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イキ(息・生き)苦しくなく仕事をする

仕事をしていくなかで、どの単位でも起き得る話として、「組織あるある」とそれを乗り越えていくための、そんなお話。
組織あるある話のなかでも、「もはや一定仕方がないんじゃないの!?」と割り切るしかないのではというような話ですが、これは、会社という単位でなくても、フリーランスであっても結局は外にこのコミュニケーションが発生しているため、わかりやすい例として会社の組織を例に、書いていきたいなと思います。

そして、ここが突破できている状態とそうでない状態では、何倍もサービスを進めていくことや事業の成長、個人・組織の精神衛生状態がはるかに良いということで、向き合ってみたいと思います。
*あえて色をつけて相対的にみているところもあり、「いやいやいや!全然違うでしょ!」とみえるところや、「何を知った口を」というところもあるかもしれませんがご容赦いただけますと幸いです。。。

超えられない部署の壁

世の中の90%以上の会社(調べたわけではないので、うちは違うよ!という場合は、是非勉強させてほしいです)で起きている、『部署間の調整』というものは、これほど不毛なことはありません。
第一営業部と第二営業部の理解不能な争いみたいなものは今回は触れずに進めたいと思いますが、パッと並べてみただけでも相当の調整が随所で発生をするなと思いました。

・営業 vs 管理
・営業 vs 開発
・営業 vs デザイナー
・開発 vs 管理
・営業開拓 vs 営業企画
・営業 vs マーケ
・管理 vs 管理
・BtoB vs BtoC
・既存事業 vs 新規事業
(書き出していくと無限にありそうでここらでやめてみる・・)

なぜ部署間で調整が必要になったり、その調整が難しいとされるのかについては、4つの理由があると思います。(どうでも良いですが3つか5つにしてみたかった・・)

・各部署によって目的も目線も異なる
当然すぎる話かもしれませんが、登るべき山は会社としてそりゃひとつでしょというのはとても簡単で、目下の目指すべきそれぞれのゴールが異なることは多々あります。

わかりやすい例でいうと、営業は売上を上げること、攻めることを目的としているのに対し、管理はコストを下げること、守ることを目的としていることが多いです。(もちろん、守備力の高い営業もいるし、事業マインド溢れた理解と攻撃力の高い管理もいます)
どちらも同じ、会社の利益を上げること、会社の存続を目指しているように見えますが、各論になるとだいたい揉めます。というか、だいたい営業がガサツすぎて管理の我慢の限界がきてキレられます笑

つまり、この壁を乗り越えるためには、各部署・個人のミッションを理解する前提がとてつもなく大切になってきます。

・部署に紐づく行動原理の違い
たとえば、営業は基本的には加点方式の文化にいるわけですから、ミスは無得点であって減点にならないことが多く、成果>ミスで捉えられることが多い世界だと思います。
*ミスが社内評価上マイナスにならないわけではない
*致命的なミスはそりゃヤバイ
*とはいえ銀行とかだとそもそも減点方式であるといったケースも多々ある

そんな世界にいて、パフォーマンスを発揮する人たちは、『アクセルを踏むこと』を得意としている人が傾向としては多くなりますし、世の多くの会社は営業は、社外(マーケットだったり、競業相手だったり、顧客だったり)と関わることが多いから『事業マインド』はもちろん、『変化への対応』に強くなる傾向にあると思います。
*もちろん、すべてがそうとは限らず、個人差は死ぬほどあります・・・

では管理サイドはどうかというと、基本的には減点方式の文化にいるわけですから、100点満点が基礎で、ミスは『あってはならないこと』として捉えることが多い世界だと思います。

そんな世界にいて、パフォーマンスを発揮する人たちは、『リスクに気づくこと』ができる人が傾向としては多くなりますし、どんなにイケイケムードであったとしても『立ち止まること』ができる人が多いように感じます。一方で、不確定要素に対して肯定的な見立てをして見守ることよりも、いかに不確定要素をなくしていくかに重きを置くことが多くなるはずです。
*営業への理解や事業を育てていくフェーズを見通せるとその限りではないですが、基本的には役割の話なので、管理がザルだとそれはそれでヤバいので組織には超重要。

各部署の目的に紐づく部分ではありますが、個人の行動原理や着想の出発地点が異なることを理解する必要があり、どれだけ『共通言語(理解)』を増やすことができるかが鍵となります。

・自領域以外の理解が乏しい
これは社内外にかかわらず、営業と開発やデザインとの関係でよくみられるシーンで、リテラシーが高くないと
「ここでこういう機能があったら良いですよね!こないだから手掛けてる改修と併せて最速でww」といった、
『だって思いついちゃったんだもん』的な正義をかざして、
全体像の設計やクリティカルな要素、工数などすべてを軽視した発言をしてみたり、
「オシャレでトレンドの半歩~一歩先で、でも親しみやすくてスッとくるかんじのデザインってかんじですかねーww」といった、
およそ要件定義もクソもない、何も言っていない依頼をしておきながら、
精一杯の塩梅を汲み取って出てきたデザインに対して、
「あーwww、、、そうじゃなくて、もうちょっとテイストはやわらかいかんじが良いかもですねー、、、何か、これ系で3パターンぐらい出ます??」と
『一番やってはいけない返し』を必ずといって良いほど選んでみたりと、何だか書いてると、
「これって、つまり営業が諸悪の根源じゃね?」と営業ド真ん中の自分の肩身がどんどん狭くなってきますが、、、でも当たらずとも遠からずといったところでしょうか。

