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日本酒漫画に気付かされた仕事で大切なこと〜蔵人/尾瀬あきら

「夏子の酒」で有名な尾瀬あきらさんの書いた日本酒漫画。
尾瀬さんの漫画は、ド派手な演出があったり、作画がめちゃくちゃ上手なわけではないかもしれませんが(失礼)大事なことを静かに教えてくれる。
そんな印象がある漫画家さんです。

本作も、夏子の酒と同様日本酒を軸にした作品。
日系3世のクロードが、叔母に見せてもらった写真と話を信じ、日本に来るところから話がスタート。
日本に来て、ナツと出会い、徐々に日本酒沼にハマっていく・・・というストーリーです。
雑学的に日本酒の製造工程の知識も得られるのは雑学好きには嬉しいところ。

好きになるところからスタート

ナツは「あやか」という父親が立ち上げた居酒屋で母親と二人、働いています。
でも、そもそも自分が始めた店でもないし、そんなに日本酒が好きなわけでもない。自ずと、接客にも身が入りません。

そんな日々を過ごし、「あやか」の人気も低迷している頃、一人のお客さんが店を訪れます。そして、体調が悪いと言っているお客さんに冷たい飲み物を出したりと言った働く姿勢を咎められたナツ。

彼女は持ち前の粘り強さで自分の仕事に対する姿勢の見直し、さらに「あやか」の立て直しに向け、本気で取り組み始めます。

わかるから、好きになる

彼女は、人気になっている居酒屋さんを訪れて繁盛のエッセンスを直に感じたり、旦那が酒屋を営んでいるという奥さんの日本酒に対する造詣の深さに胸を打たれ、徐々に仕事に向き合う姿勢が変わっていきます。
好きじゃなかった日本酒も、微妙な温度の違いで味が変わり、どう言ったタイミングで飲むと良いのかということまで研究し出す始末。
徐々に店には客足が戻り・・・となりますが、漫画のストーリーはここでは置いておきます。

自分がここで主張したいのは、何かを本気で突き詰めようとした場合には「好きになるための努力」が必要なのではないかということです。

現在、会社でも人事や採用に携わって、特に退職する若い方に感じる危機感というか懸念としては、「自分に適した職探しをくじ引きみたいに思ってないか」ということ。
今、Aという会社に就職したらなんか想像と違った、面白くなかった、他にやりたいことができた。だからBという会社・業種に転職する。
理屈としては理解できないでもないですが、これ、Aという会社で

・自分はどういうことがしたくて入ったけど、どういう風に想像と違ったのか
・具体的な不満はなんなのか
・どうすれば不満は解消できるのか

と言ったところをある程度深掘りしないと、次の会社に移っても、「ハズレくじ」を引いた場合にはまた転職・・というのを繰り返す可能性が大いにあります。

やめる辞めないの2言論ではなく、もしかしたら自分の会社内での部署異動や大群改善を求める働きかけがいちばんの解決策、というケースもあるかもしれません。

その際にナツのとった行動は一つ参考になるかもしれません。
コピー取りといった単純作業でも、工夫の余地は数限りなくあるし、依頼してくれた人のことをよく考えてアクションすれば、「次もあの人に」となるかもしれない。
究極は、そんなことの積み重ねが仕事なのかもしれませんよね。

まさか、日本酒漫画を読んでこんなことに思いを馳せるとは・・というところですが、漫画自体も面白いのでお勧めですw

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