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めあての持たせ方~ねらいとのちがいを意識して~で学ぶ

一番初めに授業を考える時、何をするだろうか。
教科書を見て、朱書を見て、ノートに授業展開を書いて、使える文献をみる。そんなことをするだろうか。

これはきっと、自分にないものを外からもらおうとする行為にすぎないだろう。

授業準備のやり方は、初任にとってはとても大切で、より効率的で深まる方法を模索することは必要なことだろう。
しかし、方法だけが大切になのではない。

授業を作るうえで考える視点!そこが大きく大切である。

”何を教えるか”

自分(教師)がしっかりと意識することだ。
加えてここで何を学び取らせるのか。
ぶれてはいけない授業の核をおさえることこそが授業準備なのかもしれない。

では、何を大切にするのだろうか。

むらまこさんはいう
「子どもの”はてな”を大切にしよう」



めあてとねらいのちがい

めあて:子どものはてな
  その時間に、子どもが考えたいや解決したいと思うもの
ねらい:教師のゴール
  教師が達成させたいこと(本時の目標)

2024むらまこ

子どもからのアプローチと教師からのアプローチ
大きな違いがみられることに気づく。

そして、この違いを意識することこそが授業作りの第一歩になる。
授業には、必ず達成しなければならない目標がある。
そこにむけて動こうとする流れを崩してはいけない。
また、とんちんかんな方向に行っても何でもOKでは授業とはなりえない。

これを4象限で考えてみよう


力のある一斉授業を考えてみたいものである。

ただ、ベストなのは子どものめあてと教師のねらいが合致して
動き出す授業だろう。

子どものしたいと教師のやらせるが合致すれば相当面白い展開になりそうだ。

さて、そのような方法をむらまこさんは次のように伝える。

子どもに「めあて」を持たせる授業作り

めあてを持たせる授業作り

「はてな」が生まれるように学習問題や課題提示を工夫する
「考えたい」「解決したい」
という思い

1「時を戻そう」

:もう一度みてください
ねらい:散らばったデータを整理する方法だ。

「2番目…!」というキーワード!から学びを深められることが分かる。
それは、複雑すぎて単純化したいという思いを引き出していると言えるだろう。

きっと、子どもたちは、何かしら工夫する…
正の字を書いたり、隣の人と協力したり、…そういうところに並べる・数えるの良さが隠れている。
その思いを引き出し生かす「時を戻そう」


2「安心してください、かくしているだけですよ?」

:あえて情報を示さないことで、逆にそこに目を向けさせるしかけ
ねらい:単位分数の意味(1m○等分したもの)が分かる

(詳細な動きはむらまこさんに個人的に教えていただきました。)
2色のテープ(80cmと100cm)をランダムに子どもたちに配布する。
子どもたちは、長さが違うからこそ、長さが知りたいという声が出てくる。
その声の大きさを聞き取り、測らせたという。
まさしく、子どもの思いに沿った展開である。
そして、80センチメートルと1m(100センチメートル)であることを共有し、長さを確定させます。

その後、80÷4や100÷4をした子どもの声を活かして、
「4分の1mは、1mの4分の1の方だよね。」という結論をつくります。
(正直これだけでは、分割の要素が強く、また導入であることからも子どもたちに量的な概念は形成されていません。しかしだからこそ、次に抑える必要が出てきます。基本的なツールとして獲得させたいという考え方負です。)
一度「1mを4等分した1つ分の長さを4分の1m」ということを抑えました。
(子どもの姿や動きをよく見られているなぁという印象です。)

そして、
ここで時を戻し
「もう1つの長さ20センチメートルは、分数で表せないよね」と投げかけます。
反論を促し、勝手に20センチメートルは5分の1mであることを導き出していました。

最後に、1mを●等分した一つ分の長さを●分の1mと一般化して終わりです。


3「Aか?Bか?どっちなんだい!?」

:自分の立場を明らかにする。
ねらい:平均値だけではなく、最頻値や中央値などの見方で資料を読むことができる。

これこそまさに、数学的思考の活用だ。
最頻値、中央値、平均値という数学的な知識を用いて、
どのチームがどの選手がよりよいかを分析する。
最頻値で見たらA
中央値で見たらB
平均値で見たらC
といったことだ。
そして、私(監督)だったら、平均的にいれてほしいので、これを使う。
みたいな結論が出てくるというわけだ。
私の印象では、オーセンティックな学びだと感じる。


4「ほな、○○もあるか~?」

:これまで学んだやり方が、本当に使えるのかを考える
ねらい:4位数になる足し算がわかる

624になる数字を考える。
★10進位取り記数法のよさを感じ取れる展開を準備している。


主体は、先生の言葉から

以下のように、むらまこさんは、言葉で子どもの学びへの方向を示してもらった。
「時を戻そう」
「安心してください、かくしているだけですよ?」
「Aか?Bか?どっちなんだい!?」
「ほな、○○もあるか~?」

それぞれ上から
 自分の行為を振り返り改善する機会を間接的に促す
 かくすことから見えるものをみいだす
 自分の立場を持たせる
 思考の上乗せ、発展を期待している

そんな気がした。
分類できるのかもしれない。


主体的と自主的

主体的とは:自分の意志や判断に基づき自らの責任で行動すること
  「めあて」を持った探究的な行動

自主的とは:決められたこと言われたことを率先して行動すること
  「ねらい」をこなす実は受動的な行動


今回の学び

「教育観の転換」
その一手が、「ねらい」と「めあて」だったのかなと感じた。

教師発信のねらい
子ども発信のめあて
似ているようで実は全く違う。

教師の押し付けになってはいないか。
子どものやりたいことだけになってはいないか。

ここを意識するだけでどれだけ授業が良いものになっていくのか。
授業改善の視点をいただいた気がした。

また、何よりむらまこさんが今までじっくりと考え積み重ねてきた教材研究や経験の中にヒントが隠されていて、
今の子どもの実態と教材も加味されることで、導き出されるものなのかと思った。

きらり光ワードセンス
言葉の巧みさと多彩さ…

むらまこさんの素敵な一手をみることができました。

よっし!明日も頑張るぞ!

ぜひこの記事も参考に↓↓


今後の展望

今回の話から考えたことと今後につながることを残しておく
Q:”はてな”の持続の方法は?
A:一つの事例だけで終わったらダメ
  赤い服 たまたまそのやり方でよかったかどうかは大切!
  適応問題よりも生かしたもんだいをすることが良い。
  長さのことなら方法にある。
  見方・考え方をもう一度やることが大切。

・はてなの持続は、知りたいを継続させる。
 やりたいと思わない。
 疑問が生まれると、知りたいと思う。
 はてなの持続はやりたいを引き出す。

・はてな()
・必要感
・何のために
学びたいを引き出すことができる。

★持続するはてなって方向が見えたはてななのでは?

★ねらいとめあてとどうつなげるか?
 仕掛けをどうつくっていったらよいのか?


(さるっち_白石圭祐@兵庫)


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