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蒼心の旅人

あとがきです。
また一つのシリーズが終わりました。
シリーズタイトルは"蒼心の旅人"、全19曲の比較曲数の多いシリーズでした。この曲群は01~08が2017年ごろに書いた曲で、09~17が2023年初めに書いた曲です。もともとは別々にタイトルを付けて管理していた曲群でしたが、同じ世界観で続き物の曲たちだった為まとめてしまいました。
世界観は前 投稿した"御伽噺は人形たちの前日譚の雪の花"と繋がっています。


01,アイルーロの魔女

タイトルは""猫の魔女"です。
猫を引き連れ暮らし自身も時に猫に化ける、そんな魔女が住む森をイメージした曲です。猫が弾むように静かに歩くメロディから始まり、最後には魔女に変身して、鮮やかなその姿を現す。そんなイメージで構成しています。雨上がりのようなじっとり湿った森の雰囲気と猫と魔女の不思議な世界観を楽しんで頂きたいです。

02,白銀のセリアンスロピィ

タイトルは"白銀の獣人"です。
ファンタジーやSFなど色々な作品で登場する獣人ですが、獣の力強さと人の知性を合わせ持つ姿は魅力的ですよね。この曲では自分の思うカッコよくて美しい獣人(狼)を全力で形にしました。荒々しく力強いイントロから始まり、輝くようなトランペットがそこに色を乗せていく…。踊り出すピアノが人の知性を現しているつもりです。最後は知性に力強さが加わり、獣人としての形が完成します。

03,イドラの街

この曲は遺跡の街をイメージして書いています。
ちょっとアラビアン…かも。遺跡というとそういうイメージが自分の中にあるのかもしれません。遺跡を見てその景色を楽しんでいると、急に視界がぶれて過去の景色が見えてくる…この曲はそんな今と過去を行き来する妄想を元に構成しています。曲調がちょっと暗いのは、ストーリー上暗い過去がこの街にあったから…その辺はまた別の曲で。

04,異形のイティネラートル

タイトルは"異形の旅人"です。
遺跡に潜む異形の存在。それだけでファンタジックで妄想が膨らみます。妄想が膨らんだ結果、結構短時間で生まれた曲です。戦闘曲のような、そうでもないような。掴みどころがないようで、不思議と自分記憶に残る曲になりました。この異形、ストーリー上神聖な存在として度々登場するのでこの曲のアレンジもいくつか作っていたりします。

05,ヴァニタスの城

タイトルは"空虚の城"です。
04,で登場した異形が住まう城をイメージして書きました。無テーマにした作品は古今東西色々ありますが、自分が無をテーマに曲を書くとこうなります。イントロのピアノはずっと変わらず、どんどんメロディが重なっていきます。進めば進むほど深みにはまっていく様を表現したつもりですが…伝わっていますでしょうか。

06,博識多才なプーパ

タイトルは"博識多才な人形"です。
城を守る小さな人形をイメージしました。白いレースのあしらった黒いエプロンドレスを身に着けた人形。頭には深くシルクハットを被っていると良いですね。そんな人形との戦闘イメージです。シナリオ上01の曲とのつながりを匂わせていますが、曲としてはなんの繋がりもありません。アレンジでもないし、メロディも遠いです。

07,コンフジオネ女史の異説書庫

当時ハマっていたゲームに強く影響を受けた曲です。
見たこともないくらい巨大な図書館に迷い込み、気が付いたら出口もない。仕舞われている本を手に取るとどの本も見たことのない文字で記されていて読めないし、ずっと見ていると吸い込まれてしまいようで不安になる…そんなイメージで書きました。この曲も結構ノリと勢いで書いた覚えがあります。

08,デアの箱庭

エンディングのつもりで書きました。まぁ、その後も続くのでエンディングではありません。神様が箱庭を造る感覚で世界を創っていく、そんなイメージを書きました。住人達や気候変動でコロコロ表情を変える箱庭…ちょっとほしいです。維持管理は絶対大変でしょうが…。同じメロディーがやたら続くのは映画やテレビゲームの最後、スタッフロールが流れていくあの画面を想像した結果だったりします。

