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20万年の人類史・生物学から考える、本当に幸せになる方法

幸福は人生の意味および目標、
人間存在の究極の目的であり狙いである。
ギリシャの哲学者, アリストテレス
何より大事なのは、人生を楽しむこと。
幸せを感じること、それだけです。
英国の女優, オードリーヘップバーン
人は自分自身の幸せの考案者である。
英国の思想家, ソロー

過去の偉人が残した、名言だ。

他にもたくさんの思想家・著名人たちは、”幸せ”を使った言葉を残している。

世界中の全てのアスリートにインスピレーションとイノベーションをもたらす。NIKE
誰もが情報を共有できる、
オープンでつながりのある世界を実現する。Facebook
地球上で最もお客様を大切にする企業であること。Amazon

またGAFAと呼ばれている会社の経営理念は、すべて「利用者を幸せにする」に収束。

つまり、過去・現代において、”幸せ”は、最も大切にすべきものだと考えられているのだ。

私も何度も”幸せ”について考えてきており、

「幸せこそが人生の最大の目的である」

という価値観を持っている。

今回の記事では、人類誕生がした20万年前からの人類史。また生物学から、本当に幸せになる方法を考察していく。

では、内容へ。

1. 豊かな生活≠幸福度アップ

実は、「生活が豊かになっとしても、人類の幸福度は上がない」が分っている。

上記は、1993年から2013年までの日本人の幸福度を表したグラフだ。1991年にバブルは崩壊した。

しかし、バブル崩壊後とは言え、この20年間で日本は大幅に豊かになったのは、間違えない。

2010年代では、戦争は行われず、平均寿命は延び続け、テクノロジーとインターネットが発達し、今までにない程の快適な生活が送れるようになった。

しかし、幸福度は変わらない。それどころか、下がっていることが、このグラフから分かる。

”豊かな生活≠幸福度アップ”

✓農耕革命と幸福度

1万年前に、世界中で農業革命が起きた。

農業革命とは
新石器時代に人類が農耕・牧畜を始めたことと関連して定住生活を行うようになった、一連の変革のことである。
( Wikipediaより )

そして、農業革命により、

人類は各地を転々とする狩猟生活
▶定住地を持つ農業中心の生活

に移り変わり、人々の生活はより豊かなものに変化。

例えば、農業革命により、生産力が大幅に上昇し、エネルギー供給量が増え、人口も増えた。

つまり、

農耕革命により…
人類は繁栄し、幸せになった。

ように見える。

しかし、実際はどうなのだろうか?

農耕民の暮らしは、狩猟採集民ほど安定していないかった。狩猟採集民は何十もの種に頼って生きており、したがって、蓄えがなくても、困難な年を乗り切ることが出来た。一方で、農耕社会はごく最近まで、カロリー摂取の背反をわずかな種類の栽培家された品種に頼っていた。小麦やジャガイモ、米など、単一の主要食品だけに依存している地域が多かった。もしも雨が十分に降らなかったり、イナゴの大群が襲来したり、その主要食品の品種をある種の菌類が冒すようになったりすると、農耕民は数千から数百という単位で命を落した。( サピエンス全史上より )

また、農業革命により、

◎ 一般民の労働時間が延びる
◎ 単一作物摂取による、栄養の偏り
◎ 幼少期の死亡率増加

のような変化も起きたそうだ。

そして、その富を手に入れることが出来たのは、一部の上層部のみ。

1万年前の人類は、本当に”農業革命”により幸せになれたのだろうか?文化の発展により、幸せになれたのだろうか?✓生活が豊かになったとしても…

人類は、狩猟文化から農業革命により、定住することができ、集落を作ることができ、人口が増えた。

つまり、より快適な生活が送れるようになったのだ。

また、過去のどの時代に比べも、現代の生活が最も豊かだ。

大国間の戦争はなくなり、物に溢れた世界となり、日本の平均寿命は80歳を超え、数十年までは無かった、インターネットは当たり前の物となった。

↓ 先ほど紹介した、それぞれの時代の日本人の生活満足のグラフ

生活が豊かになれば、
今より便利な世の中になれば、幸せになれる

みんな心の底で信じているはずだ。

しかし、実際は異なる。
ただの思い込みに過ぎない。

上記のグラフから分かるように、いくら生活が豊かになったとしても、人類の幸福度は変わらない。

「なぜ豊かになっても満たされないのか?」

次章では、この原因を紹介する。

2. 豊かになっても、幸福度が上がらない原因

ここには、大きく2つの原因がある。

① 幸福ホルモンの限界
② 人間は周りと比べる生き物だから

① 幸福ホルモンの限界

✓ 幸福モルモンとは

「幸せは身の内より発する」

ニューエイジと呼ばれる思想のスローガンだ。この言葉は、生化学に基づく”幸福”をうまく捉えている。

そもそも幸せとは、どのような状態なのだろうか?

