自の価値を突き詰めていきます。まずは社内向けに言語化やビジュアル化してみてはいかがでしょうか?

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これは上記をもとにした弊社Rocketsの「独自の価値」に関する社内資料です。競合他社と変わらない価値しか提供できないプロダクトだとメンバーのモチベーションも上がりません。コンテンツとして社外に出す前に、改めて明確に言語化して社内メンバーに伝えることも大切です。

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6. キッカケを5つ用意してディグってもらう

認知 - 信頼 - 需要 - 指名 - 緊急の切り口でキッカケコンテンツを。

コンテンツを作る上での根っこの部分の独自の価値を考えた。では次は、どうやって設計していくかです。

5つのキッカケを用意します。

コンテンツがキッカケになり人が動く。態度変容ってやつです。僕は態度変容には5つあると思っています。

❶認知
認知してもらうコンテンツ(登壇、広告、SNSなど)
❷信頼
信頼してもらうコンテンツ(大規模登壇、取引事例など)
❸需要
必要としてもらうコンテンツ(WP、実績インタビューなど)
❹指名
指名してもらうコンテンツ(独自概念構築、競合優位性など)
❺緊急
急いでもらうコンテンツ(時勢やトレンドなど)

例えば、弊社Rocketsでは、

❶認知してもらうコンテンツ
認知してもらうために登壇や発信などの露出を繰り返し、代表のインタビューを仕込み、プレスリリースをできるだけ打つようにしてます。
❷信頼してもらうコンテンツ
信頼してもらうために有名企業のみなさまとイベントをさせていただいたり、紹介や推薦してもらえるように強みを明確に伝えます。
❸必要としてもらうコンテンツ
必要としてもらうために自社サービスの説明が一切ない「営業全般に関するnote」を書いたり、時勢に合わせたリード獲得について語ります。
❹指名してもらうコンテンツ
指名してもらうために「プレリード」という独自概念をつくり商標登録を済ませ、資料化したり商談で常に話します。
❺急いでもらうコンテンツ
急いでもらうために緊急度の高いDX文脈に寄せて話したり、今のうちにやっておくといい明確な理由を語ります。

このような切り口でコンテンツを用意していくことをおすすめします。

そしてこれら❶から❺は順を追って態度変容していくものではないと僕は考えています。

認知して即受注したり、信頼されることによって受注するなど、色々すっ飛ばして受注することも多くあるからです。

大事なのはこらら❶〜❺の受注するキッカケをまんべんなく用意しておくことです。

色んなキッカケがあった方がいいんです。

原作を知らなくても映画からみたり、監督のインタビューが目に止まって興味を持ったり、認知させるための広告ポスターが気になって調べてみたり。

キッカケとなる入り口を用意しておく。ひとたび入り込んだら、会社やサービスについての厚みのあるコンテンツが待ち伏せているという状態です。

突然ですが「ディグる」と言う言葉があります。

「ディグる」とはdig(=掘る)る。
つまり、「情報を探す・発見する」という意味。

「このサービス気になるな」とキッカケを与えたら、あとはあらゆる切り口で態度変容させるコンテンツで待ち伏せておけばいいのです。うまくいけばディグってくれます。

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7. 議事録をコンテンツとして運用する

顧客との接した内容を議事録に残し、チームで揉み、コンテンツ化する。

独自の価値を整理した上で態度変容を目的とした様々な切り口でコンテンツを出す。なんとなく方向性は見えてきました。

方向性は見えたけど、なにから着手していいか分からない....

議事録をうまく使います。

議事録は案件を進めるためだけでは勿体ないです。ましてや上司がマイクロマネジメントするためにあるなんて言語両断です。

日常的に顧客に接している営業は様々な情報に触れます。

競合が聞き出せていないような市場のニーズ、自社の独自の価値に対する顧客の生の反応、仮説ベースでは知り得なかった顧客の課題感。これらを議事録に残し、チームで揉み、コンテンツ化していきます。

議事録をもとにコンテンツを作るための情報交換ミーティングを社内で設定するのもおすすめです。情報交換ミーティングのために言語化が進みます。

そもそも営業パーソンは実践(商談)→言語化(議事録)回路がバキバキに強化されているのでコンテンツ作りには向いているはずなのです。

これは営業のモチベーション管理としても大いに役立ちます。自分の議事録からコンテンツが生まれると嬉しいですから。

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8. そのキッカケを営業が提供

独自の価値(社内)と顧客のニーズ(社外)をもとにメディア化。

会社やサービスの厚みを様々な切り口でコンテンツにしてメディア化する。

自社にフォーカスし独自の価値や潜在的な価値をコンテンツにする。顧客やマーケットにフォーカスし顧客からの情報をコンテンツにする。議事録で言語化し社内で共有することでコンテンツが生まれ続けるような循環を作る。

そして、コンテンツで待ち伏せして顧客がディグれるようにしておく。何かをキッカケにディグり出すとどんどんファンになってしまう。そのキッカケを営業が提供する。

さあ、競合に遅れをとらないためにメディア化を進めましょう。会社の価値をメディア化するプロジェクトは、営業が率先して働きかけることができるはずです。

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