つまり、自領域以外であっても、それぞれがどれだけ隣にある領域への理解を深めていくことが大事で、実際には、それ以上にあるべき配慮やリスペクトの部分が大きく、結論、『会話(相談・依頼)するレベルに自分が至っていない』ということを、理解する必要があります。

・部署のカラーによって個人の能力・個性の偏りがあること
最後に、これが一番超え得ない壁のひとつだと思っていて、部署の特性ひとつで個人に紐づくものを一括りにすることはどうかというところですが、やはり偏りがあるなぁと感じずにはいられないところがあります。

たとえば営業は(営業ばっかりでスミマセン)、その特性から、『コミュニケーション能力』が相対的に高い人が多く、同時に、コミュニケーションによる解決に頼っている傾向があると思います。よく言えば、不確定要素を遊びの部分として捉えてすり合わせることができる能力があり、悪く言うと、雑で、要件定義が不得手になりやすい。

たとえば開発は、コミュニケーションの対比でいうと必ずしも得意でない人が相対的に多くなりますが、じゃあ不確定要素をなくして要件定義されていれば何でも良いのかというと全くもってそうではなく、コミュニケーション以上に事業や業務の『文脈』を大事にしている傾向があると思います。「なぜそれをやるのか」という理解がないと、1+1以上のものは生まれてこない。
*もちろん、その前提に、「面白いかどうか」がないとお話にならないとかも一部ありますが・・

これは、実は自領域以外の理解を深めるためのチャンスにもなっていて、営業にとっては、人を介して自領域以外の理解を深め、開発にとっては、事業の背景を通して自領域以外の文脈を理解することに繋がり、各事業の目的や目線、行動原理を理解する源泉になります。
つまり、一番超え得ないであろう個人の思考の違いにこそ、『超えられない部署間の壁』を取り払うきっかけがあるのだろうなと、最近は特にひしひしと感じています。

フィードバックがもたらす恩恵

個人、役割、プロジェクト、部署、それぞれの違いによって、大なり小なり『壁』が存在しているなかで、それを取り払うのが、つまるところ自領域以外の理解の醸成と、紐づく配慮やリスペクトだというような話なわけですが、「まぁでもそれって理想論で、それができないから壁が存在して、部署間調整が大変だよねって話じゃん」という話になると元も子もないので、先に挙げた4つについて、どう乗り越えていくのか、というお話。

以前の投稿「lyと1dayとmapと。」で少しだけ触れたところですが、僕らは今、『ティール組織』のような運営をしていて、そこで重視しているのが、『map』と『フィードバック』です。

フィードバックと聞くと、個人の成果を評価する際の面談などでフィードバックが行われる姿を想像しますが、リクシィでは、評価とフィードバックを完全に分断しています。

そして、2ヶ月おきに、個人のミッションステートメント(map)を全員がそれぞれ開示し、同じく2ヶ月おきに、フィードバックを行うのですが、
このフィードバックは、自らが、「この人からフィードバックの声を聞きたい」と思う人を、1人でも10人でも自由に選ぶことができ、自身のmapに対してどう捉えているか、”あくまでポジティブに”フィードバックをしてもらいます。もちろんその逆もあるので、選ばれた人は、対象者のmapに対して、自らが見えている景色から”あくまでポジティブに”フィードバックを行います。これを1対1ではなく、対象者全員で行います。
*もちろん自分は「自領域の人からだけしか聞きたくない」でも良いですが、どの領域の人もレベルを数段上げようと思うと、遅かれ早かれこの問題(能力・理解)にぶつかるため、どこかでチャレンジすることになる

くどいようですが、あくまでポジティブに行うことを前提にしていますので、気づきを与える・もらう場として進めてみると、「あ、あの時スムーズにいかなかったのはそういう風に考えてたのね」とか、「こっちから見たときの意見だけど、こういうところができるとうち的には助かるなぁ」と、相互に意見が出る場となるので、調整とかではなく、理解と成長が得られるので、気がつくと壁が取り払われていて調整とかの次元じゃなくなっていた、というような流れが生まれだしています。

そもそも会社という枠組みがなくなっている世の中で。

今回、会社という括りにして述べてみましたが、逆に、この会社内に起きているあるあるは、『会社内だから救われていること』とも言えます。
冒頭にも触れましたが、外のパートナーや取引先との間には、当然、大きな隔たりがあり、もし「あれ、何か噛み合わないなぁ・・」となれば、それで終了です。不満があったら、もう次はないので、不満は続きませんが、仕事がなくなったり、良質なパートナーを失い続けるだけです。

会社という枠組みがなくなってきていて、フリーランス・個人事業主、副業(複業)といった時代になっていくなかで、リクシィでも、社員はまだ13人ですが、フリーランスの方との業務委託や複業でのパートナーシップを結んでいる方は20人ぐらいいます。

世に活躍されている方や、今ご一緒させていただいている方、身近にいる人たちを見たり、声を聞かせてもらっていると、(よく言われている話ではありますが)一見、自由に世界は広がっているように見えるも、『食べていくことだけ』はできたとしても、『好きなことをして生きていく』ことを実現できている人はまだまだ少ないというのは事実としてあります。

そして、その要素のひとつとして、自領域以外の理解の醸成や慮る能力の有無が明暗を分けているなぁと感じた次第です。

放っておいても会社という枠組みはどんどん曖昧に(ある種の境界線や不文律で守られていたものがなくなっていく)なっていきますが、息苦しくない生き方をするためにも、どれだけ自分の領域以外への理解を広げることが大切か、というお話でした。


(気づかないふりをしていたタイトル「●●と●●と」シリーズに飽きてしまった自分を許すことにしました)

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