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話が聴ける子を育てる話し方 その3

小学生以下の子供だと長い話に集中できない子も少なくありません。
一方的に話すのではなく,適度にやりとりをはさんでインタラクティブ(相互作用的・対話的)に話すことで,聴き手を飽きさせない工夫が必要です。

その3 インタラクティブに話す

■発問・質問・感想を交える

「そこですごいモノを発見しました。なんだと思う?」
などと,子供に問いを投げかけてみましょう。
答えはこれといって驚くものでなくても,子供はそれが何かを当てたくて次々と挙手してくるでしょう。
紙に書いたものであれば裏返して推測させたり,物であれば箱や袋の中にかくしたりしておくだけでも盛り上がります。
また,話の内容を子供に強く印象付けたいときは,質問を受け付けたり,感想を言ってもらったりするといいでしょう。
些細なやりとりがあるだけで,子供の興味の持ち方は違ってきます。

話が聴ける子3質疑応答


■子供に説明してもらう

「ここまでの話わかりましたか?誰か,ちょっと説明してくれますか?」
などと言って子供に説明する機会を与えてみるのもいいでしょう。
こうした振り返りがあることで,「ちゃんと聴かなくては」という意識づけができます。
また,話を要約したり,それを他者に伝えたりする練習にもなります。
説明してくれた子には,
「すごいね,先生の説明より分かりやすかったよ!」
などと称賛することで,「また説明したい」「次は自分が説明したい」とクラス全体のモチベーションが高まってきます。

話が聴ける子3質疑応答

■事後に個別対応

子供の中には,話の内容がよく理解できていなかったり,納得できていなかったりしても,なかなか言い出せない子もいます。
教師は話しながら子供の表情や視線を読み取り,「あれ?この子なんでこんな顔しているんだろう?」と感じた子には事後対応をするといいでしょう。
案外,教師の盲点を突くような気づきや疑問をもっていることがあります。
「先生,前説明していたことと違う。」
なんて言われて,はっとするときもあります。
そんなときは,謙虚に謝ったり,誤解を解消したりする必要がありますね。


さて,3回にわたって連載してきた「話が聴ける子を育てる話し方」。
いかがだったでしょう。
これから教員を目指す方を対象に書いてきましたが,こうしたスキルは子供だけでなく大人にも効果的なものもあります。
人前で話すことに苦手意識のある方や自分の話し方を再点検したい方にも役立てていただければ幸いです。

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