見出し画像

難関大学受験の「小論文」のレベルは? 慶應SFCの小論文の過去問ってどうなん??


✒難関大学の「小論文」のレベルは?

難関大学の入試における小論文は、学生の読解力、思考力、そして論述力を試す重要な要素です。これらの能力は、大学での学びや将来の研究活動において不可欠な基礎力とされています。特に、東京大学や京都大学などの最難関大学では、小論文は入試の中でも特に重要視されています。

小論文の評価基準は、単に知識の量だけでなく、与えられたテーマに対する深い理解と、それを論理的に展開し、説得力のある文章で表現できるかどうかにあります。これは、学生が高校までに培った学習内容を大学での学びに活かし、社会で役立てる能力を見極めるためのものです。

近年、AO入試や推薦入試など、多様な入試方法が増えてきており、それらの入試では小論文が課されることが多くなっています。また、一般入試においても、小論文が毎年課されている大学や学部が存在します。そのため、志望する大学や学部によっては、小論文対策が必要となる場合があります。

小論文の勉強法としては、模範的な評論文の精読や、評論文の要約、実際に小論文を書く練習が推奨されています。これにより、文章の構成や論理的な展開の仕方を学び、自分の意見を効果的に伝える力を養うことができます。また、参考書を用いた独学や、過去問題集を使った演習も有効です。

難関大学の小論文対策には、書き方だけでなく、頻出テーマに関する知識も重要です。特に医学部系の小論文では、理科的な背景知識が求められることがあります。そのため、普段から関連する新聞記事や専門書に触れ、興味・関心を高めておくことが推奨されています。

大学入試改革に伴い、小論文の出題傾向にも変化が見られます。思考力・判断力・表現力を重視する傾向が強まっており、総合型選抜や学校推薦型選抜では、小論文が出題される割合が増加しています。これは、社会で求められる力と大学入試で求められる力の結びつきが強まっていることを示しています。

以上のことから、難関大学の小論文のレベルは高く、多角的な思考と表現力が求められることが分かります。受験生は、これらの能力を磨くために、日々の学習と実践を重ねることが重要です。また、志望する大学の入試動向に注意を払い、適切な対策を講じることが成功への鍵となるでしょう。

小論文を書く際には、これらの点を意識しながら、自分の考えを明確にし、論理的に構成された文章を作成することが求められます。難関大学の小論文対策としては、これらの設問タイプに慣れ、多読多書を通じて読解力と表現力を高めることが有効です。

また、実際の過去問題や模擬試験を解くことで、試験の形式や求められるレベルに慣れることも重要です。難関大学を目指す受験生にとって、小論文は自己表現の場であり、自分の能力を証明するチャンスでもあります。しっかりと準備をして、そのチャレンジを成功させましょう。

✒東京大学の小論文のテーマと理想的な解答例

東京大学の入試における小論文は、受験生の思考力、表現力、そして知識の深さを測る重要な試験要素です。過去数年間のテーマを見ると、社会的な問題や現代の技術進歩、政治的な議題など、多岐にわたるトピックが出題されています。例えば、2021年度の文科一類では「悪法も法」という法格言について、また理科一類では科学的事象の単純化がどのように深い説明につながるかについて考察を求められました。

理想的な解答例を作成するには、まず出題されたテーマに対する深い理解が必要です。その上で、自分の意見を明確にし、論理的な根拠を持って展開することが求められます。また、反対意見や異なる視点も考慮に入れ、バランスの取れた議論を展開することが重要です。小論文は、ただ自分の意見を述べるだけでなく、読み手を納得させるための説得力が必要とされます。

例文集や過去問の分析を通じて、効果的な書き方や論点の整理方法を学ぶことも有効です。インターネット上には、小論文の書き方を解説したリソースや、実際の例文が公開されているサイトもありますので、これらを参考にすると良いでしょう。

東京大学の小論文では、単に知識を問うのではなく、その知識をどのように活用し、自分の考えをどのように組み立てるかが評価されます。したがって、日頃から幅広い読書を行い、様々なテーマについて自分なりの考えを持つことが、小論文対策としては効果的です。

