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今、注目を集める 新しい旅のカタチ アドベンチャートラベル【前編】

2023年9月11日~14日に北海道で
「アドベンチャートラベル・
   ワールドサミット北海道・日本(ATWS2023)」
が開催されました。
世界各地で人気が高まっているアドベンチャートラベル。
ATWS2023が国内で開催されるのを機に、
日本でも関心が高まってくるのではないでしょうか。

早速ですが、
手っ取り早く「アドベンチャートラベル」の
ツアー自体を作りたい方はこちらにとんでください。

日本アドベンチャーツーリズム協議会 https://atjapan.org/activities
 ATコース制作支援業務 1コース ¥3,000,000 (要相談)
   ※詳しくはサイトをご覧ください。

そんな、ぶしつけなお話は置いといて・・・
では、アドベンチャートラベルとはなんでしょうか?

  なお、
  アドベンチャートラベルとアドベンチャーツーリズムの違い は・・・

  検索しても出てきません。
  なのでここで決めます。  違いはないです!(ほうぼう未許可)


アドベンチャートラベルに関わるにあたり
知っておくべき重要な組織3つ

➀Adventure Travel Trade Association(ATTA)
シアトルに拠点を持つアドベンチャートラベルの持続的な発展を目標として様々なネットワークやソリューションの提供を行っていくことを目的とした団体で、各国・地域のメディア、政府観光局、観光協会、DMO、ツアーオペレーター、アウトドアメーカー等世界100か国、1400 の会員を擁する世界最大の アドベンチャートラベル推進団体です。

➁日本アドベンチャーツーリズム協議会
「アドベンチャーツーリズム(以下AT)の認知向上と普及」
・「高付加価値、高品質、高額なAT商品の企画支援、
  流通支援、人材育成などの体制整備」
・「主要市場である欧米を中心としたAT旅行者の日本への誘致の推進」 
を目的とし設立されました。訪日目的の1つにあげられるような世界水準のアドベンチャーツーリズムを日本に普及し、付加価値の高い、いきいきとした地域づくりを目指す社団法人です。

つまり、日本アドベンチャーツーリズム協議会は・・・

アドベンチャーツーリズムを日本で広めています。
日本でアドベンチャーツーリズムを作るお手伝いをしています。
欧米のアドベンチャーツーリズム参加者が日本に来るよう進めています。

➂日本政府観光局(JNTO)
日本経済の発展、地域の活性化などを目指す日本政府観光局(JNTO)は、 ⽇本のインバウンド旅⾏市場を拡⼤するための振興策の1つとしてアドベンチャートラベルの普及に向けた取り組みを実施。

2023年度から2025年度を対象とする「訪日マーケティング戦略」では、
アドベンチャートラベルの旅行先として、
日本がアジアNo.1になることを目指しています。

JNTOの取り組み
アドベンチャートラベルは、自然文化に関心の高い旅行者層の地方誘客のみならず、体験価値を高めるコンテンツ造成により、各地域の特色を打ち出した高付加価値旅行の充実にも寄与が期待される旅行スタイルと考えられます。このためJNTOでは日本各地のアドベンチャートラベルコンテンツの魅力訴求に力を入れています。

※JNTOホームページ「アドベンチャートラベルの推進」より引用
https://www.jnto.go.jp/projects/overseas-promotion/theme/adventure-travel.html

官庁系が力を入れてくれています。
アドベンチャートラベル導入への追い風、吹いてますね。

意外と簡単?と見せかけてそうでもない 
アドベンチャートラベルの定義

なじみのない「アドベンチャー」という言葉を聞くと
いまこそアドベンチャー感が出てきて
龍に会ったり、天下一強くなったり、何回か死んだりしないといけない
ハードな冒険のイメージが浮かんでしまいます。(世代によります)

アドベンチャートラベルはそうではありません。

アドベンチャートラベルとは・・・

のことです。(Adventure Travel Trade Associationによる定義)。

さらに上記3要素に加え、ATTAは
アドベンチャートラベルにおける『5つの体験価値』を掲げています。

  1. 今までにないユニークな体験(The Novel and Unique)
     そのほかの場所では味わえない、その場所ならではの体験がある

  2. 自己変革(Transformation)
     体験を通じ、自己が成長・変化していくと感じることができる

  3. 健康であること(Wellness)
     旅行前より心身ともに健康になったと感じられる

  4. 挑戦(Challenge)
     身体的・心理的に様々な意味合いでの挑戦が含まれている

  5. ローインパクト(Impact)
     文化や自然に対する影響を最低限に抑えられていると感じられる

ということで、上記の
「3要素のうち、2つ以上の要素」 と
「5つの体験価値」 が含まれている旅行を
『アドベンチャートラベル』と呼べます。


ここまではまだいいんです。
なぜなら、
日本には固有の文化が多くあり、地方にはたくさんの自然があるので
「3要素と5つの体験価値」は資源としては揃いやすいからです。
これはアドベンチャートラベル参入の障壁が低くなっている
というメリットなんです。