✓ 宝くじが当たった時
✓ 美味しい食べ物を食べている時
✓ 家族と団らんしている時

このような外的報酬を受け取ると、みな幸せを感じるだろう。しかし、外的報酬によって、我々は幸福を感じるわけではない。

このような外的報酬を受け、人間の脳で、セロトニン・ドーパミン・オキシトシンなどの幸福ホルモンが分泌される。

これこそが”幸せ”の正体なのだ。



もしあなたの脳から、幸せホルモンを永久的に除外すると、あなたは一生幸せを感じれなくなる。

反対に常に幸福ホルモンを分泌されると、一生ハッピーになる。

ちなみに、酒・たばこ・麻薬を使用している時。セックスをしている時に幸せを感じるにも、幸福ホルモン(特にドーパミン)による影響だ。

”幸せの招待=幸福モルモン”

✓幸福ホルモン濃度は、今も昔も変わらない

(ドーパミンの構造式, Wikipediaより)

なぜ豊かになっても、
幸福度が上がらないのか?

この1つ目の答えは、「今も昔も、脳内の幸福ホルモンの濃度は変わらない」だ。

江戸時代の農民と現代人を比べてみよう。

江戸時代の農民の生活は、今よりも貧しかった。スマホも持ってなかったし、電気もなかった。更に、自分たちで作った白米は、滅多に食べれず、主に玄米、麦飯、ヒエ、アワを食べた。

1600年に徳川家康が駿河国一帯に出した法令でも、年貢率は七割~五割五分です。江戸時代はじめは年貢率は六公四民~五公五民だったようです。こんなに年貢が重いのは、百姓は「生きぬよう死なぬよう」に支配されたからだともいわれています。
(サイト, 江戸時代の年貢より)

また、上記のように、酷いときは自分の農作物の7割を年貢として納めさせられ、大きな飢饉にも見舞われた。

反対に、一般的な現代人はどうだろうか?

食料に困ることはない。年収にもよるが、収入のたった20%を税金として納める。更に、テクノロジーにより快適な生活を送り、みな平等と見なされ、選挙権も持つ。

現代の一般人は、江戸時代の農民よりも、はるかに恵まれた生活を送っている。

しかし、両者の基本幸福ホルモン濃度は、変わらない。何故なら、進化の過程で、幸福ホルモンの量が増えるような変化は起こっていないからだ。



江戸時代の農民は、

通常時→幸福ホルモン濃度X
嬉しいことがあった時→幸福ホルモン濃度X

嫌なことがあった時→幸福ホルモン濃度X̠

だったと仮定しよう。(かなりザックリだが)

そして、農民の幸福ホルモン濃度と、現代人の幸福度は変わらない。

つまり、現代人の幸福ホルモン濃度も、

通常時→幸福ホルモン濃度X
嬉しいことがあった時→幸福ホルモン濃度X

嫌なことがあった時→幸福ホルモン濃度X̠

なのだ。



ここ10年の遺伝子工学の発達により、ヒトゲノムの解析が出来るようになった。そこで、昔に比べて、セロトニンやドーパミンの合成量が増加した報告はされていない。

つまり、今も昔も、平常時の幸福ホルモン濃度や、幸福ホルモン濃度の最高点や最低点は、変わっていないのだ。

「けど、生活が豊かになるにつれて、
幸福ホルモンの濃度が上がるんじゃないの?」

こう思った人も多いだろう。

この疑問の回答は、次の章で紹介する。

ps. 日本人の幸福度の低さの原因

世界幸福度報告(ワールド・ハピネス・レポート)によると、2020年の日本の幸福度ランキングは、156カ国中62位だった。他の先進国に比べると、かなり低い順位である。

また、2020年のユニセフの報告によると、日本の子どもの精神的幸福度は「38か国中ワースト2位」という結果だったそうだ。
(マイナビニュース, 緩やかに低下中? 日本人の幸福度を押し下げる「他者への寛容さ」より)

