Jun Okumura

50代会社員。 ロンドン(1994-2003)、ニューヨーク(2014-2018)駐在…

Jun Okumura

50代会社員。 ロンドン(1994-2003)、ニューヨーク(2014-2018)駐在経験あり。 ここに、自ら関心あることを整理してみる。

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    2014-2018年にニューヨーク駐在。 その時に感じたことのMemoir。 目標50話。

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芥川龍之介展@日本近代文学館

日本近代文学館で開催中の「芥川龍之介展」に行く。 そして、展覧会記念イベント「旧蔵書に見る「知」の宇宙」を聴講。 鼎談: 庄司達也(本展編集委員・横浜市立大学教授) 小澤 純(慶應義塾志木高等学校教諭) 澤西祐典(作家・龍谷大学准教授)日時:4月13日(土) 14:00~15:30 於:日本近代文学館 講堂 芥川龍之介については、彼が「知の巨人」であったことにも関心がある。 今回の近代文学館の展覧会は、それを知るに絶好の機会でもあった。 「知の巨人」とはいえ、彼が自殺した

    • 2024年米大統領選の行方(5)

      ニューヨーク駐在したことが、アメリカの政治に深く関心を持つきっかけになったことは間違いない。 というのも、自分がニューヨークに駐在していた時期は2014年~2018年、まさに2016年大統領選、トランプショックを目の当たりにしているからだ。 海外駐在を意義あるものにする秘訣について幾つかのTipsがあるのだが、「政治」に関心を持つことはそのひとつだと思う。 他国で「政治」や「宗教」を扱う、論じることは、より神経を使う必要があるのだが、それには基礎的な知識、理解が不可欠だ。

      • 「記憶」について

        記憶は自分にとって、どこかで気になるテーマ。 例えば、以前、本を読んでも内容を忘れてしまって、同じ本を二度買ってしまうことがあった。 自分の知的欲求を満たすために本を読んでいるにもかかわらず、砂が手からすり落ちていくかのごとく、それが失われていくような絶望感。 そんなこともあり、読書であれば、2008年から”ブクログ”、映画であれば、2016年から”Filmarks”を利用し、感想をアプリに残すようにしている。 少しでもコメント入れると意外と記憶に残るもの。 ”ブクログ”は

        • 森鷗外論:日本文学史(ドナルド・キーン)から その②

          その①の続き。 諦念(resignation)鷗外を理解する際に外せない概念が「諦念」。英語ではresignation。 この概念を理解するためには、「妄想」、「かのように」は必読だ。 この諦念という解釈をずっと考えているのだが、積極的に捉えるか、消極的に捉えるか、で意味が変わってくるような気がする。 消極的に捉えること:鷗外は陸軍という極めて保守的な組織の中枢にあり、山縣有朋の庇護を受け出世してきたことは事実である。 そして、その地位は守りたいので、大っぴらな抵抗ではな

        芥川龍之介展@日本近代文学館

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          森鷗外論:日本文学史(ドナルド・キーン)から その①

          加藤周一著の「日本文学史序説」と同様、今回はドナルド・キーン著の「日本文学史」から森鷗外に関する評論の中で自分として押さえておきたいポイントを取り上げてみたい。(二回に分ける) ドナルド・キーン著の「日本文学史」は古代・近世から現代まで全18巻。 今回読んだのは、近代・現代篇二巻。 「日本文学史」の特徴としては、作家の全般的な評論に加え、主要な作品の書評が紹介させていること。従って、それら作品を読んでいれば、理解が深まるし、読んでいなければ、消化不良に終わってしまう。 つ

          森鷗外論:日本文学史(ドナルド・キーン)から その①

          インド「カースト制度」から考えてみた

          「ダッバーワーラー(お弁当配達人)」とは? 「めぐり逢わせのお弁当」というインド映画(2013年)がある。 自分が好きな俳優イルファン・カーン主演の作品。 大人の淡いラブストーリー映画としてもいいのだが、ここでは、その映画に登場する「ダッバーワーラー(お弁当配達人)」という興味深い職業から始めたい。 「ダッバーワーラー(お弁当配達人)」は、簡単にいうと、家庭の弁当を職場に届け、食べ終わると、それをまた家庭に運ぶという人達。 そのボリューム(2015年の記事をみると毎日

          インド「カースト制度」から考えてみた

          森鷗外論:日本文学史序説(加藤周一)から

          近代小説に関心があるのだけれども、どの作家、どの本を読んでいいのか迷うことがある。一日24時間、本が好きといっても限られた時間で何を読むべきか。(読みたい、というよりも読むべきか) そんな時に重宝しているのが、加藤周一著の「日本文学史序説」。 これだけコンパクトにエッセンスを凝縮できるのは、膨大な知識の裏付けがなければできない。名著。 森鷗外について論ずる本は多くあるが、このような文学史に紹介される鷗外論こそ、コンパクトにエッセンスが纏まっているのではないかと思う。 日本

          森鷗外論:日本文学史序説(加藤周一)から

          特別展「和食(Washoku)」

          国立科学博物館で開催されている特別展「和食(Washoku)」へ行く。 海外生活が長かったこともあり「和食」については思い入れもあり、以下、「和食」について整理しておきたい。 海外から見た「和食」とは?ユネスコ無形文化遺産 「和食」は2013年にユネスコ無形文化遺産に選ばれている。 その趣旨を読んでみると、「和食」というものが、単に「食べモノ」だけでなく、自然との調和、文化、生活とも密接に関係していることがわかる。 Anthony Bourdainと和食 今は亡き、ア

          特別展「和食(Washoku)」

          ストレスとは?

