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(レビュー)最高の勉強法/安川康介

なんとか法、なんとか術(読書術、勉強法、ノート術)という言葉に弱い私。
思い返すと、中学校くらいから和田秀樹さんの受験勉強法の書籍を読み、メソッドを確立していたような記憶があります。

メソッドのマニアになるのは本末転倒ですが、リスキリング・学び直しなんて言葉がよく聞かれる現在、効率的に学びある程度のレベルまで素早く到達できるスキルというのは今後ますます重要になってくると思います。

本書も、タイトルに惹かれて思わず手に取ってしまった(完全に売り手の手のひらで転がされている)一冊。
ちょっと安っぽいタイトルなのが気になるところですが、100を超える参考文献から、著者が効果の高い勉強法を解説してくれる骨太な一冊でした。医師として働きながら実際に高い学術成績を収めていたり、そう言った面でも説得力のある一冊でした。
もし仮に自分が誰かから勉強の仕方がわからずに困っていると相談を受けたならば、本書を紹介すると思います。それくらいの一冊。

常識から抜け出すべし

・マーカーで重要な箇所を塗る
・赤線をひく
・ノートにまとめる
・何度も読む
自分の高校時代を思い返すと、全部、効果ありだと思ってやってたこと。
残念ながら、これらは無駄とは言いませんが、効果が薄いとされている勉強法だそう。
もっと早く教えてくれれば大学受験も楽だったかもしれないのに・・・

社会人になり、周りを見ていると流石に学生時代の時のように教科書を一生懸命読んでノートにまとめる、なんてことをしてる人は見なくなりましたが、ハイライトしたりという方は結構いるように思います。
ちなみに、効果が薄いといえど、それは勉強という観点であって、たとえば後から見直すようにハイライトするなどは除いています。
実際に著者もハイライトして文章を読むことがあるそう。

効果が高い勉強法2つ

結論を先に言いますと

1 アクティブリコール
2 分散学習

の2つの要素を勉強に取り入れるというのが現在の科学から導かれる効果の高い勉強法だそう。
両方とも、聞きなれない言葉ですよね。

アクティブリコールとは

アクティブは能動的に、リコールとは思いだす、という意味でそれらを連ねて、勉強中に学習した内容を想起する期間を頻繁に設けましょう!というのが主張の趣旨。
多くの方は、問題集や演習問題を解く数学などは別にして、勉強イコールインプットの作業のように認識されている方が多いのではないかと思います。

自分も勉強、というと真っ先に思い浮かぶのは教科書やテキストを読み込むという行為。
そうではなくて、もし勉強効率を上げるのであればインプットした内容を吐き出すようにする必要があるということですね。

これ、実際にやってみるとわかると思いますが結構苦しいですし、思ったように思い出せないとヤキモキ、イライラしますし、自分の記憶力の無さに愕然とします。
言い換えると、その不快感を通して身についているということでしょうか。
言われてみると、自分が悔しい思いをしたり、苦しかったことって鮮明に記憶されますもんねぇ・・・もしかしたら、この勉強法の効果が高いのはそういった感情面での動きも関連しているのかもしれませんね。

分散学習とは

こちらは、ある程度字面から予想できるかもしれません。
文字通り、時間を分散して何度も学習しましょうということです。

自分たちが高校生だった20年も前は、帰ったら即復習せよ!みたいなことがまことしやかに言われていました。
しかし、学習効率という観点からは、即日の復習も良いけれど、期間をおいて何度も復習することが大事だそう。

ちなみに、どれくらいの頻度を空けるのが最も効率的かという点については、まだ議論があるらしく、確定的なことは言えないそうなので、現状は内容と自分の学習スタイルに合わせてある程度の間隔を空けて勉強するというのが良さそうですね。

なんか、勉強に対し漠然と一直線でゴールに到達するようなイメージを持ってしまいがちですが、実際は階段を3段上がって2段下がって、また3段上がって・・・というイメージの方が適切なのかもしれませんね。

受験勉強に限らず、ライフワークとして何かの学習に取り組む方万人におすすめの一冊です。

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