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16,豊かな恵みの沈む場所

何かに、迷った。
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シリーズもの16曲目です。
広く深い吸い込まれそうな湖をイメージした曲です。
湖の底にはきっと誰も知らない古代の遺跡とか、化石と、隕石とか眠っているんじゃないかなぁと妄想するのが好きです。
以下この曲の物語。
「月明りが照らす薄暗い森を風を頼りに突き進む。
風は常に一定の方向から吹いており、草木が音を立てて靡いていた。
"…風に乗って、水の匂いがする。"
誰かがそうつぶやいた。
同時に風が強く吹き、草木の隙間から湖が覗く。
湖の水面には渦を巻く二つの月が反射して木々の影を歪ませていた。
微かに揺れ動く湖面は時より魚が跳ねて輝く水飛沫を上げる。
…もしかしたらあれは魚ではないのかもしれない。
だってあんな月が空に浮かぶこの森が普通であるはずがない。
その月が如何に私にとって異常なものなのか改めて感じ、そしてそれは私にとって、初めて見る心動く美しい光景でもあった。」

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