【学級経営】「日記とコメントのやりとり」の意義とコツ

1⃣ 「日記とコメントのやりとり」について

 おそらく地域などによって呼び方は違うと思うが、生徒がその日の感想などを書いて、教師に提出する「日記」のようなものが多くの学校であるのではないだろうか。

なければ、もし可能であれば生徒が日記を提出する習慣をつくることをおススメする。

そして、それらの日記に担任の先生からコメントを返すというルーティンをつくっていく。

2⃣ 「日記とコメントのやりとり」の意義 

 では、その日記とコメントのやりとりの意義を挙げる。

①日記提出とコメントの習慣を確立することができれば、登校日は毎日生徒と教師のコミュニケーションが確保される。
よく「担任教師は生徒全員と一日一回はコミュニケーションをとりましょう」と言われるが、口頭で生徒一人ひとりとコミュニケーションをとるのは難しい。
しかし、日記とコメントのやりとりの習慣が確立されれば、基本的にコミュニケーションをとることができる。
その上で、気になる生徒や、日記を提出していないような生徒がいれば、その子たちに意識的にコミュニケーションをとることもできる。

②次に、生徒の心の深い部分にある想いや考えなども知ることができるということだ。
口頭だと、周りの目があったり、時間的な制限もあったりして、生徒は自分の心のうちを担任に伝えることができなかったりする。そのような想いを日記には時間をかけて綴ることができる。
また、教師も時間があれば、真剣にコメントを書くこともできるし、もし必要であれば面談などで話すこともできる。
 特に思春期は、教師と口頭でコミュニケーションをとることが難しく感じることもある。そこで、日記であれば心理的なハードルが低くなる効果もある。

③もう一つは、良い文章は学級通信で紹介することができることだ。
以前のコラムで伝えたが、生徒たちには、教師以上に同級生の想いなどの方が伝わる場合がある。 
例えば、クラスで問題だという事柄があった場合に、教師がそのことを伝えるばかりでなく、同級生の仲間たちから、その事柄についての問題意識が綴られた文章を学級通信で紹介する方が、当事者意識が強くなったりする。
また、そのような文章を保護者も目にすることによって、保護者にも学級の様子がよりリアルに伝わったり、学級の「熱」を感じることもできる。そのようになった時に、保護者が応援団になってくださることもある。

 
3⃣ 「日記とコメントのやりとり」のコツ

 以上のような意義があるとして、「日記とコメントのやりとり」についてのコツを伝えたい。

①まず、できるだけ、生徒の日記の文章量に比例した文章量をコメントとして書くことだ。このことを続けることによって、生徒は「自分が長く書けば、長いコメントが返ってくる」ということを感じてくる。そうなると、基本的には、長いコメントが返ってくると嬉しいはずだ。そのことからも、生徒たちは長文の文章を書いてくるようになる。長く書くようになれば、より深い内容の日記を書いてくるようにもなり、コミュニケーションも深くなる。

②次に、コメントは基本的にポジティブな内容を書くことだ。基本的には褒めたり、応援したり、時にはユニークなコメントやイラストをかくと、生徒としては日記のやりとりが楽しくなってくる。また、自分の些細な成長でも褒めてくれると、自己肯定感が高まったり、教師への信頼度も高まる効果もある。成長を意識的に維持してもらいたい時には、その部分を意識的にコメントしよう。

③最後に、日記の良い文章は学級通信で紹介することだ。
もちろん、個人情報やプライベートなことで、紹介することで生徒が不利益を受けるのであれば、その部分は伏せたり割愛したりする必要はある。
その上で、良い文章を紹介することで、他の生徒たちにとってのモデルとなり、より多くの生徒たちがその文章の書き方や内容を参考にして、クラスの日記についての質が高まってくる。
また、日記を紹介してくれた生徒たちも嬉しい気持ちになるだろう。
そのことをより促すために、教師の補足説明やポジティブなコメントも添えた学級通信にするといいだろう。


4⃣ まとめ

 以上のように、日記とコメントのやりとりが充実してくると、学級全体のコミュニケーションが充実してくる。
日記のコメントは大変だが、経験の浅い教師はぜひ積極的に取り組んでみることをおススメしたい。

また、学級通信を発行していなかったり、発行頻度が少なかったりする場合でも、どこかのタイミングで日記の良い部分を口頭でクラス全体に紹介したりすることもある。

ぜひ、日記とコメントのやりとりで濃いコミュニケーションをとってみてほしい。 

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