最後に、小論文は練習を重ねることで書き方が向上します。模擬試験や過去問を利用して、実際に手を動かし、自分の考えを文章にする練習を積むことが大切です。東京大学の公式ウェブサイトにも過去の試験問題及び解答例が公開されていますので、これらを活用して実践的なトレーニングを行うことをお勧めします。

小論文は、自分の思考を言葉にする訓練の場でもあります。東京大学の小論文対策を通じて、自分の考えを論理的に、かつ魅力的に表現する力を身につけましょう。

✒慶應義塾大学SFC 総合政策学部 2023年 小論文出題された問題と 解答例


✒問1

文章1〜4のうち、少なくとも3つに具体的に言及し、大学での学びについて重要だと考えるものについて600文字以内で論ぜよ。それぞれの文章の内容に賛成する必要はない。批判的検討は常に重要であり、反論も歓迎される。問1の冒頭の欄に直接言及する文章の番号を必ず記入すること。


議論の整理……1〜4のうち3つに「具体的に」言及(120字程度)


  • J,S,ミル 大学教育(19世紀の英国)

……彼の時代と今日ではすべてが異なったのだろうか。あるいは今日でも通用する要素があるのだろうか。


  • 経団連 大学教育への経済界としての要望をまとめた報告書(2022年日本)

…… ミルの議論とどのような共通点、相違点があるだろうか。

  • 哲学者 ショーペンハウアー (19世紀始め〜半ば・ドイツ)

……読書とは「自分でものを考えずに、代わりに他人に考えてもらうこと」

  • 文学者で精神分析の専門家 バイヤール(1950年代生まれ・フランス)

……読書に関する「偽善的態度」をあぶり出している

…… 学びの一つの柱となる読書と、その背後にある「知」の問題について、独自の支店で論じる。読書や「知」の重要を踏まえつつも、それらの無条件な礼賛ではない。

…… これまでに読んでいない本について「読んだふり」をしたことはなかっただろうか。それは、知的であるように見られたかったからだろうか。人はなぜ、知的であるとおもわれたいのか。あるいはそうでない人もいるのだろうか。いるとしたらなぜだろうか。人はなぜ、知的であると思われたいのか。あるいはそうでない人もいるのだろうか。いるとしたらなぜだろうか。そこに社会の何を見出すのか。政策を考える際に留意することはないか。

✒問1 解答例

文章1でJ.S,ミルは大学の目的を職業人を養成することではなく、有能で教養ある人間を育成することにあるとした。

一方、文章2で経団連は、大学の教育面の役割は、社会の中核で活躍する人材を育成・輩出することにあるとした。

また、文章3でショーペンハウアーは、読書するとは、自分でものを考えずに代わりに他人に考えてもらうことだとした。

これを文章1の立場から考えると、読書するとは、高度な知識を理解する上での一般的知識を身につける営みであり、資料2の立場から考えると、読書するとは新しい時代のニーズを捉えるために必要不可欠な営みとなる。

文章1でJ.S,ミルは大学の目的を職業人を養成することではなく、有能で教養ある人間を育成することにあるとした。

一方、文章2で経団連は、大学の教育面の役割は、社会の中核で活躍する人材を育成・輩出することにあるとした。

また、文章3でショーペンハウアーは、読書するとは、自分でものを考えずに代わりに他人に考えてもらうことだとした。

ここで、資料2の立場から資料3の内容を捉えたときに、新しい時代のニーズを捉えるための読書、というあり方が浮かぶが、こうした読書のあり方が新しい技術の開発にもたらす弊害について考えたい。

ここで、資料2では「人々は、年がら年中最新刊ばかり読み、一方書き手の考えは堂々巡りし、狭い世界にとどまる。こうして時代はますます深く、自ら作り出したぬかるみにはまっていく」とある。

この記述を具体的に落とし込むと、現在の日本の大学では最新の技術にキャッチアップすることに汲々としており、新しいアイディアが生み出されていない。

一方で、真にイノベーションにあふれる大学においては、最新技術のキャッチアップばかりではなく、むしろ芸術や古典などを幅広く学ぶことで、新たなイノベーションが起きていくものだと考えられる。

大学での学びにおいてもまた、現状の研究からのジャンプアップを実現するものは、現在の科学技術とは距離がある幅広い教養であると私は考える。
(579文字)