な ん で す が ・・・

アドベンチャートラベルを構築するうえで重要なのは、
「3要素と5つの体験価値」がある
旅や体験のコンテンツを
「1つ作ればいい」のではなく、
ただ「並べてつなげた」だけでもなく、

旅や体験のコンテンツを通して、

ことなのです。
これがアドベンチャートラベルを考えるにあたり、
最も大切にしなければならないポイントです。

ストーリーの流れが感じられないと
体験の魅力や意味が旅行者に伝わりにくく、
満足が得られない結果になってしまいます。

ストーリーを作り上げることは、
旅行者の感情に訴え、体験がより深い意味を持ち
旅行者の満足度が高まることにつながるのです。


では、「アドベンチャートラベル」って
地域にとってなにがいいの?ってことで
つぎは…

アドベンチャートラベルを取り入れる
地域にとってのメリットは?

AT旅行者の特徴として、教育水準の高い富裕層の割合が高く、平均で14日間と長期の滞在を好み、アウトドアギア(用具、装備)にもこだわる層が多いことから、経済波及効果が高く、北米・欧州・南米の主要地域ではそれぞれの国内市場を除く海外での消費額のみで推計6830億ドルの経済効果があるとされています。また旅行者の旅行目的地選定にあたっては、その地域の魅力そのものはもちろん、旅行者がATを通じて、地域の自然・社会環境のサスティナビリティ、地域住民の雇用・所得向上に貢献できるかといった視点が重視されるなど、従来の旅行とは違った観点で構築された質の高い旅行プログラムが求められます。

※日本アドベンチャーツーリズム協議会 ホームページより引用
https://atjapan.org/adventure-tourism

上記にまとめてありますので、軽く・・・

  • 経済効果
     所得水準の高い層が欧米のアドベンチャートラベルの旅行者である
     というデータから、単価の高い富裕層の獲得につながります。

  • 環境保護
     自然環境を活かしたアドベンチャーツーリズムは、
     その地域の自然保護意識を高める一因となります。
     持続可能な観光活動の推進や自然資源の大切さの認識が広がります。

  • 雇用創出
     現地ガイドやインストラクター、コーディネーター、
     宿泊施設や飲食店など新たな雇用の機会を創出します。

  • 文化交流
     地域の自然や文化に触れるため、観光客が現地の伝統や習慣を尊重し、
     学ぶことで、文化交流や理解が深まります。

そう考えると、アドベンチャートラベルの推進は
地域の活性化を目指すみなさまが求める
「地元の資源を使い、環境にも優しく、
 様々な人にきてもらう(そしてたくさんお金がまわれば・・・)」
という目的にピッタリなのではないでしょうか。

◆広まらぬなら 根付かせましょう アドベンチャー

今、アドベンチャートラベルが流行っているからって、
乗っかって、のちに廃れたら・・・
という恐れはいらないのではないでしょうか。
なぜなら、
ヨーロッパ・アメリカ・オーストラリアでは
すでに浸透している旅の形態の1つで、
一過性のものではないからです。
将来的には、「世界的に一般的なものになっている」と言われています。

ただ・・・
日本で、まだ根付いてないだけです・・・。

次回 
アドベンチャートラベルの課題や
事例へ続く・・・


アドベンチャートラベルは、上記の
「アクティビティ、自然、文化体験の3要素のうち、2つ以上の要素」 と
「5つの体験価値」 が含まれること

重要なのは
個々のコンテンツを作るよりも
歴史や文化など「一貫したテーマ」を持って
その地域の「ストーリー」を作ること

そして、アドベンチャートラベルの推進は
地域の活性化に貢献できること

と、なんとなく思えてきましたでしょうか。

アドベンチャートラベルについて
少しわかったところで、
次回はアドベンチャートラベルの課題や
国内での事例をご紹介します。

大事な「地域のストーリー」を作るのに、最も重要な存在とは・・・

ではまた次回。
少しでも
みなさまの地域の発展、活性化につながりますように。

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