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あいさつの極意

「最近の子は・・・」
なんて年寄り臭いことは言いたくありません。
しかし、最近あいさつしない子が増えた気がします。
それも段階的に、


自分からあいさつしていた世代(10年以上前)
 ↓
こちらがあいさつをすると返してくる世代(10年前ごろ)
 ↓
こちらからあいさつしても返さない世代(5年前~現在)

(出典:寿々丸リサーチ2020)

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といった感じで。あくまで個人的感想ですが、周辺で共感してくれる人も多いです。
その理由をいくつか考察してみました。

▶子どもがあいさつをしなくなった理由

1つ目の理由は、朝はテンションが低いから。
小学生は、朝出発の15分前に起きて、朝食・支度をすませる子もいるようです。そんな子からしたら、朝のあいさつをする元気はないのかもしれませんね。

2つ目の理由として、自分に言われていると思わないから。
大勢で登校している中、先生からあいさつされても、誰に対してしているか分からず、自分だけそれに応える気恥ずかしさもあるのかもしれません。

3つ目は、家庭教育。
物騒な世の中だし、あまり人との関わりを望まない家庭環境なんかも影響しているのかもしれません。

10年ぐらい前までは、子どもがあいさつをしてくれないと、ちょっとイラっとしたもんですが、いつからか、「ま、いいか」と思えるようになっている自分になっていました。
自分が変わったのか、子どもが変わったのかすらよく分からなくなってきて、何も考えず、お店の従業員のように(※)一方的・業務的挨拶をするようになっていました。


▶あいさつの極意

せめて学校ぐらいは、あいさつし合える場所でありたいと、さまざまなフェーズに分けた挨拶を実践し、そこからあいさつの極意を導き出しました。

フェーズ1 手を振る

大人であれば、相手が遠くにいる場合や他の誰かとおしゃべりをしている場合、それほど親しくない相手の場合などは、最低限の会釈で通り過ぎるようにしています。
しかし、子どもに会釈というのも堅苦しいので、手を振るようにしています。
目が合うと、手を振り返してくれたり、「おはようございます」とあいさつで返してくれたりする子もいてうれしくなります。

フェーズ2 単なる「おはよう」

おそらく、最も使用頻度の高い挨拶だと思います。元気のいい子は、同じように「おはよう!」と返してくれます。
ただ、前述のとおり、あいさつを返してくれない子も多いので、そこで心折れずにフェーズ3以降を試してみてください。

**フェーズ3 あいさつの極意発動!

極意1 名前を呼ぶ**

「〇〇さん、おはよう。」などと、名前を呼ぶことで、「私だけに言っているんじゃない」感は激減します。不意に名前を呼ばれたはずみであいさつを返してくれる子も多いです。
ただ、大勢いる中で、その子だけ名前を呼ぶのは、依怙贔屓しているような印象を受けるので、1対1で会った時や、一旦そのあたりの集団全員に対してあいさつしてから、返事がなかった子に対してやってみるのがいいかもしれません。もちろん笑顔で。

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極意2 あいさつ+話しかける

極意1同様に、個人に対して声をかけてみるのもいいでしょう。取り留めもないようなことでいいので、「おはよう。宿題難しくなかった?」とか、「おはよう。今日の体育、サッカーしようね。」などと取り留めもないことでも大丈夫です。
髪切ったの?似合っているね。」「今日の服、かっこいいね。」などと褒めてみるのもいいと思いますが、高学年になるとちょっと微妙な感じになることもあるので、関係性を見極めることも大事です。
話しかけることで、たとえ、あいさつや返事が返ってこなくても、互いの関係作りができるので、よく使います。

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極意3 あいさつの効果・効能を伝える

教師は、ホームルームなどで「あいさつをしましょう」という話はよくします。
それに加えて、「〇〇さんは、いつも元気にあいさつしてくれて、気持ちよく朝のスタートが切れるね。」とか、「以前、それほど親しくなかった人に思い切ってあいさつしてみたら、けっこう話が弾んで仲良くなれた。」など、あいさつの効果・効能にまつわる自分の体験を語ることも重要だと思います。

あいさつは、あくまで関係作りの手段です。

たとえ、気持ちいいあいさつがかえってこなくても、決して、「あいさつしないと、中学校で苦労する。」とか「社会に出てから困る。」などと、ネガティブな指導はしないようにお願いします。
下手をすると、そういう先生は避けて通られるおそれもあります。
教師自らあいさつすることで、「子どもの居場所づくりに貢献できた」ぐらいの軽い気持ちで取り組んでください。

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※補足

文中で、「お店の従業員のように」と述べていますが、きっと多くの従業員さんの中には、以前から「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」と、心を込めてあいさつしてくれていらっしゃると思います。
自分はみんな一方的・業務的と捉え、素通りするぞんざいな客だったかもしれません。
イギリスに行ったとき、客も店員に「Hello.」「Thank you.」とあいさつするのが一般的だと教わり、それ以来、日本でも店員さんのあいさつにも応えるようにしています。買い物がさらに楽しくなります。

早く、コロナが去って、いろんな人と気兼ねなく挨拶できるようになればと願っております。

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