          ストレスの由来とは? 現在社会で生活する上ではストレスは避けて通れない。 ただ、その理由が明らかになれば、少なくともそれを減じることはできる。 Amazonの創業者であるJeff Bezosのインタビューが興味深い。 自分なりに、Bezosの言葉を意識しておきたいこととして表現してみる。(日頃の、ちょっとした行いの修正で、ストレスを抑制することができる) ①重要なポイントはストレスの原因はコントロールできることにある、ということ。つまり、実現不可能なことにストレスは感

          ストレスとは?

          2023年に起こった注目すべきこととは?

          The New York Timesが、2023年に起こったことで、将来振り返った時に「Turning Point」となるだろう事柄を20選んでいる。 実に日本に関係することが3つも選ばれているけれども、これらは日本国内では意外と注目度が低いかもしれない。 日本の10人に1人は80歳以上=人口統計 オスのマウスのiPS細胞で卵子 子ども誕生 大阪大学など 世界初 雲水の野外観測で初めてマイクロプラスチックの存在を実証

          2023年に起こった注目すべきこととは?

          「舞姫」森鷗外

          森鷗外の作品で好きな作品を幾つか上げよ、といわれれば「舞姫」を間違いなくあげるだろう。 それは自分自身が海外に長く駐在し、主人公太田豊太郎の状況を重ね合わせて、思い浮かべることができるからだと思う。 ちなみに、「舞姫」は高校の教科書で取り上げらている、ということだが、それについては全く記憶、認識がない。きっと、その時に読んでも、全く共感性は得られなかったに違いないのは、上記の理由と後述する歴史認識の欠如にあると思う。 「舞姫」は、ドイツ三部作の初作、且つ鷗外のデビュー作でも

          「舞姫」森鷗外

          The Beatles my Top 10 …so far

          音楽を聴き始めたきっかけは、小学校高学年頃だろうか、The Beatles。 今でも思い出す、叔父の家に行ったときに聴いた最初のLP「Let it be」。 それ以降、自分の音楽の中心にあるのがThe Beatles。 そんなThe BeatlesのMy Top 10を上げてみた。 きっと、変わることもあるかもしれないが。 as of 2023 Nov. ちなみに、The Beatlesの曲のランキングで有名なのがRolling Stones誌のTop100。重なったのは2

          The Beatles my Top 10 …so far

          インド映画音楽

          好きなインド映画挿入歌トップ10 as of Nov 2023 今後、変わっていくと思うけれども。 ちなみに、いずれの映画も観ている。 どれも好い映画だが、映画の良否でなく、純粋に音楽の良さで選んでみた。 "World Dance Medley"Happy New Year ”Pehli Baar”Dil Dhadakne Do ”Sarvam Thaala Mayam”Sarvam Thaala Mayam/Madras Beats ”Arabic Kuthu”B

          インド映画音楽

          「渋江抽斎」森鷗外

          森鷗外は、人生の最後に「史伝」作品群を残し、その中でも最も知られている作品が「渋江抽斎」だ。 ”史実を淡々と述べていて無味乾燥である”、という評もあるようだが、自分は、鷗外の作品の中でも多いに関心を抱く作品のひとつだ。 鷗外は、「舞姫」から始まり、その作風の変遷が特徴的だが、日本の近代化という大きな変革の中に体制側に身を置き、最後、「史伝」に辿り着いたことは、説明がつくような気がする。 ひとつのキーワードが考証学。 渋江抽斎も考証家であり、鷗外が自らを渋江抽斎に見立ててい

          「渋江抽斎」森鷗外

          住宅環境(4)

          NYでは、Westchester Countyに住んでいた。 Countyというのは、東京でいえば区にあるもの。 その上が州で都道府県にあたる。 NY州はカナダ国境と接していて、とても広い。 NYというとマンハッタンを思い浮かべることが多いけれども、NY州という意味ではマンハッタンはそのごく一部だ。 NYというのは多様民族が共存しているけれども、同じ人種毎が気持ち悪い位、分離されて生活している。 気持ち悪い、という意味は、別に決まりやルールがあるわけではなく、自発的、阿吽の

          住宅環境(4)

          共存するということ(3)

          上の写真はLower Manhattanにあるウクライナ博物館。 当時、入った時には閑散としていたが、今ではどうなのだろう。 多くの観光客が訪れているのではないだろうか。 ちなみに、この周辺にはウクライナ料理を楽しめるレストランもある。 NYには様々な民族の人が集まっていて、祖先の多くは何らかの理由で祖国から逃れてきた人々だ。 宗教の迫害、貧窮、政治的な抑圧等々。このことがNYを他のいかなる都市にも形容できないユニークな街を作り上げている。 ユダヤ人が典型かもしれないが

          共存するということ(3)