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頭のいい人が話す前に考えていること~「青と白の服、どっちがいい?」と聞かれた時の回答


・いわゆるビジネス書にカテゴライズされるけれど、ビジネスマンのみならず少しでもコミュニケーションに苦手意識を感じている方には有益な一冊
・頭がよく見えるようにするにはどうしたら良いか、というよりも会話する際に気をつけるべきことが網羅的に触れられている
・より深く相手を理解したい人、賢いと見られて信頼を勝ち取りたい人におすすめ



世にあるコミュニケーション本を見ると、アドバイスをせずにちゃんと聞きましょう、とか、結論から話しましょう、とか、ほぼ主張されている内容は収斂してきている印象です。
確かに、それらをtipsとして記憶していて実行に移すことでコミュニケーションが円滑にいく部分もあるかもしれませんし、そういったシンプルなアドバイスにしたがって少しでも生活が良い方向にいくのであれば、それに越したことはないと思います。(一部、そう言った軽いtipsなり生活をHackすることを軽視する人もいるような感じもしますが、個人としては人生が少しでも良い方向に向かうのであれば、なんでも飲み込んでしまえばいい!と思っています)

大きくくくると、ビジネス書・コミュニケーション本にカテゴライズされる本書ですが、コミュニケーションに何かしらの課題を抱えている人全員に有益な内容です。特に、印象的だった部分の一冊。

「この青い服と白い服、どっちがいいと思う?」という質問にどう答えるか?

多くの観点から、より深く考えて会話ができるようになるには?ということに触れられている本書ですが、その中でも、頭のいい会話ができているか?のリトマス試験紙になるのがこの質問。

みなさん、仮に奥さん、旦那さん、友人にこう聞かれたらどう答えますか?
ちょっと考えてみてください。

結構な割合の人が、
・自分の好みで選ぶ(直感)
・相手に似合いそうな服を選択してあげる
・どんな場面で使えばいいのかを聞き、それに合ってると思う方を答える
といったところかと。
下に行くほど、「良い」回答ではあるのですが、著者の安達さんが述べている模範解答は
「白と青、それぞれ、どこがいいと思ったの?」
というもの。

質問し返す理由

というのも、上で触れたイマイチ回答と模範回答、何が違うのか。それは、相手のことを考えているかにつきます。
本書では、話す際の黄金法則が7つまとめられており、その中の1つは

人はちゃんと考えてくれてる人を信頼する

というもの。文字にすると、何を当たり前のことを、と思ってしまいますが本当にこれができてる人は自分の体感でもそんなに多くない気がしますし、確かにこういう人には好意を持ったり信頼感があったりだなぁというのは納得です。

対人関係における会話を4つに区分すると
①相手の内面
②相手の外面(発言なり表情なり表に出てくるもの)
③自分の内面
④自分の外面
に分けられますが、要は①に着目すべきということです。
上のイマイチ解答は②だけ表面的に捉えてレスポンスしてしまっているのに対し、模範解答は②をきっかけに①を知ろうとする姿勢が窺えます。①を知ろうとすること=考えてくれてること なので好意なり信頼感につながるわけですね。

以前読んだ心理学の本にも、コミニュケーションでは相手の感情・気持ちを汲み取ることに専心すれば(①)うまくいきますよと言ったアドバイスが書かれていて、本質的には同じことを言っているのかと思います。

自分の身に置き換えてみても、口の良い悪い、言い方は千差万別だとしても
・ここまでするのに苦労したな
 → 仕事の成果(②)を経由して①に考えを巡らせてくれている
・言われてみて、ちょっと自分も考えてみたんだけど
 →  自分が相談していた課題を考えてくれているとわかった瞬間
ということを言ってくれる相手には自然と心ひかれる部分があります。

自分はいわゆる大企業に勤めておりますが、役員さんまで書類を上覧するときに、人によっては付箋と付けて返却してくれて
・いつもご苦労様です。
・大変わかりやすかったです。よろしくお願いします。
と言った、挨拶のような一言を付けてくれる方もいます。

もしかしたら人身掌握的にやっている部分もあるのかもしれませんが、そういうメモに対して、「人間ができてるな〜」とか「この人のためにもっと頑張りたいな〜」と思えるのは、突き詰めると①に少しでも踏み込んでくれているから、なのかもしれません。
※ 多忙な役員さんで時間がない中、わざわざそんなことを手間をかけてしてくれているというプレミアもついているかもしれません

いつも100%で相手の気持ちに寄り添うのは疲れてしまいますし、自分に余裕がないとできないことかもしれませんが
”相手のことを考えてあげる”
ことを少しずつでも習慣化していけば、人生も良い方向に変わる、かも。

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