「なぜ日本人の幸福度は、
ここまで低いのか?」

この原因として1つとして、私はセロトニントランスポーターが関与しているのではと考えている。

▶ セロトニントランスポーター
・放出されたセロトニンを回収する輸送タンパク質
・回収されたセロトニンは、再度利用される

セロトニンとは、幸福ホルモンの一種だ。そして、自閉症やうつ患者のセロトニン濃度は低いことが知られている。

そして、日本人は、遺伝的にセロトニントランスポーターが少ないのだ。

↑ 詳しくはこちらから

セロトニントランスポーター量が低い
→セロトニン濃度が低い
→幸福度が低い

よって、遺伝的な理由によって、日本人の幸福度は低く、努力しても変えることの出来ない、どうしようもない問題なのではと考える。

セロトニントランスポーターの量を増やす、遺伝子改変が出来るならば、話は別だが。

② 人間は周りと比べる生き物だから

豊かになっても、幸福度が上がらない2つ目の原因。それは、「人間は周りと比べる生き物だから」だ。

先ほども述べたように、江戸時代の農民に比べて、現代人は豊な暮らしをしている。

狩猟をしていた20万年前の人類よりも。農業革命により、単一作物により栄養が偏り、幼少期の死亡率が爆発的に増加した人類よりも。戦争に明け暮れ、原子爆弾により、大量の人が亡くなった20世紀の人類よりも。

我々は、より安全で、より豊かな生活を送っている。


「しかし、誰が彼らと自分を比較できるのだろうか?」

確かに広島の原爆ドームに行き、戦争の悲惨さ・原子爆弾の残虐さを学んだ直後は、「自分は恵まれているんだ」と理解できるだろう。

しかし、それは短期的なものだ。何故なら、人間は過去の人と比較することは出来ず、身近な人と比較する。それによって、自分の幸福度が決まるからだ。

あなたが小学生の時の、徒競走を思い出して欲しい。この時、あなたは隣の相手よりも、早く走ることを意識したはずだ。恐らく、1年前・5年前・10年前…の小学生と、勝負しようと思った人は、いないだろう。

これと同様に、部活のインターハイ予選でも、就職活動でも、社内昇進でも。あなたは、自分と同じ時代の人としか、自分を比べることが出来ないのだ。

”人間=自分の周りと比べる生き物”

✓ 生活が豊かになっても、幸福ホルモンの濃度は変らない

先ほど述べたように、人間とは、自分の周りと比べる生き物だ。

なので、現代人は過去の人と比べることが出来ず、現代人としか自分を比べることが出来ない。つまり、過去の人よりも、豊かな生活を送っていることを知らないのだ。

「けど、生活が豊かになるにつれて、
幸福ホルモンの濃度が上がるんじゃないの?」

先ほどの質問に対する答えは、以下だ。

✅ 現代人の生活に対する
 ”当たり前”の基準の上昇
✅  幸福ホルモンの濃度は、
 今も昔も変わっていない
▶ 生活が豊かになっても、
  幸福ホルモンの濃度は変化しない

✓ マスメディア・SNSによる不幸

以上のことから考えると、

「現代人の幸福度は、
過去の人類に比べて、低いのではないか?」

という疑問が生まれる。

その大きな要因は、マスメディアやSNSによる影響だ。

例えば、5万年前の狩猟で生活を送っている18歳の青年がいたとする。彼の集落は150人ほどで構成されており、彼は、若い割には猟が上手で、自分の腕に満足をしていた。

もしこの時代にSNSがあったら、彼はどうなっていただろうか?

Facebookにより、自分よりも年下のくせに、自分よりも狩猟成績が良い奴がいることを知るかもしれない。また、インスタグラムにより、自分と同じ年なのに集落の長を務める者がいることを知かもしれない。

このように、SNSにより、自分をと比べる人の数が増える。

狩猟時代は、生涯に出会う人は、せいぜい数百人であり、その人々と自分を比べた。

しかし、現代はどうだろうか?

そもそも、狩猟時代に比べると、

✓ 爆発的にに人口が増える
✓ 幼稚園が学校により、
  たくさんの同世代の子供と出会う
✓ テレビやニュースのメディアにより、
  100mを9秒台で走る人や
  顔の整ったモデルなどの、
  自分よりも遥かに優秀な人を知る

つまり、現代人は、狩猟時代の人類よりも、遥かにたくさんの人と自分を比べる。

よって、現代人は、自分に満足することがないのだ。

中間まとめ
① 幸福ホルモンの限界
② 人間は周りと比べる生き物だから
→豊かになっても、幸せとは限らない

3. それでも文明が発展する理由

「え?じゃあ、
狩猟時代に戻ればいいんじゃないの?」

このように思った人もいるだろう。いくら豊かになったって、幸福度が上がらい。それならば、文明の発展を止めるべきだと。

しかし、これは不可能だ。

例えば、これを知ったあなたは、明日から、狩猟生活を送れるだろうか?農作物だけで生きれるだろうか?インターネットや電気を使わずに生きれるだろうか?

