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【観光】人はなぜ旅行するのか??

こんにちは。新小樽少年です。

毎回、観光学関連の記事を書いていると勉強になるな~と思う部分と、
これって何だろうと疑問に思う部分の2点が攻めてくるの、とても有意義な時間だと感じています。(変人?笑)

今回の記事では「人はなぜ旅行をするのか?」という問いを深く考えていこうと考えています。結論から言うと、明確な答えはありません。(笑)

しかしその旅行動機を考察したり、旅行の決定は社会・経済を含め大きく影響してきます。

様々な視点から観光学を研究し、当記事の最後では観光マーケティングに関わってくる、旅行者が旅行に求めるものついて少し触れようと考えています。

1.前回の記事

前回の記事では、海外旅行は夏シーズンに集中し、その観光ブームを刺激した要因を考察してきました。

とても反響があったみたいで嬉しかったです。まだ読んでいない方は、ぜひ読んでみてくださいね!!

2.理論的な観光動機

これを読んでいるあなたにとって観光はどのようなものでしょうか?

理由はいくつもあると思いますが、一般的に考えられる理由は以下のようになります。
・気分転換、リラックス、気晴らしのような現実世界からの逃避
・感動や出会い、アクティビティ、創造的表現を求めて旅行にでる

しかし最近はこのような理論的な考察にも変化が見られるようになってきています。それは「本能的に旅行をしたくなる」や「巡礼としての旅行」などといった観光動機の考察です。

3.観光動機研究の経験的アプローチ

何やら難しいそうだなと思った方いるかもしれません。
何が言いたいかと言うと、観光動機をヒアリングやアンケート調査をすること、つまり旅行者の経験に基づいて観光動機を考察することをいいます。

大学の卒業論文でもこのような研究手法を使う人は多いのではないでしょうか。(特に経済系や人文学系とか?)

ドイツの「休暇・観光研究協会」によると、やはり動機の上位には肉体的・精神的リラックスがランクインしています。

そしてこの動機の上に、体験志向だったり、家族や親和的動機などが重なってきます。つまり休養とリラックスが旅行動機の基本的土台となってくるということになります。

4.重要になってくる情報収集

旅行客にとって重要になってくるポイント、それは情報収集です。前回の記事ではドイツ人の50%近くが旅行代理店を利用していると述べました。ドイツ人では旅行代理店を通じて、自分好みの情報を集めます。

現代社会ではメディアの多様化により、情報源が多様化し、また大量に存在します。私もトリップアドバイザートリップノートといったメディアを利用しています。このようなインターネットサービスは休暇旅行者の65~75%が利用しています。非常に大きな影響力を持っていると言えます。

また大きな情報源として口コミがあります。これは親せきや知り合いから得た情報という意味になります。なんとドイツ人の70%近くはこの情報源を頼りにしているとのことです。私もこの情報を知った時、人と距離が近いドイツらしい結果だな~と思いました。(笑)

5.旅行決定のメカニズム

言い換えれば、旅行者の旅行意思決定メカニズムとも言えます。視点的には消費者がどのような意思決定をするのかという見方であっていると思います。

一般理論上の消費者の意思決定メカニズムを以下のように示しました。
1.過去の旅行経験を振り返る
2.情報を探す
3.好みとのマッチングや設備の特徴、機能的特性から選定


これはあくまで単純に説明したものです。実際はもっと複雑なものです。ドイツ人に特化して言えば以下のようになります。
1.旅行の時季と目的を決める。景観と天気が良いところが人気
2.旅行期間の決定
3.料金、宿泊施設、清潔さ、環境といった点から決定

ドイツ人の旅行傾向にはある程度の一定性がみられるみたいですが、今日の情報多様化社会、個人の経験が旅行の意思決定に大きく関与してくると思います。

6.観光市場を刺激する優秀な消費者

「旅行の民主化」がすすみ、1990年代ごろからドイツの観光市場は急速に拡大してきました。それゆえドイツ人消費者、旅行者の消費行動もより複雑になってきています。

①要望が多い
ドイツ人は世界第3位のアウトバウンド市場ということもあり、海外渡航経験が前提として多いとします。それゆえホテルやサービスの質は天秤にかけられがちです。

②価格に敏感
ドイツは財政黒字を何年も維持していますが、経済成長は著しいとは言い切れません。それゆえ国民が価格に反応するのも、仕方がないと言えます。

③付加価値を求める
既存のサービスや商品に対して、物理的また精神的付加価値を求める傾向があります。日本もどちらかというと、このような傾向がある気がします。
(このような傾向が生じる条件は何なのでしょうか?)

④マーケティング志向
観光商品が沢山ある世の中で、消費者が市場の透明性と安全性への要望も高まってきています。

⑤消費の標準化
消費者のブランド認識は狭くなってきており、フランチャイズ(マクドナルドのような)店が観光地の至る所で見られるようになっています。

このような消費者の志向の変化は観光市場を大きく刺激し発展させてきました。業界は消費者の需要の変化に対応しながら、より時宜を得たマーケティング戦略に対応する必要があるといえます。

7.まとめ

日常生活からの解放、休養・リラックスというのはドイツ人最大の観光動機と言えます。口コミを参考に旅行計画を立てたりする点は、人との交流を大切にするドイツ人らしさが出ていて、かわいいなと思いました。(笑)

またドイツでは観光産業にとどまらず、消費者の需要に対応するビジネススタイルでした。ドイツはインバウンド市場で世界8位です。(2018年)なので参考にする部分は大きいように思えます。

最後に、旅行に行く回数が多い人の特徴は何だろうかと疑問に思いました。口コミが旅行の重要な情報であるならば、親族や友人などが多い人ほど旅行が多くなるのだろうか。それとも旅行の回数が多いから友人が増えていくのかのような疑問です。気になります(笑)

次回は「観光者層と市場区分」について取り上げようと思います!

新小樽少年 


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