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森本隆史先生から学んだこと

はじめに


 森本先生から様々なことを学び始め、1年の月日が経ちました。
 私が初めて森本先生にお会いしたのは、「授業てらす」ではない研修会でした。年末の寒い教室の中で、3日間ご指導いただいたことは昨日のことのように思い出せます。

 授業てらすに入り、森本先生との関わりが深くなっていきました。プロ授業やオンラインセミナー、対面でのセミナーなどを通して様々なことを森本先生から学ばせてもらいました。

1、言葉の大切さ


 森本先生は言葉の大切さについてよく講演をしています。なぜ、森本先生が言葉を大切にしているかというと、教師の言葉がけひとつで子どもの受け取り方が変わり、行動が変容するからだと学びました。例えば、「これは四角形だよね。」「これも四角形だよね。」「これだけ四角形だよね。」と3種類の言い方があるとします。言葉を少し変えるだけで、受け取り方が違うと分かりました。場面によって言葉を使い分ける大切さを感じた瞬間でした。教師の言葉ひとつで子どもの思考が深まるか、停滞するか、迷走するかが変わってくると思いました。
 「対話を生まない言葉がけ」ということも学びました。対話を生まない言葉が絵とは、教師が「わかった?」と問うことです。「わかった?」と聞かれて反応するのは、わかっている子どもだけです。「わかった?」という言葉を教師が使うと、わかっている子どもたちだけで授業が進んでしまうのです。その話を聞いた時、私が目指す全員参加の授業を行うには「わかった?」と問うのはふさわしくない言葉であると思いました。「分からない人いる?」と問うことで、「分からなさ」に焦点を当て、協働的な学びを再現していけると考えました。
 私は、森本先生の「教師の言葉」に強く感銘を受け、自分の授業改善を図りました。1週間のうちに1回授業ビデオを撮影し、土日に授業の文字起こしをしました。すると、見えてきたことがたくさんありました。
 一番衝撃だったのは、子どもの思考と私(教師)の言葉がずれていたのです。私は子どもの言葉で授業を進めているつもりでした。しかし、それは私の勘違いでした。5、6回授業を見ていると自分の癖が見えてきて、修正することができるようになってきました。だんだんと子どもの思考と教師の言葉が噛み合ってきたのです。
 教師の言葉について森本先生から話を聞くことができていなければ、私はいまだに独りよがりの言葉を使っていたかもしれません。言葉の大切さを忘れずに授業を行っていこうと強く思っています。

2、子どもから引き出す


 森本先生がよく話していることが、子どもから「引き出す」ことです。森本先生は、子どもから「わからなさを引き出す」「笑顔を引き出す」「考えを引き出す」「言葉を引き出す」など多くのことを引き出せるように日々工夫をされています。そのために、言葉を工夫したり、教材を工夫できると学ばせてもらいました。
 教材の工夫として、「隠す」という技術を学びました。教材の全てを見せるのではなく、1箇所を隠すことで、子どもたちから自然な対話が生まれます。子どもたちは、隠された部分に着目し、様々な予想をして、話をします。話し合いの中から数学的な見方に着目し、算数的な考え方が深まっていきます。本時のねらいを焦点化し、教材に「隠す」しかけを行うことで、簡単に楽しい授業になると思いました。
 日々の言葉や教材を変えることで、子どもから「引き出す」姿勢を続ける森本先生のように、私も子どもから多くのことを「引き出す」ことができるように頑張っていきたいと思います。

3、実際の授業から学んだこと


 プロ講師の授業と森本先生による授業解説を見ることで、子どもの見取りや教育技術などの多くのことを学ぶことができました。
【森本先生の授業から学んだこと】
・対話を行う中で、「褒める」場面を大切にしていた。
・「当たっていなくてもいいんだよ。」と心のハードルを下げてから、発言させていた。
・「再現」は何度も行わず、タイミングを見計らっていた。
・「今から先生聞くよ。よく聞いていてね。」と発問を行う前に子どもたちの意識を集めていた。
・選択肢を与えた後、「なぜ」と理由を問うていた。
・揺さぶり発問を行うのは、答えがはっきりしている時。
・子どもがアウトプットできるように、発表者を途中で変えたり、ペア対話を取り入れたりしていた。
・板書の量を減らすことで、対話を大切に授業を行なっていた。
・子どもの「できない」に寄り添い、友達同士の手伝いでできるように支援していた。
・子どもの気持ちに寄り添う言葉を選んで使っていた。

 まだまだ学んだことは、山のようにあります。本当に書き切れないほど多くを森本先生から学んでいます。
 森本先生から学んだことを生かし、自分の学級をhappyにできるように精進していこうと思います。

                 授業てらす かずや_鈴木一矢@東京

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