問2

文章1〜4を踏まえ

  •  問2の冒頭の欄に、社会における「知」として最も重要だと考える要素や役割を簡潔に示せ

[ 中庸 ]

  •  そのうえで、今日の世界における「政策」-日本でも海外でも良い-の具体的事例を2つ挙げ、(ア)で示した「知」がどのように生かされているか、あるいは活かされていないかを含め、800文字以内で論ぜよ。その際に、文章3ないし4(あるいは両方)に具体的に言及することが望ましい。


✒問2 解答例

文章4では、人々が読んでいない本についてさも読んだかのように振る舞う理由として、読書義務、通読義務、本を語ることに関する規範の3点を挙げている。

ここで、今日の世界における政策、特に人口政策としては中国の一人っ子政策と日本の少子高齢化対策が、こうした本を読んでいないにも関わらずさも読んでいるように見せかける人々によるものであり、かつこれらの政策立案においては「中庸」という「知」が活かされていないということについて論じていきたい。

まず、中国の一人っ子政策については、人口が爆発すると食糧生産が追いつかなくなり社会が不安定化するため子供の出産を一人までに絞るという政策だが、こうした懸念はマルサスの「人口論」の時代から叫ばれてきたものの、人口の拡大よりも農業技術の発展のほうがスピードが早く、かつ公的な福祉が発展した先進国では子育ての費用対効果が悪く自然に出生率が下がるため、マルサスの懸念は実現しなかった。

中国の政策はこうした先例を無視して行われた極端な政策であり、「中庸」という知を活かせていない上に、読んでない本を読んだと言い張る式の官僚の無謬性を守ろうとしたがためにその誤りを修正するのが遅れた官僚政治の例といえる。

一方で、日本の少子高齢化対策については、そもそも高齢者とは相対的な概念であり、年齢の中央値が50歳である日本社会では60歳以上を高齢者として遇することはできないという年金制度発足当初の人口動態と現在の人口動態の比較を無視した政策であるといえる。

そもそも周りの人が働いているから働く、という働くことに対する自らの職業観の欠如が、60歳以上は退職して年金を与えるという無謀な政策につながっており、これが現在の日本の財政の苦境をもたらしている。これもまた同様の官僚政治の例といえる。

(753文字)

✒日本の大学入試における小論文の役割と出題傾向

日本の大学入試において、小論文は多くの大学で重要な評価材料として採用されています。小論文は、受験生の論理的思考力、表現力、そして時には専門知識を測るための手段となります。東京大学だけでなく、国公立大学や私立大学を問わず、多様な学部や学科で小論文が出題されることがあります。

国公立大学では、文系から理系まで幅広い分野で小論文が課されることがあり、出題テーマも多岐にわたります。一方、私立大学では、特に文系学部において小論文が出題される傾向が強いですが、医学部や芸術学部など、特定の専門性を要する学部でも小論文を要求する場合があります。

小論文の出題テーマは、社会的な問題、文化、科学技術の進歩、倫理的な議論など、現代社会における幅広いトピックを反映しています。これにより、受験生は自らの考えを論理的に構築し、それを明確に表現する能力を試されます。また、小論文は、受験生が社会に出てからも必要とされる批判的思考力やコミュニケーション能力の基礎を測る指標となっています。

小論文の準備としては、日頃からの読書やニュースへの関心を持つことが重要です。さまざまな情報に触れ、それに対する自分なりの意見を持つことで、小論文で求められる「自分の言葉で考えを表現する」力を養うことができます。また、過去問題を解くことで、出題傾向を把握し、時間内に論文を完成させる訓練を積むことも有効です。

小論文は、ただ知識を問うだけでなく、その知識をどのように活用し、自分の考えをどのように組み立てるかを評価するためのものです。したがって、小論文対策としては、幅広い知識を身につけることはもちろん、それをどのように使って議論を展開するかを考えることが求められます。

最後に、小論文は、自分の思考を言葉にする訓練の場でもあります。日本の大学入試における小論文対策を通じて、自分の考えを論理的に、かつ魅力的に表現する力を身につけましょう。過去問題集のダウンロードは、各大学の公式ウェブサイトや関連する教育サイトから行うことができます。頑張ってください!

最後までお読みくださり、ありがとうございました。よかったらぜひ、スキやフォローをお願いします😊

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?