見出し画像

母と出張

連休中、母と姉と数年ぶりに一緒に出掛けた。
実家に戻り話してると、僕が高校生くらいの頃が一番仕事が忙しく、出張とか大変だったと母が懐かしい話をしだした。

僕もその頃のことを覚えてる。
高校2年の今くらいの時期の月曜日。
22時を過ぎても母が帰ってこないので遅いって、言ってたかな?と思っていると電話がかかって来て、

「ああ、どう?やれてる?」

母の第一声だった。
やれてる?って、どういうこと?と思いながら、帰りは何時頃か訊くと、

「あれ?言ってなかった?お母さん、今日から1週間、京都出張よ」

聞いてない。
何、言ってんだ。こいつと思った後に思ったのが、

財布に2,000円しかないこと。
1週間3食分の食費をこれで賄うのは無理だと母に言うと、

「お姉ちゃんに1万円渡してるから、それで2人で凌いで」
『そのお姉ちゃんもまだ帰って来てないんですが』
「お姉ちゃんなら、隣にいるけど電話代わる?」

と、言われた。
後で聞いたら、母が京都に行くと聞いた姉は今の季節の京都良いじゃん。と、言い出し旅費交通費は自腹を切って母に付いていった。
自腹と言っても実際に出したのは母だ。

京都と、うちの距離は500km以上。

『京都に一緒にいる人に1万渡して、数百キロ離れた家にいる俺が何が出来るって言うわけ?親に言う言葉じゃないけどバカじゃないの?』

腹が立って言うと

「言われてみればそうね」

母にとって、盲点だったらしい。
2日後の水曜日、現金書留で1万円が送られてきた。

後日、姉に渡した1万は帰ってこなかったと母から聞いた。

この話をしたら、母は「そんなことあった?」と言っていたが、現金書留を受け取った数少ない経験なので忘れるはずがない。
逆によく忘れられるな。と思ったくらいだ。

姉は覚えてたと思う。
この話をしてる間、全く話に入ってこないでテレビを見ていた。
1万、パクったことを覚えてるんだろう。

すごくアホくさい話だ。
けど、家族の思い出が少ないうちには大切な思い出の1つ。

ジュースが飲みたいです('ω')ノ