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【詩】愛こそすべて

闇に紛れて冷蔵庫に裏から地獄の使者が舞い降りる

振り下ろしてくる大釜を紙一重でひらりと躱す

沈黙を守る眠れる獅子は心臓に棘が絡みついたその時

囚われた闇を振り払い、あらゆる欲望を棄て去る

浅い呼吸から深い呼吸へと切り替えて足枷を外す

糸と針で縫い付けた瞼の内側で鋭く光る瞳

聖母が血の涙を流す前に縫い付けた瞼の糸を解く

開かれた瞳は雷光の如く迸り天高く轟かせる

目覚めた獅子の心臓が脈動して中心部に街を創造する

何度も破壊された心の街は台風一過

砂漠の街には恵みの雨をもたらし心のオアシスができる

七色の虹が架け橋を描きメビウスの輪となる

虹の始点には僕が居て、虹の終点には君が居る

その虹が虚構であろうと君へと続く虹が消える前に駆け上がる

くるくる回る地球に微笑みかける月と太陽

心の中心に棲みつく君と二人で永遠の旅路の準備をする

僕はたばこの葉とコーヒー豆を携えて

君は準備中なのに楽し気にウクレレを弾きながらチョコレートを食べている




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