仮に、世界中で「豊かになっても、幸せにならない。なので、明日から人類は狩猟時代と全く同じ生活を送ります」という宣言があったとしよう。

しかし、狩猟から得られるエネルギーで、70億人を養うのは不可能だ。

また、文明の発展を止めようと、「明日から、これ以上テクノロジーの発達を禁止する」と言っても、こんな宣言に従う人はいないだろう。

つまり、この文明の発展には、人類の幸福度は関係ないのだ。

元の生活へ戻れない and 発展を止めれない

よって、今後も、我々の”幸せ”とか関与のない、文明の発展が続いていくだろう。

4. 根本的に幸せになる方法2選

いくら豊かな生活を送れるようになっても、人類の幸福度を相対的に上げることは出来ない。

ここからは、今まで紹介してきたことを用いて、

「どうしたら、幸福度を上げるのか?」

を紹介していきたいと思う。

より幸せになる方法には、大きく2つの方法がある。

より幸せになる方法
① 脳を騙す
② 情報に触れる機会を減らす

① 脳を騙す

✓脳は騙しやすい

実は、脳とは非常に騙しやすい器官であることが知られている。

例えば、A君がアダルトビデオを見て勃起したとしよう。

そもそも、性的興奮して勃起するのは、”自分の遺伝子を残すため”だ。近くに繁殖能力のある女性がおり、彼女との子孫を残すために勃起する。

AVを見ているとき、A君は子孫を残せる状態にいない。しかし、勃起してしまう。

これは、A君の脳を、アダルトビデオが「近くに興奮している女性がいる」と騙しているからだ。

同じように、同窓会で過去の楽しかった話をすることで、盛り上がった時。

この時、脳は現在と過去の区別がつかくなり、楽しいという感情を生み出すのだ。

”脳は騙しやすい器官である”

✓自分の脳を「幸せだ」と騙す

より幸せになる方法1つ目は、自分の脳を騙すだ。

幸せになるために、一時的に幸福ホルモン濃度を増やす方法は、たくさんある。

例えば、タバコ・酒・麻薬…など。しかし、一瞬の幸福ホルモン上昇に過ぎない。

つまり、遺伝子改変でもしない限り、基本の幸福ホルモン濃度を上げることは出来ないのだ。

しかし、自分の脳に、

「毎日、超絶幸せだ!」
「なんて豊かな生活を送れているんだ!」

と言い聞かせてみたら、どうだろうか?

すると、AV・同窓会の時のように、脳を騙すこと出来る。

自分は幸せ
→幸福ホルモン濃度が高いと錯覚
→本当に幸せになれる

脳を騙す。これが幸せになるための1つ目の方法だ。

② 情報に触れる機会を減らす

2つ目の幸せになれる方法は、「情報に触れる機会を減らす」だ。

現代人は、メディアやSNSによって、たくさんの人の情報。特に、自分よりも優れた人の情報を得る。

これにより、幸福度が下がる。

現代において、情報を完璧にシャットダウンすることは出来ない。なので、情報に触れる機会を少なくする。

例えば、インターネットの使用頻度を下げたり、SNSを辞めるなど。

以上によって、自分と自分よりも優れた人を比べる機会が減る。つまり、自分の生活に満足しやすくなるのだ。

5. まとめ

① 幸福ホルモンの限界
② 人間は周りと比べる生き物→豊かな生活≠幸福度アップ
今後も人類の”幸せ”とは関係のない、
文明発展が続いていく
幸せになる方法2選① 脳を騙す
② 情報に触れる機会を減らす

今回の記事では、20万年の人類史・生物学から、幸せになる方法を考えてきた。

「けど、他にもたくさんの”幸せになる方法”があるよ」

と思った人もいるだろう。

確かに、別の視点(例えば科学・宗教)から見てみると、他にも様々な幸せになる方法がある。

なので、あくまで、今回は「20万年の人類史・生物学」から見た、”幸せになる方法”ということを強調したい。

しかし、この記事を通して、自身の”幸せ”について、もう一度考えて頂けたら幸いだ。

「自分はどうしたら幸せになれるのか?」
「幸せになるために、何をすべきか?」
「周りの人を幸せにするためにすべきことは何だろう?」

以上で、今回の記事を終ります。
では、また。

6. 引用参考文献

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