算数4年 折れ線グラフの指導 学習支援3つの原因とその支援方法
例えば4年生算数「折れ線グラフ」では,2つの数値をグラフや表に表したり読み取ったりします。
主なゆっくりちゃんのつまずきポイント
原因1.グラフのマス目が細かすぎて読みまちがえる
原因2.2つの数値を混同してしまう
原因3.定規で直線がうまく引けない など
原因1.グラフのマス目が細かすぎて読み間違える
グラフのマス目が細かすぎると,数値を読み間違えたり,グラフの点を間違った場所に打ってしまうことがあります。
学校ではノートに合わせてB5の教科書や印刷物をよく使いますが,そこに印刷されたグラフ用紙では目が細かくて読み間違える場合があります。
→解決法
まず,グラフ用紙をB5から,A4あるいはB4に拡大コピーすることで作業は格段にしやすくなります。
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当たり前だけど,拡大コピーすると見やすくなります!
さらに、マーカーで補助線を入れると理解しやすい!
その2.2つの数値を混同してしまう。
上図のように,2種類の数値(東京とキャンベラの気温)を扱う問題の場合,ゆっくりちゃんは混乱してしまうことがあります。
→解決法
2種の数値を識別しやすいように,東京の気温は緑,キャンベラは赤の蛍光マーカーで色分けして識別しやすくすると作業しやすくなります。
ここでは,キャンベラ気温をグラフ化するので,「ピンの数をグラフにしようね」などと声掛けすれば,識別しやすくなります。
緑が東京,赤(および黒鉛筆)がキャンベラだねー。
蛍光マーカーは最大でもこれぐらいで。これ以上色を使うとごちゃごちゃしてよけいに分かりづらくなるかも
また,こうした作業が多い問題では,ゆっくりちゃんの集中がもたないこともあります。
そうした場合は,途中まで(図中,赤の点で示した部分)指導者がやって,つづきを子どもが仕上げるという方法もいいと思います。
その3.定規でうまく直線が引けない
定規でうまく直線が引けない子も多いです。グラフ上の2点に定規を当て,片手で定規を押さえながら,もう一方の片手で直線を引くという作業はなかなか難しいです。
→解決法
指導者が一緒に定規を押さえてあげると鉛筆を持つ手に意識が集中できるので,上手に引けると思います。
教員の中には,「最初から最後まで全部子供にやらせたい」とか「直線を引くのも折れ線グラフの学習のうち」と言う方もいらっしゃるかもしれません。
ですが,ゆっくりちゃんにはそうした複合的な学習が苦手だったりします。
学習指導要領によると,ここでの学習は伴って変わる二つの数量を表や折れ線グラフに表したり,変化の特徴を読み取ったりすることです。
すべての作業を自分でやりきったり,定規で上手に直線を引いたりすることは副次的な学習です。
そこでつまずいて,本来の主目的を達成するのが困難なのであれば,副次的な学習には十分なサポートを行い,主要な学習に集中できるようにする方がゆっくりちゃんも達成感を味わいながら学習に取り組めると考えます。
まとめ
以上のように,拡大コピーや蛍光マーカーなど簡単にできる学習支援を紹介してきました。
これ以外にも,有効な指導法があればお知らせいただければありがたいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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