09,Fighting now, for someday

急に英語です。
これ"戦う今と、いつかの為に"と訳します。正確には違うかもしれないけど、そのつもりで書いてます。改めて"蒼心の旅人"の世界観を整理する為に書いた曲です。全体的にタイトル通りとげとげとした戦闘曲風ですが、途中から急に歌い出すようにメロディが落ち着きを取り戻します。今頑張っているのはいつかの日に必ず報われる、そう信じているから。…この曲、これ書いている時の自分とリンクしているんです、色々と。

10,怨親平等のレーギーナ

女王様です。
お城で国を切り盛りする凛とした空気を纏うかっこいい女王様です。
常に青いドレスを身にまとい顔には青いマスク。マスクの下の表情を見ることは叶いません。それはすべてを平等に裁き、平等に治めるために。
ぶっちゃけキャラクターイメージ曲です。

11,極夜の騎士

大きな黒い鎧を纏った人外騎士です。
鎧の下に体はなく黒い霧が詰っています。鎧を纏うのは誰かと触れ合うために。でもその大きな体と背中から漏れる翼に見える黒い霧の所為で怯えられ中々誰とも触れ合う事が出来ない。
実体がなくて、服とか鎧を身にまとってコミュニケーションをとろうとしてくるキャラクターって大好きなんですよね。

12,錻力の勇者遊戯

森に旅に出て帰る事が出来なくなった少女のテーマです。
シナリオの主人公のテーマです。好奇心旺盛で恐れ知らずな女の子をイメージしています。その所為で後戻りのできない旅をすることなったわけですが。威勢の良いイントロから始まり続くメロディは全体的に攻撃的で、止まる事を知らない所がなんとも勇者という感じ。

13,背徳的な繁栄

セルフアレンジ曲です。
昔書いた曲のアレンジなので、かなりまとまり感のある曲になっていると思います。陰鬱な雰囲気を漂わせつつ威圧的になメロディがなんともこのシリーズらしい。この曲、アレンジ元への思い入れが深すぎてあんまり語ると違う話になってしまう…。

14,多事総論の果てに

壮大に始まってゆるっとしたメロディに落ち着く、結構お気に入りの曲です。シナリオで翼の彼が読んでいる本は、本の形をした世界そのものです。この図書館は彼の庭であり彼が渡り歩いてきたあらゆる世界を集めた集積庫でもあります。彼が彼女に本を読み聞かせるのには意味があります。それを彼女が察する事はできるはずもありませんが…。

15,理想郷を目指した旅路の夜

夢の中のような不条理な森を彷徨う曲です。幻想的な夜、空に浮かぶ不条理に不安を覚えながらも足を進めてぼんやりと進む。そんなイメージで書きました。透明感を出しつつ後半の野暮ったさがなんとも夢らしい(自分の中では)。もう図書館に入った時点で不条理な気はしますが、この森への侵入が彼女にとって最も不条理なできごとだったでしょう。

16,豊かな恵みの沈む場所

これもセルフアレンジ曲です。
元の曲もそうですが、かなりピアノが変な動きをしている曲です。どう煮て焼いて調理してやろうかと考えた結果こうなりました。もともと湖の下に隠された夢をテーマして書いた曲でした。それがなんだか壮大な曲に…あぁ、きっと遺跡とか古代兵器とかそういう浪漫が埋まっているんだろうなぁ。

17,地中深くに輝くかつての栄光

"豊かな恵みの沈む場所"のアレンジです。
まぁ、メインメロディ以外どこがどうなってこうなったかわかりにくいですが…。聞きやすい曲になった気がします。シナリオ上で現れた巨大な機械はいつかのどこかの文明が残した立派な古代遺跡だったんですね。それと戦う戦闘イメージ曲です。コロコロ曲調が変わるのは、ステージギミックありの戦闘を想定したせいです。ギミックもりもりのステージ大好き。

18,旅する意味を得るために

つい先日書き上げた曲です。これだけ新しい。
結構攻撃力高め、それでいながら終わりを少し感じさせる曲になったのではないでしょうか。旅は一筋縄ではいかず、意味を持たずに旅をするのは辛すぎる。でも、それを見つけるための旅があってもいいんじゃないかな。そんな曲です。戦闘的なのは主人公のイメージに引っ張られた可能性が高いですが。

以上、全18曲の紹介(?)でした。
ちなみに自作曲の世界観はすべて繋がっているので、今回出したキャラクターはすべて今後も曲のネタになります。ファンタジックな絵本のような世界を舞台に彼等の活動、行動をどんどん曲に落とし込んでいくので、他のシリーズも聞いてくれると嬉しいです。



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